氣楽亭 日乗

大阪生まれで奈良県広陵町の長閑で氣楽な田舎暮らしの氣功師が氣ままに綴る懐かしい昭和の年代記です。

周防の猿

2006-01-03 10:51:52 | 懐かしい言葉
昭和20年代後半の正月になると奈良には「伊勢太神楽」が来ましたが大阪には「周防の猿」(猿廻し)が来ました。

現在の「猿廻し」は「日光猿軍団」が有名に成りましたが昔は「周防」(山口県)が本場で全国に稼ぎに出る職能集団でした。
「周防の猿」は昭和30年代に「伊勢太神楽」と同じく消滅します。

それからの大阪には「太神楽」の流れを汲む「獅子舞」がやって来ましたが「伝統芸能の獅子舞」は少なく寄付を強要する「暴力獅子舞」が跋扈します。
各家庭の玄関先には「押し売り獅子舞お断り」の札が貼られるように成りました。

強面で乱暴な「獅子舞」は怖がられていました。
「獅子舞」の姿を見かけると各家では玄関の鍵を掛けて居留守を使う。
怪しげな「暴力獅子舞」は本当に怖かった・・・

しかし「周防の猿」は面白くて皆の人気者です。
オジサンが「締め太鼓」を叩き2~3匹の衣装を着せた猿を使い芝居をする。
面白可笑しくオジサンがセリフを喋ると猿が演技をします。
「国定忠治」や「金色夜叉」など誰もが知っている芝居でした。

街角の広場や路地の入り口で演じられた「周防の猿」が懐かしい。
「周防の猿」も今では死語と成りました・・・