或る日降って湧いた/「自分自身にとっての/不都合な出来事や状況の発生」が、①昨日も/今日も/明日も/明後日も継続して行く状況及び②その不都合な出来事や状況の継続を排除する為の道筋が全く見えてこない状況の下で、そのことが、③「キッカケ」となり、④心が折れて/⑤『意欲』を喪失する為に開始されることとなる/日々の「単調な暮らし方」であり、「生き方」でもあり、脳の使い方としての視点と意味で言う『生活習慣』のことを、比喩的な表現を借りて言うならば、『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣』のことであり、より具体的には、『生き甲斐なく、趣味なく、交遊無く、運動する機会も無く、地域の活動に参加する機会も無く、目標となるものも無い「単調な日々の暮らし方」のことを言う』のです。
その『ナイナイ尽くしの単調な生活習慣』が始まってから、5~8ケ月後には、『アルツハイマー型認知症(以下、「AD型認知症」と略記する)』を発病することとなり、発病してから(3年間)が、『軽度認知症(小ボケ)」の期間であり、次いで、「中等度認知症(中ボケ)」の期間が(2~3年間)続いて、発病してから(5~6年)の期間が経過すると、末期の段階である「重度認知症(大ボケ)」になる」と言うのが「大原則(標準的な滞留期間)の存在」であり、症状の回復及び/又は、症状の重症化の進行の抑制が可能な/本当の意味での「早期の段階」である、「軽度認知症(小ボケ)」及び「中等度認知症(中ボケ)』の段階に於ける『標準的な滞留期間』の指標となります。
「キッカケ」が発生してから、「AD型認知症」を発病するまでの期間は、極めて短い人から(4~6ケ月)、或る程度長い人(8~10ケ月)とが/居ることに注意して下さい。滞留期間に差が出て来る理由は、「キッカケ」が発生した時の/①本人の「年齢」(第一の要件)並びに②「キッカケ」となった(出来事/生活状況)の「質と量の差」及び③本人の受け止め方「心が折れて、意欲を喪失することとなる(受け止め方)の程度の差」によるものなのです。
実は、更なる問題、「見逃されやすい問題」が有ります。「AD型認知症」を発病した後の「軽度認知症(小ボケ)」の期間及び「中等度認知症(中ボケ)」の期間、即ち、『(小ボケ)は3年間;中ボケは(2~3年間)と言う「標準的な滞留期間」に関しても、それぞれの「標準的な滞留期間」と比べた場合に、(より短い期間の場合)と(より長い期間の場合)とが有る事なのです。その場合の」滞留期間の差が生じて来る理由は、(下図『発病者に確認される脳の老化のスピード差』に例示する、①「脳の老化を加速させる条件」が発生したこと【この場合は、重症化の進行のスピードが速まる為に、より早く次の段階へと進むことになります。即ち、(小ボケ)は、(中ボケ)に/(中ボケ)は、(大ボケ)になるのです】又は、②「脳の老化を引き戻す条件」が発生したこと【この場合は、(小ボケ)は(小ボケ)の儘で/(中ボケ)は(中ボケ)の儘で、同じ段階の中で「滞留期間が、より長く」なって行き、症状は、「改訂版30項目問診票」に提示した症状の/より軽い症状の方へと変化/改善して行くと言う形になります】により、具体的な「滞留期間」の差が生じて来る)のです。
【 注!!】エーザイは、『「AD型認知症」の症状の進行を遅らせる効能を有する「治療薬」との謳い文句で、「アセチルコリン仮説」を理論的な根拠とする「アリセプト」を開発/販売』して、大儲けした会社。『AD型認知症』を、極めて重度の物忘れが特徴の「神経変性疾患」だと誤解していた上に、真の正体は、「廃用症候群に属する老化・廃用型の生活習慣病である」事にも、無知な儘、更には、アリセプトの効能の評価に関しても、上記に説明した、『生活習慣要因の影響を排除しない儘』に、投薬と症状の進行の抑制との間の「因果関係の有無の評価も、極めて杜撰」と言わざるを得ない代物なのです。アリセプトの真の正体は、「AD型認知症の症状の進行を遅らせる効能を有する治療薬と言うのは、真っ赤な大嘘」、症状の発現の仕方を亢進させるだけの\興奮型の「単なる対症療法薬」でしかないのです。
