みっちゃんに髪を結ってもらって出かけた先は、名古屋御園座の「陽春花形歌舞伎」でございました。髪結いさんに行ってお芝居に見に行くなんて、まるで良家の奥様みたいでしょ!
着物は紅型小紋、私には珍しい誂えもの。帯はカヨイコマチさんの春花刺繍名古屋。半衿は白のビーズ、帯揚げは抹茶縮緬、帯締めは抹茶三分紐、帯留めと簪はは竹蔵龍さんの雪月花と冨貴花。おお!私には珍しく、もらいもんがないぞ。
今日のメンバーです。ぽんごちゃん、わたくし、にっぽんちゃん、ぶるちゃん。歌舞伎好きのにっぽんちゃんの案内で、幕間のゴハンを予約して席へと。
一番安い3階席だけど、正面でとても見やすい席です。イヤホンガイドとオペラグラスを用意して、さぁ幕が上がります‥。
一幕目「盟三五大切かみかけてさんごたいせつ」。これは忠臣蔵のサイドストーリーらしい。男女の愛憎ドロドロと仇討ちの大儀名分とが絡み合って、何とも言えん濃ゆい情念の世界がケレン味たっぷりに繰り広げられます。途中の幕間にランチをはさみながら、芝居の世界に酔いました。
泥絵の具を塗りたくったような世界の中で、ぱっと目に入る鮮やかな場面場面が、このお芝居の醍醐味かも。居直って座り込む色悪の真っ赤な褌、騙した浪人に切り殺される元芸者の帯を解かれつつ苦しみ悶える所作の舞のような動き、断末魔にのけぞる姿の美しいこと。毒がたっぷりの、あやしい美しさ。これが退廃美というものでしょうか。原作は「四谷怪談」の鶴屋南北。なるほど。
ほー‥と息を吐きつつ、幕間には「最中アイス」を。んまい。
そして二幕目は「芋堀長者」。一幕目とはうってかわって、これはレビューのように楽しい舞台でした。「踊りの上手を婿にする」というお姫様に恋焦がれた芋堀りが、日本一の踊りの上手と偽って‥すったもんだのあげく「いつもの芋堀を披露!」って踊ったら、お姫様もライバルもみんな踊りだしました、という。キラキラの豪華な舞台に繰り広げられる善意ばっかりの世界。役者の表情の飄げて可愛らしいこと。そして確かな一挙手一投足。
一幕目とは打って変わった明るさで、すっかり後味がよくなって。歌舞伎って素敵。「また来たい!」と強く思ったことでありました。
興奮冷めやらぬままカフェでおしゃべりして。10月にもここ御園座に来るから、そのときにはまた行こうね、いえ京都南座はもっと素敵だからそっちにも行こうよ。楽しい話で盛り上がります。ホント、また行きたい!
歌舞伎。想像していたよりもずっと愉しむことができました。それもこれも、勝手を知っていろいろ案内してくれたにっぽんちゃんのおかげです。どうもありがとう。そして、一緒に楽しい気持ちをともにしてくれたぶるちゃん・ぽんごちゃんにも感謝です。
そして、この記事の写真。ほとんどぶるちゃんからいただきました。おかげでこの記事が書けましたわ。いつもほんとうにありがとう!
みっちゃんが作ってくれた頭は、最後までずーっと乱れもせず綺麗でした。
「良家の奥様」にも見えたらしい。大成功。、でも「ルチ将軍」とも言われたさ~。