キはキモノのキ

キモノ‥愛してます

忙中有閑・大奥展

2006年12月28日 | 今日のキモノ

 師走だというのにキモノ着て、「大奥展」に行ってきました。
 映画「大奥」公開記念で、豪華な打掛などが展示されるとのこと。また、羽織って写真が撮れるサービスもあると聞いて、これは行かねば!と無理矢理時間を作ったのです。

 
 今日の着物は、青鈍色青海波袷、ヤフオクにて。以前これを着て、同系色の帯を合わせて外出した際、見知らぬおばちゃんからいきなり「地味よ、それ!」と叱られました。確かに地味だったんですが、んな怒らんでも。それ以来着ていなかったのですがふと着てみたくなり、地味にならないように‥と考えたコーデです。
 帯は京紫雪月花模様(ヤフオク)、半衿は京紫薔薇ハギレ(すぅちゃんより)、帯揚は朱鷺色に朱色などで模様の入ったハギレ(骨董市)、帯締めは最近出番の多い雪輪柄(ヤフオク)。‥どうかな、これであのおばちゃんにも叱られずに済むか。

 さて、記念撮影のサービスは先着100名とのこと。カメラを持ってとっとと出かけます。入り口で訊いてみると、展示も撮影OKとのこと。おお、ふとっぱらだ。カメラを構えて中に入ると‥
     
  どーん!!


  どどーん!!

 目がくらくらするような豪華な衣装が並んでいます。おお、まぶしい。
 大奥で絢を競った女性たち。打ち掛けは彼女らにとって、自己アピールの大切な手段だったに違いありません。殿の心を惹くために美しく装うということだけでなく、ライバルと戦う武器でもあったろうし、豪華な衣装を誇示することでその財力や政治力を周囲に示すという意味もあったのでしょう。

 そうやって、大奥の女性たちがその存在を賭けて作ったであろう衣装の再現。総額1億円以上かけたそうで、なるほど凝った織に染、刺繍が惜しげもなく使われています。・・でも、欲を言えば、かつてはそこに籠められていたであろう情念とでも言うべきものまでは再現できていないように感じました。ひたすら、綺麗で豪華です。
 まぁでも、そこまで再現しようとしたら1億円ではとても足りないでしょうけど。

 などと考えながらも打ち掛けは一枚一枚すべて写真に撮りました。一番気に入ったのはこの一枚です。
    
 柄付けが大胆で、描かれた花は繊細で‥。うーん、魅力があまり写真に映りませんでした。ぜひ実物をご覧になっていただきたいです。

  
 これは絵島と恋に落ちた『生島』の衣装。人気役者はプライベイトでこんな着物を着ていたんですねえ。ひょっとこは半纏でしょうか。
 そのほか、鬘や草履などの小物もいろいろと展示されていました。写真は絵島の髪型『片はずし』。そして絵島が履いていた草履。畳表ですね。
   

 さて、展示を一通り抜けると、出口近くにありました、記念撮影のコーナー。もう予約でいっぱいになっていることも覚悟していきましたが、拍子抜けするくらいにガラガラです。安心して、ゆっくりと内掛けを羽織り、何枚も写真を撮ってもらいました。
 
 気分はさしずめ『お葉の方』‥。

 裾にはふっくらとふきが入り生地も厚い内掛けですが、意外と軽い。いい絹を使っているのかな。この打ち掛けも映画のどこかに出てくるそうです。

 大奥展、今日は展示・記念撮影とも空いていましたが、係の人の話ではお正月明けくらいから混むのではないかということでした。じっくりと大奥の世界に浸りたい方、忙しい中にどこか時間を作って出かけてご覧になったらいかがでしょう。そのときにはカメラをお忘れなく!