「生活歴」を聞き取る際は、この(具体的な生活実態)を聞き出すことが、必要かつ重要なことなのです。なお、「大ボケ」の期間は、症状が「大ボケ」のレベルに進んできてから死亡するまでの期間であり、個人ごとに異なり、一定の期間というものはありません。世の中の認知症の専門家といわれる人達は、「大ボケ」のレベルの症状が出てきて初めて「AD型認知症」の発病であるとの診断をしているので、末期の段階である「大ボケ」の期間だけを取り上げて「認知症の期間」と言っているのですが、正確に言うと、「小ボケ」、「中ボケ」及び「大ボケ」の各期間を合計した期間が、本当の意味での「AD型認知症の期間」なのであり、ケースによっては/相当な長期にわたることになるのです。「脳がもたないのに、身体がもつ」、それが、「AD型認知症」の特徴なのです。
(まとめ)
米国精神医学会が策定し、世界的な権威を誇る「AD型認知症」の診断基準である『DSM-Ⅳ』の規定は、第一要件では、「記憶障害=極めて重度の物忘れの症状」の確認を要求していて、且つ、第二要件では、「失語(紛い)、失認(紛い)又は、失行(紛い)と言う/極めて重度の症状の確認を要求」している為に、認知症の診断が専門の精神科医は、私たち「二段階方式」が提示する本当の意味での早期の段階であり、早期発見と早期治療に因り、回復及び又は、症状の更なる進行の抑制が可能である「軽度認知症(小ボケ)/(回復可能)」や、「中等度認知症(中ボケ)/(進行の抑制が未だ可能)」の段階を見落としていて、末期の段階である『重度認知症(大ボケ)/(為す術が何も残されていなくて、介護の対象となるだけ)』で発病を見つけるという、重大な誤りを犯しているのです。
本当の意味での早期の段階であれば、『前頭葉』機能の活性化を目的とした「生活習慣」の改善(「前頭葉の三本柱」の機能である「意欲」、「注意の集中力」及び「注意の分配力」の機能の出番が増える「生活習慣」を/極力増やす『生活テーマ』の取り込みを工夫すること)により、『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能レベルの「改善」が期待出来るのです。廃用性の/加速度的で/異常な機能低下が進行して来た(使われる機会が、極端に少ない生活習慣の継続により、脳全体の機能が/異常なレベルに衰えてくること)直接の結果として、低下した脳全体の機能レベルに/厳密にリンクした「三段階に区分」される類型的な症状が発現して来る訳なのであり、(言い換えると、世の中の専門家と呼ばれる人達が言っているような、アミロイドβの蓄積や/タウ蛋白の沈着が原因で、神経細胞の大量死が惹起されて来た直接の結果として、「AD型認知症」の症状が発現して来ている訳ではない)のです。
「前頭葉」機能を含む/脳全体の機能を使う機会が増えてくる生活習慣が継続される(「脳の使い方」としての「生活習慣」の改善)により、脳全体の機能が回復して来る(小ボケ)/症状の重症化の進行が抑制される(中ボケ)のです。但し、末期の段階である「重度認知症(大ボケ)」のレベル(この段階のみをとらえて、世の中の専門家達は、「AD型認知症」の初期と診断しています)になると、最早、(為すべきことは、何も残されていなくて)、大河の川幅のように幅が広い(大ボケ)のレベルの中で、運動の脳や右脳を刺激する「生活習慣の改善」の継続により、(更なる、症状の進行が、或る程度緩和される)ことは、期待できるのですが、「中ボケ」レベルへの改善の見込みは、殆ど期待出来無くて、極めて困難なものになってしまうのです。
個々人の/実際の生活の場面では、上図(脳の老化のスピード差をもたらす生活習慣要因)に例示してあるように、それなりに「プラス要因」の生活習慣(脳全体の働きを/活性化させ、機能を改善させる生活習慣)が入り込んで来たり、逆に、「マイナス要因」となる生活習慣(脳全体の働きを/不活発にさせ、機能を悪化させる生活習慣)が入り込んで来たりするものなのです。
