南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

第2の開拓期

2010-01-24 17:52:07 | ユニオン

今日はフード連合静岡地区協議会の新春旗開きでした。
県内にある食品関係の企業に働く仲間の皆さんが多く集まりました。
ここでも“労働者の自立”を、イギリスで起こった産業革命の時代を例に挙げて訴えました。

労働組合の発祥はイギリスに起こった産業革命を契機としたものでした。
産業革命の真っ只中、イギリスでは何が起こっていたのでしょうか。
蒸気機関の発明などにより工場は機械化が進みましたが、工場で働く人たちは重労働と劣悪な労働環境が普通で、17時間労働や10歳以下の児童労働も当たり前の社会でした。
労働者の生活は苦しく、住宅事情も悪く、生活必需品を売る商店での不正がまかり通っておりました。
肝心の労働者も働く意欲は低くて、無知で迷信に惑わされたり、不道徳で盗みなどの悪習がはびこり、男たちは酒に溺れていたといいます。
そんな社会を変えていこうと少数の労働者が立ち上がり労働組合が誕生します。
活動家たちは居酒屋に集まり、情報交換をし作戦を練りました。
世界的な協同組合運動の思想家「ロバート・オウエン」は優秀な経営者としても社会改革の先導役を務めていましたが、晩年、「労働者が自由と幸福を得るのは、自分たち自身の力によってのみ可能となる」と、労働運動の大切さを説いて世を去りました。

1800年代の産業革命が蒸気機関などの機械化によって起こったならば、現代の産業革命は2000年代のIT革命によって起こりました。
デジタルの世界は一瞬のうちに時空を飛び越えて広がり、国境という垣根も壊していきました。
グローバル化の進展は実体経済をも動かし、労働コストの安い国へ安い国へと生産がシフトしていきます。
いまや世界の生産工場となった中国でも安穏としていられないような激烈な競争社会に突入しました。
まさに失業と貧困の嵐が世界中に吹き荒れています。

この第2の産業革命期に、現代の労働運動はいまだ対応し切れていません。
どうすればいいのでしょうか?
答えはオウエンの言葉の中にあると思います。
「労働者が自由と幸福を得るのは、自分たち自身の力によってのみ可能となる」
まさに“独立の気概”を求めています。
さあみんなで労働運動を広げていきましょう。