今年もついに神無月がやってきた。最後の大きな釜ヶ崎暴動があった1990年10月のあの日々より、16年が過ぎた(公式の最近の暴動は1992年のものが最後)。あれから始まった釜ヶ崎テナヅケ計画は官民・運動体の総ぐるみで行なわれ、それらによる釜ヶ崎支配機構の始動により一層酷さを増していき、「怒ったら損やで、仕事なくなるから」という言葉に象徴される忍苦のみの屈従を日雇い野宿の仲間たちに強いていった。それらは忍従しかできない雰囲気づくりを担い、多くの仲間たちを「黙ってノタレ死なせる」道をひらいた。 2000年8月に始まる長居闘争以降、周辺部での排除とあいまって襲撃は激化し、襲撃に反撃した仲間たちが法による制裁を受け、襲撃する奴らが制裁を受けないという意味不明な状況が当たり前の様に続いている。特にイベントなどの多いこの時期には「イベントがあるから…下半期の予定による工事があるから…」なる理由付けで行なわれる排除と伴い、激しい襲撃が襲いかかる季節である。そこには慈悲など存在しない。既に今年は、市東部周辺でも真田山公園事務所管内などで、強硬な公園事務所職員が野宿の仲間を探し回り、「所轄区役所に出頭せよ」などと言い回るなどしているという事例が聞こえてきており、公園に定住していない野宿の仲間にも「あなたはここでいつも寝てるんですか。ここは寝るところじゃありません。自立支援センターに行きますか」などと聞き、言い回るなどしている。ただでさえ「ひったくり」の件でといいつつ、頻繁に辻辻で職質や盗難自転車チェックを受けさせられる府市東部の野宿の仲間たちのフラストレーションは倍加している。それにもまして缶とり時の争奪戦のフラストレーションも無視できない。市内では考えもしないだろうが、拠点など持てないその日その日の流浪の野宿の仲間が東部でどれだけ増えているかということも忘れてほしくないものだ。その内のある仲間の悲痛な叫びを紹介しておく…「俺らは随分譲ってきた。餌場を片付けない市内からの奴らのせいでエサが出なくなった時も、缶とりの場でゴミ袋を散らかす市内からの奴らのせいで缶が出なくなった時も、ご互い様だと思って別の場を探して事を荒立てずに引いてきた。生活保護やテントに住んでるアマチャンがこっちに来て俺らの取り分をこれ以上荒らすなら、覚悟してもらうしかない」。缶をぶん取り、こんな状況をつくったなりふり構わぬ大阪市環境事業局の今年からの「精勤状況」には全く怒りが込み上げずにはおられない。
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