発病者の各段階(「小ボケ」、「中ボケ」)での具体的な滞留期間が、「標準的な滞留期間の数値基準」に適合しないケースでは、上の図に例示する「プラス要因」/或いは「マイナス要因」と考えられる要因が入り混じり、或いは重なって起きてくることの「生活習慣」の質と量とが脳全体に働いて、「AD型認知症」の症状の更なる「進行」や/「回復」に影響を与えているだけなのです。
エイジングライフ研究所の「二段階方式」を実践活用するときは、「前頭葉」機能の働き具合及び「左脳と右脳」の働き具合を/神経心理機能テストで定期的に/精緻に測定・評価し、「生活実態」の聞き取りから確認される『生活の自立度(症状の三段階区分)』を判定し(「脳全体の機能レベル」のアウト・プットとしての「症状」の発現の確認)、更に、「生活歴」の聞き取りから、その対象期間中の「脳の使い方」としての『生活習慣』を具体的にチェックします。その上で、「神経心理機能テスト」により、『前頭葉』機能を含む/脳全体の働き具合の総合的な判定結果を、「改善」、「維持」、「悪化」の三段階に区分して評価し、対象期間中の「生活習慣」を/脳全体の機能レベルの判定結果と照らし合わせるのです。「改善」、「維持」、「悪化」の各々のケースについて、その人の脳を活性化させるような「生活習慣」としての生活実態が/どうであったのか、「プラス要因」や「マイナス要因」が/どのように入り混じっていたのか、或いは、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が継続したままだったのか等を、詳細にチェックするのです。そうした評価によると、『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能レベルの推移(改善、維持、悪化)と対象期間中の脳の働き具合を支える「生活習慣」としての「生活実態/脳の使い方としての生活歴」とは、必ず合致していることが分かるのです。
そうした極めて多数の事例の分析と「脳機能データ」の積み重ねから、上記「老化のスピード差」の期間が導き出されているので、この「小ボケ」、「中ボケ」の期間が「標準的な指標」として、大多数のケースには、合致することになるのです。この指標となる期間と実際の個別のケースの期間との間に差異があるときは、「プラス要因」と「マイナス要因」とが複合して脳の機能レベルの変化に影響を与えているので、その実態を丁寧に確認する作業がとても重要なのです。こうした極めて多数で/極めて精緻な内容の「脳機能データ」の積み重ねから、専門家達から(原因も分からないし治らない病気)とされている「AD型認知症」を発病する原因要因は、「加齢」(60歳を超える年齢の高齢者であること)が、「第一の要因/基盤となる要因」であり、その年齢の下での「脳の使い方」としての「単調な生活習慣」(ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」の継続)が、「第二の要因/加重要因」であることが分かったのです。「第一の要因」と「第二の要因」と言う、『異なる二つの要因』が並存する事(同時に並行して、存在していることに因り、二つの要因が、同時に充足されることとなる)の『相剰効果』に因り、『前頭葉』機能を含む/脳全体の機能が、①廃用性の/②加速度的で/③異常な機能低下が進行して行くことに因り(発病を惹き起こす真の原因)、「AD型認知症」を発病して来ること並びに、発病後も、ナイナイ尽くしの「単調な生活習慣」が、継続して行くことに因り、「症状の重症化」が進して行くことが、確認されて/真の原因を解明出来たのです。
猶、上記の場合に、どのような『生活習慣』が、脳全体の活性化及び脳全体の機能レベルの改善に繋がるのかについては、上述の例示のように、標準的なものを類型化して導き出すことは出来るのですが、絶対的なものはなくて、あくまで相対的なものだということが留意すべき重要なポイントなのです(実際の例なのですが、『同居の孫とのカラオケ』にのめり込んで、症状が改善したケースもあるのです!!
