分封群を回収した後直ぐに巣箱の内検を行いました。その結果、写真のような蓋の開いた
王台が見つかりました。二個の王台のてっぺん(巣枠に付いている時は下向き)の蓋が開
いているのが判るでしょうか。このように自然に新女王蜂を誕生させてしまうと分封がおき、
旧女王蜂が働きバチの半数を連れて出ていくのです。
これは分封騒ぎをおこした巣箱内の巣枠の下に出来た王台の先を撮影したものです。王
台の先が茶色く変色しているのが判るでしょうか。新女王蜂が生まれる少し前になると、こ
のように王台の先端が茶色くなります。これは働きバチたちが王台の先を齧り、蓋が薄くな
ってきているからです。こうなるともうすぐ女王蜂が誕生します。この王台は撮影後除去しま
した。
しかし、除去した直後にこの王台から女王蜂が誕生してしまいました。殺すのも忍びなく、
写真のような王籠という籠に入れて巣箱の中でしばらく飼育することにしました。分封騒ぎ
の元になった巣箱内の女王蜂は誕生間もない女王蜂ですから、未交尾だと考えられます。
女王蜂が交尾飛行に成功し、無事産卵を開始するまでには多くのリスクがあり、産卵に行
き着かない時もあるそうなのです。そのためのバックアップということでしばらくこの籠の中
で飼育しておこうかと考えました。籠の隙間は働きバチが通れますので、ロイヤルゼリー
は与えられ、飢え死にすることはないと思います。
実はこの時の内検で除去した王台をトレイに載せていたところ、何と合計3匹の女王蜂が
誕生してしまいました。新女王が続々と誕生してくるような飼育をしてしまったのは大きな
ミスでした。良い勉強になりました。