南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

独立自尊

2010-01-14 12:34:51 | ユニオン

SBSラジオ「中村こずえのsmile for you」にドキドキしながら出演。
キャスターの中村こずえさんは、笑顔のとても素敵な方でした。
こずえさんの巧みなリードのおかげでアッという間に終わってしまいましたが、緊張していたせいか事務所へ戻ったら「いつもの声とは違ったね」と言われました。
このコーナーで私たちは、県内160万勤労者のみなさんに伝えたいことがたくさんあります。

新しい大河ドラマが始まるたびにそれを考えるのが楽しみでもありますが、明治を舞台とした「坂の上の雲」「龍馬伝」でも、国営放送としてなにかを国民に伝えようとしています。
「坂の上の雲」では阿部寛扮する秋山好古が、「学問のすすめ」の一説を繰り返し使っています。
『自由独立のことは人の一身にあるのみならず、一国の上にもあることなり』
(個人の独立があって、はじめて国の独立もある。一人一人が独立した意志を持たなければ立派な国を創り上げることはできない)

「学問のすすめ」は福沢諭吉が著した書物です。
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」というフレーズが有名ですが、私もこれまで全文を読んだことはありませんでした。
読み進んでいくと福沢諭吉という人物の気概に圧倒されます。
「天理人道に従いて互いの交わりを結び、理のためにはアフリカの黒奴(こくど)にも恐れ入り、道のためにはイギリス・アメリカの軍艦をも恐れず、国の恥辱とありては日本国中の人民一人も残らず命を棄てて国の威光を落とさざるこそ、一国の自由独立と申すべきなり」

まず諭吉は外国との交易がはじまり右往左往する日本の国民を「井の中の蛙」と笑い飛ばしています。
そのうえで実ある(実学)学問を人々に進めて、“独立自尊”の考え方を説きました。“独立自尊”の考え方、生き方とはなんでしょうか。
“独立”とは、自分のことは自分でやる、自分でやれることは他人に頼らない生き方です。
“自尊”とは、決して権力に媚びず、権力に潰されず、かといっていたずらに反抗するのでもなく颯爽と生きることだ、としています。

この生き方は労働組合の本質的な存在意義とも重なります。
私たちは、人間らしく生きるために自由であることを追求しています。
自由であるということは、すべての人間が個人として尊重されるということです。
・是は是、非は非と自らの意見や考えを主張する自由
・働くものに対する扱いや労働条件について改善を求める自由
・その実現に向けて団体行動に訴えることのできる自由

私たちは、労働組合をつくることにより、これらの自由を法律によって与えられていることを、今あらためて自覚しなくてはなりません。
そのことが私たちにとっての「学問のすすめ」(バイブル)であり、私たちがラジオをとおして160万勤労者に伝えたいことでもあります。