その「生活習慣」を/個々の本人の「前頭葉」機能(『評価の物差し』の機能がどのように評価したのかが、「前頭葉の三本柱」の意欲、注意の集中力と注意の分配力の働き具合に直接影響しているからなのです。ところが、「東日本大震災」を被災した地域のお年寄りの場合は、上述したケースとは、状況が根本的に異なることに注意が必要だと考えています。未曾有の大災害がもたらした「生活状況」と復興に向けての国や自治体の一向に進まない対応振りという問題とが重なっているのです。
今回の被災では、「前頭葉の三本柱」の機能の大本の機能である、「意欲」自体を大きく阻害してしまう「種々の喪失体験」並びに「マイナス要因」としての「生活状況」の実態が、極めて大きく且つ数も多い上に、脳全体を活性化させる「プラス要因」となる状況が/極めて想定しにくい状況にあるからです。現地を訪ねて見えるのは、全体的な復興が遅々として進んでいないことと、個人のレベルでの「目標」を構築することが出来難い生活状況(脳全体を活性化させるような「テーマ」の構築と維持が、期待出来難い生活状況)に置かれたままで居るという現実でした。
このような環境下では、上述した「進行の標準的な滞留期間」の基準よりも速く、「症状」が次の段階に進んで行ってしまう(「小ボケ」が/「中ボケ」に、「中ボケ」が/「大ボケ」に進むまでの期間が短くなってしまう)のではないかと、危惧せざるを得ないのです。
「二段階方式」を導入して、「AD型認知症」に対象を特化した/『住民参加型の地域予防活動』を展開している市町村での実践指導を通じて、本当の意味での早期の段階である「軽度認知症(小ボケ)」と「中等度認知症(中ボケ)」の段階であれば、日々の「脳の使い方」としての視点と意味で言う『生活習慣』の改善と継続的な実践の自助努力とに因り、①正常レベルへの脳機能の回復が可能であること及び/又は、②症状の重症化の進行の抑制が可能であることが、実証されたのです。但し、③末期の段階である「重度認知症(大ボケ)」のレベルに迄/脳の機能が衰えてしまった人達は、「中ボケ」レベルへの機能の回復さえも期待出来ないことも分かったのです。
従って、真の正体が、『①廃用症候群に属する/②老化・廃用型の/③「生活習慣病」に過ぎない』認知症である『AD型認知症』の発病者である場合は、「早期発見と早期治療」が/極めて重要だということなのです。
また、『認知症の予防』という「テーマ」について言えば、世界中で/認知症の専門家と言われている人達が「予防」というときは、「脳血管性認知症」/又は、「二次性認知症」のみを対象として考えているという問題があります。余談になりますが、私たちの知る限りでは、「予防」というテーマの対象に/「AD型認知症」を正面から取り上げているのは、東京都老人総合研究所だけではないかと思います。認知症の大多数は、「AD型認知症」であること及び「AD型認知症」は、廃用症候群に属する/老化・廃用型の単なる「生活習慣病」なのであり、『前頭葉』機能を含む/脳全体が活性化する『生活習慣』の構築と継続的な自助努力とにより、『発病自体を予防することが出来る(=発病時期の先送り)』のだということを声を大にして、世界中のの専門機関(専門家達)に、問題提起しておきたいのです。
現在、殆どの医療機関で行われているような、「極めて重度の記憶障害/物忘れの症状」及び失語(紛い)、失認(紛い)、失行(紛い)の症状と言う/「極めて重度の症状」を基準にして、発病の有無を診断する方法では、(為す術が何も残されていなくて、介護の対象となるだけである)「重度認知症(大ボケ)」の段階でしか、「AD型認知症」の発病を見つけることが出来ないのです。
「重度認知症(大ボケ)」の段階のお年寄りの「介護」を/家族の手だけに委ねるのは、家族の精神的及び経済的負担が大きすぎて、国の政策として取るべきものとは考えがたいのです。「老老介護」/「認認介護」/果ては、「介護離職」などが、此の我が国日本で、『社会現象』化して来ているのです。このような社会状況を放置していることは、絶対に許されないのです。
対策としては、極めて有効で/有益で/低コストで実現実践できることを、私たち「二段階方式」が、北海道から九州に跨る全国的規模、452の市町村との「有償で有期の/二段階方式ソフトの使用許諾契約」の締結の下で、実践指導し、顕著な成果を挙げて、実証済みのものである『住民参加型の地域予防活動』を、国策化して、全ての市町村で/保健師さんと地域のボランティアとの共同で、全国展開すべきなのです。
注)本著作物(このブログ A-42に記載され表現された内容)に係る著作権は、(有)エイジングライフ研究所に帰属しています。