天地わたるブログ

ほがらかに、おおらかに

切株の暗き虚よりひこばへる

2024-04-15 11:07:09 | 身辺雑記



中央線の西国分寺駅の北口にちょっとした雑木林がある。姿見の池緑地といちおう名がついているが一周しても300歩ほどのこじんまりした林である。
よく散歩するところで2、3日前、ある切株に蘖(ひこばえ)を見つけた。ふつう蘖は切り株のわきから何本もかたまって芽吹くのであるが、それは切株の真ん中の芯がなくなった穴の中からすっと1本立ち上がっていた。
年を取った木はたいてい芯のほうが腐る。芯が失せて空洞になることが多い。そこから芽を吹くことはめったにないが、その木が空洞から1本立ち上がっていた。めでたいと思った。
芽は出るのはいいが根はどうなっているのか。屋久島で倒木から芽吹いた新たな生命は残骸(死体)の中にったぶん根を張りそれを栄養とするだろう。
木は人間よりも生命の連続性を強く感じる。死んだ土台が邪魔でないかのようにそこに新しい生命が伸びて行く。そして1木の生命もべらぼうに長い。すげー奴らだと感心する。
この木の成長を見ながら歩くのは励みとなる。

        
コメント
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