kimitsuku独り言

日々の暮らしから感じたあれこれを
ひとりブツブツ独り言

衣替え

2010年06月01日 | 日記
     
 今日から6月、『衣替え』の季節。
6月と10月に夏冬の衣装を替える『衣替え』は、平安時代の
宮中行事、『更衣』から始まった慣習という。
時代を超えて、脈々と受け継がれてきた日本独自の生活慣習。
北海道の学校では、6月中旬に行なわれることが多いよう。
今は昔、冬の厚苦しい制服を脱ぎ捨て、夏の軽快な制服に
着替えた時の爽快感は、数十年を経た今もはっきり記憶に
残っている。
 ところで『更衣』から思い浮かぶのは、紫式部の『源氏物語』。
主人公、光源氏の母の身分が更衣だった。
天皇の身近かに仕え、主に着替えを世話する女官だったよう。
『桐壺の更衣』と呼ばれた母親は、光源氏が幼い頃に亡くなり
マザコン傾向?の光の君は、母の面差しを求めて『藤壺の更衣』
はじめ華やかに女性遍歴を重ねる平安ロマン。
単なる色好み男の恋愛物語ではなく、1000年前の宮廷生活や
庶民の暮らしぶり、光源氏を取り巻く人々の喜怒哀楽が如実に
語られる長編小説は、現代の私たちにも興味深いものがある。
     
 平安中期に紫式部のような女性がいたこと、ほぼ時期を同じくして
清少納言や和泉式部が、矢張り素晴らしい文才を発揮していたこと、
彼女たちが書いた、小説・随筆・和歌が読み継がれてきたことに感嘆する。
1000年前の平安女性たちも現代の私たちのように、もしかして私たち以上に
自由な精神で、感情豊かで、自分をしっかり持った女性であったかも…。
今年は『国民読書年』だそうな。
暫らく振りに書棚に眠っている『谷崎源氏』を、引っ張り出してみましょう。

コメント (2)
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