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紫根の薬効(2)

2010-06-30 06:52:59 | 漢方の四方山話

漢方 相談 健康相談は 福島県郡山市 きく薬局へ

お早うございます。昨日は 気管支炎 不眠症 の漢方相談がありました。

昨日の続きです。

紫根を用いた代表的な漢方の外用軟膏に 「紫雲膏」 があります。薬草の成分としては紫根と当帰の二つが用いられており、160℃くらいに熱したゴマ油にこれらの成分を抽出させて作ります。

これは実に有用性の高い軟膏で、火傷、ひび、あかぎれ、とこずれ(じょくそう)等さまざまに用いられます。特に火傷にはすぐに塗ると痛みが取れて治りが早く、またじょくそうにも大きな効果を現わします。紫根の殺菌作用や肉芽形成作用による効果と考えられています。

このほか水虫の白癬菌やカンジダ菌に対しても有用である事が知られています。

ところで紫根の有効成分のシコニンは水に溶けにくい為か、内服薬としての漢方薬には紫根を用いた処方は殆ど見当たりません。紫根配合の処方として比較的有名なのが日本で江戸時代に創案された紫根牡蠣湯(しこんぼれいとう) があります。

ガンや難治性の皮膚病に用いられて来ましたが、今日の保険適用の処方には入っていないため、この効能・効果も伝承的な経験則によるものです。

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