平野神社
(ひらのじんじゃ)
京都市北区平野宮本町1
西大路通に面して立つ鳥居。「平野の夜桜」で有名な桜苑が広がります。
〔御祭神〕
今木神(いまきのかみ)
久度神(くどのかみ)
古開神(ふるあきのかみ)
比売神(ひめのかみ)
京都は四季折々で様々な表情を見せ、訪れる人々を愉しませてくれます。早春に心地よい香りとともに咲き誇る梅に包まれた北野天満宮や、紅葉に赤く染め上げられる嵐山や東山など、季節によって繰り広げられる美しい平安絵巻は、観光客の心を捉えて離しません。ここ平野神社も、春になると見事な桜が咲き乱れ、花見を愉しむ人々の歓声が途絶えることはありません。
桜苑に咲き乱れる美しい桜の木々。50種400本の桜で埋め尽くされています。
平野神社は、平安京への遷都と同じ794(延暦13)年に創建されたといわれています。御祭神は今木神・久度神・古開神・比売神。この4神は元々は古都・平城京に祀られていた神々で、平安京への遷都とともにこの地に遷座して祀られました。今木神は「今食」の神で生きる力を与える神とされ、元々は平城京の田村後宮に祀られていた祭神です。久度神は「おくどさん」という言葉があるように竈を指し、豊かな暮しと家運の隆盛を導く神といわれています。古開神は邪気を払い除ける神といわれ、この2神は大和国平群郡の久度神社に祀られていました。比売神は平城京において皇子の無事の誕生を守るために祀られていたとされる女神で、承和年間(834~848年)より平野神社に祀られるようになりました。
この御祭神には様々な説があり、今木神は桓武天皇の母・高野新笠の祖先である百済国の聖明王のことを指し、久度神は聖明王の先祖である仇首王(くどおう)、古開神の「古」は沸流王(ふるおう)、「開」は尚古王という朝鮮の王を指して、桓武天皇の母方の先祖を祀る神社とされていたともいわれています。
東神門(左)と、1650(慶安3)年に東福門院によって建立された拝殿(右)。
平野神社は延喜式神名帳の名神大社に列せられるなど天皇家の崇敬の厚い神社で、毎年春と秋に行われる例大祭には代々の皇太子が参向して奉幣する慣わしとなっていました。また、平野神社には981(天元4)年の円融天皇の行幸を皮切りに代々の天皇によって21度もの行幸が行われており、特に985(寛和元)年4月10日には花山天皇によって臨時の勅祭が行われ、舞楽や競べ馬などが催されました。このことにちなみ、毎年4月10日には「桜花祭」が行われて神輿や山車の練り歩きが行われています。
拝殿脇で見事に咲く桜(左)と、「平野造」と呼ばれる国指定重要文化財の本殿(右)。
「平野の夜桜」で知られるように、平野神社の境内には50種400本の桜で埋め尽くされています。最も早く咲き始める品種「魁桜」は3月中旬頃から咲き始め、一番遅くに咲く品種「御衣黄桜」「手弱女桜」などは4月20日頃に咲くなど、約1ヶ月間に渡って様々な種類の桜を愉しむことが出来ます。
東向きに立つ鳥居(左)と、東神門に続く参道(右)。
アクセス
・京福電車“嵐電”北野線「北野白梅町駅」下車、北へ徒歩5分
・JR「京都駅」より京都市バス205系統にて「衣笠校前」バス停下車、北へ徒歩2分
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拝観料
・無料
拝観時間
・6時~17時(桜の開花時期は22時頃まで)
公式ホームページ
平野神社公式サイト