手前味噌だが、 Casatiは、創業者のオリジナルDNAを引き継いでいるメーカーとして最も古い会社のひとつにあげられる。創業1925年。歴史あるモンツァというミラノ郊外の街。フェラーリとサーキットの街といったほうが知られているかもしれない。そして富裕層がたくさん住んでいる街でも知られているようだ。いまでも頑なにイタリア国内で作る事に拘ってきた数少ない工房だ。
いま、有名になっているブランドの多くは第二次世界大戦後に出来た。戦前からのブランドでも、売却・買収を繰り返して創業時代からのマインドやテイストを引き継いでいるところはほとんどない。Casatiの歴史、それを知っている街の人々はCasatiをとても大切にしているように感じる。だからCasatiも地元を大切にして、いまやローカルショーになったミラノの自転車ショーにも出展している。
何年か前にそれに訪れたときには、Casatiのブースを囲む人の多さに驚いた。手前味噌だが、コルナゴやデローザーといった日本で有名なブランドよりも多いかもしれない。よくよくみると年配の人がかなり多い。懐かしそうにCasatiの人達を挨拶を交わしている光景に歴史を感じた。
このように創業一族がそのブランドを守り続けるなんてのは珍しいことだ。いまでも売却されたりされたオーナーが代わったブランドは多い。それだけでなく、台湾メーカーの今日の隆盛を見たら、強力なブランド力があっても、自転車関連メーカーはチョットした経営上の失敗で、簡単に瓦解してしまうのだ。実際、ローフィニッシュ製品(製品仕上前の段階)からOEM(完全な生産委託)迄、台湾企業を利用している(利用せざるを得ない)ブランドは数しれない。
ITM
ちょっと前まで知られたイタリアのパーツブランドだ。この会社のパンターニのポスターはカッコ良かった記憶がある。当時、彼の偉業に関して当時は感心がなかった自分。大きなポスターを日本に持ってけと言われたのに、荷物になるからいらないと断ってしまった。今となって、ともても後悔している。現在は台湾系(中国)企業にその名前は買収されたようだ。個人的には好きなメーカーだった。買収されてからは残念な事に商品のデザインセンスも大きく変わった。パスタがラーメンになってしまった。ラーメンはラーメンで好きだけれど、少しオシャレなパスタの雰囲気はなんとか残して欲しかった。
Selcof
シートポストの老舗として有名だった。でも今はもう無い。会社は売却されてしまった。個人的にも好きだったのに・・・。オーナー一族で、最後の経営者だったマルコは、一応アドバイザーの肩書きはあるけれど、時限的なものみたいで彼は今違う仕事をしている。
実際に品質の優劣は、現在台湾であれイタリアであれ同じだ。でも価格は違う。一般的にイタリア物は高い。理由は人件費や製造・物流コストの差もある。
製造規模からくるシステムも違う。例えばフレーム作りに関しては、イタリアの小さな工房は、日本の競輪フレームを作っている小さな工房のように、独りの職人が1台ずつ丁寧に仕上げていくので、台湾でみる量産工程とは異なる。両方ともハンドメイドであることには違いはないのだが・・・・
走りのパフォーマンスに関しては、ファンはに水を刺すようだが同じ材料で同じスケルトンで同じ溶接方法だったら、精度さえでていれば同じだと思う。だから其々のテイストやヒストリー(歴史)に価値を見出すかどうかだ。
イミテーションのブランド品のバックを買うのか?本物でも、ディスカウント店で買うのか?それとも銀座に行ってそのブランドの直営店や専門店で買うのか?皆、買う側の価値感の問題のような気がする。
ステキな事は、どこで買ってもホンモノであるならば、おなじ価値感を共有できる人達が少なからずいることだ。新たに豊かで楽しみな時間と空間を過ごせる事は人生にとって大切な要素であると思う。これからの季節は、花を愛でるには最高だ。
そんな仲間と一緒に叫びたい
頑張れ!小さくて偉大なイタリア職人魂!
純粋なイタリア産に拘っているCasatiとTommasiniが、パートナーであることを誇りに思う。
アクセスありがとうござます。何か不明な点があれば、お気軽にお尋ね下さい。トマジーニ&エンスー達の広場で、聞いてもいろいろ教えてくれると思いますよ。