漢方 相談 健康相談は 福島県郡山市 きく薬局へ
お早うございます。昨日は 慢性頭痛 うつ病 不眠症 の漢方相談がありました。
昨日の続きです。
厚生労働省の食事摂取基準が5年ぶりに改訂され、その大きなポイントの1つとして塩分摂取の目標値がまた下げられた事があります。
塩分の1日当り摂取目標値は、欧米諸国が1ケタ台である事が根拠の1つになっている様ですが、栄養学を深く幅広く研究している学者の間には 「北緯50度の栄養学」 という言葉があります。
つまり、近代における西洋医学や栄養学の発展は、ベルリン(北緯52度)、ミュンヘン(同48度)等の緯度の地域が中心になって発展を遂げたため、この気候風土に生活する人間を中心に考えられたものであるという事です。
日本では北海道の稚内が北緯45度です。先に挙げた都市もそうですが寒くて雨が少ない地域です。植物が育ちにくいため、この地域の人々は昔から動物を食生活の中心としており、日本に比べると肉食や乳製品の摂取が格段に多い地域です。
さて、乾燥した寒い地域ではあまり汗もかかず尿の出る量も少ないので、塩分を体外に排泄する量が少なくなります。
一方で日本は高温多湿ですので汗をかく量も尿量も多くなります。従って体外に排泄される塩分の量も欧米のこれらの地域の人々とは比較にならない位多くなります。欧米人の塩分摂取量が少なくて済む理由にはこのような背景があります。
日本では昔から味噌、醤油、ひしお等の塩分の多い調味料が発展し、また保存食としての漬物や塩辛は塩分と同時に菌類を食する事で腸管免疫の向上に役立って来ました。
塩分を減らしてこれらの食品を作ろうとすると、必然的に防腐剤などの食品添加物を多く用いなくてはなりません。日本の気候風土に生活する日本人が欧米人波に塩分を控えようとすると塩分不足のほかさまざまな点で健康に悪影響を及ぼす事になります。