西洋ミツバチの巣板は、巣礎張り完成品という出来合のものを従来購入していましたが、今
年は自分で作ってみることにしました。
ちょっと雑然とした状態ですが、巣枠作りに必要な材料一式です。巣枠は親桟という巣枠上
部になる桟と下桟、横桟の四本の部材で構成されており、それらを釘止めします。
横桟に小さな3個の穴が空いています。ここに針金を通すことになるのですが、その前にハ
トメという小さな金具をこの3個の穴に取り付けます。取り付けは、写真左下にあるハトメ押
し込み棒という道具で行います。このハトメは針金を張っていく時に、針金が横桟に食い込
むことを防ぐためのものです。
次に巣枠の上辺に三角コマと平金具を取り付けます。三角コマは巣板と巣板の間隔調整
用のスペーサーです。平金具は巣枠の強度を高めるためのものだと思います。
針金の三線通しという工程です。針金を巣枠にS字状に通します。
針金をピンと張った状態です。それぞれの針金がピンピンと高い金属音がする程度に張る
のだそうですが、これが結構大変でした。途中で針金が切れたりと苦戦しました。
いよいよ巣礎張りです。巣礎とは蜜蝋を原料にして出来た、ミツバチが巣房を作っていく上
での基礎となる平板です。その平板に六角形の巣房の形がプレス加工されています。この
巣礎を巣板に取り付けるのですが、この写真はその時に使う道具、電気埋線器というもの
です。
写真中央に横長に写っている道具を巣枠の針金に当てて電気を流し、巣枠の針金を暖め、
その熱で巣礎を針金の中に埋めていくのです。
これが、巣礎の中に針金を埋め込んだ状態で、これで巣板の完成です。それにしても、薄
っぺらな巣礎の断面の中央に針金を埋め込むという作業は、この巣板作りの中で一番難し
い工程でした。熱を加えすぎると、針金が巣礎を突き破って裏に出てしまうし、弱いと針金が
巣礎に埋まらないし悪戦苦闘しました。
ミツバチは金属を嫌うそうです。針金が巣礎から出ていると造巣してくれないそうです。その
ため、巣礎を突き抜けてしまった針金が露出している箇所には、蜜蝋を溶かし、これでタッ
チアップしていきます。補修方法があって良かったです。ほぼ全数補修が必要な出来でし
た。それにしても、このような巣板でミツバチが巣作りしてくれるかちょっと心配ですが、楽し
みでもあります。