247849 振り切れた測定器の針~福島・原発の町最前線レポ豊田直己~ 2011年03月24日 | 肉体破壊・環境破壊・精神破壊問題 247849 振り切れた測定器の針~福島・原発の町最前線レポ豊田直己~ 猛獣王S HP ( 不惑 営業 ) 11/03/24 PM06 『福島・原発の町 『振り切れた測定器の針』 豊田直己』(一輪の花)リンクより転載します。----------------------------------------------------------------東日本大震災が福島第一原発を襲ったのは、私が事故発生から25年目のチェルノブイリ原発事故取材を終えて帰国した直後だった。 チェルノブイリでの取材体験から日本がのっぴきならない自体に陥る可能性を直感。「まさか日本で原発事故取材に出かけるとは」と思いつつ、3月12日に福島県郡山市に入った。 (フリージャーナリスト 豊田直己) 翌13日、日本ビジュアル・ジャーナリスト協会(JVJA)の仲間や写真誌「DAYS JAPAN」編集長の広河隆一さんと合流した。 福島第一原発のある双葉町は、13日時点で既に避難指示が出ていた「原発から20キロ圏内」にあったが、入域制限しているチェックポイントまでは行ってみようと国道288号線を東に向った。 すると、予想に反して双葉町まで行き着いてしまった。検問も避難指示の案内板もなかった。国道をまたぐJRの鉄橋が崩れ落ち、地震のすさまじさを見せ付けていたが、人影はない。 20マイクロシーベルトまで測定可能な放射線測定器を取り出すと、アラーム音を発しながらみるみる数字は上がり、限界値の19.99を示した。放射能測定が初めての仲間が「この数字はどのくらいのレベルなんですか」と防護マスクでくぐもった声で聞いた。 「おおよそだけど、普段の東京の数百倍かな」と答える。既に尋常でない高濃度汚染地に入り込んでいた。 車を町の中心部に向けて進めた。人けのない家が並ぶが、地震の被害はそれほど見られなかった。そこで、もう1台の100マイクロシーベルトまで表示する測定器を取り出すと、これも針が振り切れた。 この事実を行政当局に知らせようと、双葉町役場に直行したが、役場玄関の扉は閉ざされたまま。緊急連絡先の貼り紙もなかった。静まりかえった町に、ときどき小鳥のさえずりが聞こえる。 入院患者に被曝者が出たと報じられた双葉町厚生病院に向ったが、ここも無人。玄関には患者を運び出したとみられるストレッチャーが何台も放置され、脱出時の慌しさがうかがえた。地震で倒れた医療機器や診療器具が散乱。消毒薬の臭いが漂う。 原発から約3キロの同病院でも測定器の針は100マイクロシーベルトで振り切り、上限に張り付いたまま。そこで1000マイクロシーベルト(1ミリシーベルト)まで測定できるガイガーカウンターを取り出したが、これもガリガリガリと検地音を発し、瞬時に針が振り切れた。「信じられない。怖い」私は思わず声に出していた。 これまで取材した劣化ウラン弾で破壊されたイラクの戦車からも、今も人が住めないチェルノブイリ原発周辺でも計測したことのない数値だ。 「今年行ったチェルノブイリ原発から200メートルの場所でも40マイクロシーベルトだったのに」。放射能汚染地帯の取材経験が一行の中で最も多い広河さんも信じられない様子。「これから子供をつくろうと思っている人は、車から降りないほうがいいかもしれない」と真顔で言った。 放射能は、風向きや地形によっても異なる。もう少し調べようと海岸に向ったが、病院から数百メートル行ったところで津波に運ばれてきたがれきと地震で陥没した道路に行く手を阻まれた。放射能汚染に気を取られ、しばし忘れていたが、紛れもなくここは巨大地震と大津波の被災地でもあった。その被災地を五感で感知できない放射能が襲っている。 慌しく街中の取材を終え、汚染地帯を脱しようと急いで帰る途中、町方向に向う軽トラックに出会う。車を止めて汚染状況を説明すると、「非難所にいるんですが、牛を飼っているので餌やりに行かないと。だめですか」。私に許可を求めるような困った表情で年配の女性が聞いてきた。「長い時間はこの辺にいない方がいいですよ。気をつけて下さい」。そうお願いするしかなかった。 町内の道路をまたぐアーチには、「原子力 郷土の発展 豊かな未来」との標語が掲げられていた。しかし、現実には未来を奪いかねない放射能の脅威に町はさらされていた。---------------------------------------------------------------- « 247798 太平洋プレート連鎖型... | トップ | 247850 「名もない50人が日本... »
1 コメント コメント日が 古い順 | 新しい順 原発 (津波) 2011-04-13 22:12:54 福島は広島原爆の60倍の放射性物質をばらまいている。原発事故から周囲30キロと塩水とガレキの津波の跡地を政府が買い上げ、太陽光発電基地にしてはどうか。 福島原発事故は0.63エクサベクレル。チェルノブイリは5.2エクサベクレルで広島原爆の500倍。つまり福島原発事故は500×0.63/5.2=60で、広島型原爆の60倍の放射性物質をばらまいている。 返信する 規約違反等の連絡 コメントを投稿 goo blogにログインしてコメントを投稿すると、コメントに対する返信があった場合に通知が届きます。 ※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます 名前 タイトル URL ※名前とURLを記憶する コメント コメント利用規約に同意の上コメント投稿を行ってください。 コメント利用規約に同意する 数字4桁を入力し、投稿ボタンを押してください。 コメントを投稿する
福島原発事故は0.63エクサベクレル。チェルノブイリは5.2エクサベクレルで広島原爆の500倍。つまり福島原発事故は500×0.63/5.2=60で、広島型原爆の60倍の放射性物質をばらまいている。