1、立場
さて、モスクワ大学に留学すると言っても、どのような立場で留学すればよいのでしょうか。モスクワ大学には、大きく分けて4つの受け入れ立場があるようです。すなわち、博士課程、修士課程、学部生、研究生です。いわゆる「カンジダート」と呼ばれる学位は、博士課程を修了するともらえるようです。博士課程は3年間留学する必要があり、試験に合格して論文を提出しなければなりません。既に相応のロシア語力があり、先の見通しを立てている人が博士課程に留学するべきでしょう。聞くところによれば、近年は日本の大学に奉職する際にも「カンジダート」の取得が必須要件になっている、あるいはそれを取得していることがより優位に働く傾向が出てきているそうです(実際どうなのかは知りませんが。あくまで噂です)。したがって、大学で教鞭を取りたいという強い意志がある人は博士課程に留学するべきだと思います。
修士課程に留学、あるいは学部生として一年生から留学(つまり高校を卒業してすぐ)、という事例は、ぼくの周囲では比較的少ないようです。したがって、ぼくもよく知りません。ごめんなさい。ただ、中国人にはこのようなタイプの人たちがたくさんいます。実際ぼくの寮の隣人も学部生です。
研究生として留学する場合は、1年間(あるいは10ヶ月間)だけの滞在になります。研究生には試験や論文が課されることはなく、また授業は全て語学関係です。この点でも博士課程の学生とは異なります。彼らは、語学の他に哲学や文学(文学部に留学した場合)の授業も必修となっており、それぞれの試験に合格しなければなりません。概して、博士課程はシビアですが、研究生は緩いです。
研究生として留学しても、何の学位も得られませんから、物質的なメリットはありません。したがって、ロシア語力を磨きたい・ロシアで文献調査をしたい、といった個々人の目的に応じて留学するべきです。博士課程の学生の最終的な目標は「カンジダート」の取得ですが、研究生の目標は人によって様々です。目的意識をしっかり持っていることが求められます。
2、実際の授業
ここからは文学部に絞って書きます。モスクワ大学での授業は、恐らく全て小教室で行われます。日本のような大教室や講堂で生徒が先生の話に耳を傾ける、という光景は見られません。多くてもせいぜい10人程度のクラスで、先生と対話しながら授業が進行します。もちろん例外はあるようですが、一般的にはこのパターンです。とりわけ語学の授業は、こういう方式です。
まず最初にテストを受けます。博士課程の学生の場合は、その結果によって、昨日言及した、大学付属の語学学校である「ツモ」に通うことが義務付けられるようです。つまり、ロシア語力が十分でないと判断された場合は、語学学校へ通わなければならないわけです。一方研究生の場合は、どんなに結果が悪くても「ツモ」に行かされることはありません。自分の語学力に相応のクラスに編入され、そのクラスメイトたちと一緒に授業を受けることになります。博士課程の学生数は極めて少ないのですが、研究生の数は比較的多いため、結果的にクラスの数・クラスメイトの数も多いようです。ぼくは研究生として大学に通っていますが、クラスメイトは10人くらいいます。もっとも、一番人数の多いクラスですが。他のクラスはなぜか数人でしたから。「ツモ」では、欧米系とアジア系とでクラスも分かれる傾向がありますが、モスクワ大学ではそういうことはなく、ぼくのクラスにはスイス人、スペイン人、ドイツ人、フランス人、ベルギー人、台湾人、そして日本人(ぼくだけ)がいます。研究生のレベルはピンキリで、ロシア語を始めて半年という人から、もうかなりぺらぺら喋れる人までいます。
語学とは別に、「フォネチカ(音声学)」という授業があります。これは、発音や聞き取りを特に勉強する授業です。日本の大学でこういうシステムを持っているところがあるかどうか知りませんが、日本の大学も是非導入すべきだと思いますね。読めても話せない、という(ぼくのような)学生が多い理由は、こういう教育システム上の欠陥も関係しているような気がします。少なくとも、発音を矯正してくれる機会は日本では少ないのと思うので、フォネチカの授業は貴重です。
ところで、モスクワ大学の授業は頻繁に予定が変わります。急に時間が早まったり、あるいは授業そのものが消滅してしまったり。実は、ぼくはいまこれに悩まされています。自分の出るべきフォネチカの授業が何なのか、依然として分からないんですよね・・・。また、来週の授業も時間が早まるんだか早まらないんだか、よく分かりません。個人的に先生に尋ねてみたのですが、先生もよく分からないという答えでした。ともかく、留学する前に、せめて聞き取りはできるように努力しておいた方がいいと思います。
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いずれ、事務手続きについても書きたいと思いますが、これはまだぼくには謎の部分が多いので、その謎が解けたら書こうと思います。
さて、モスクワ大学に留学すると言っても、どのような立場で留学すればよいのでしょうか。モスクワ大学には、大きく分けて4つの受け入れ立場があるようです。すなわち、博士課程、修士課程、学部生、研究生です。いわゆる「カンジダート」と呼ばれる学位は、博士課程を修了するともらえるようです。博士課程は3年間留学する必要があり、試験に合格して論文を提出しなければなりません。既に相応のロシア語力があり、先の見通しを立てている人が博士課程に留学するべきでしょう。聞くところによれば、近年は日本の大学に奉職する際にも「カンジダート」の取得が必須要件になっている、あるいはそれを取得していることがより優位に働く傾向が出てきているそうです(実際どうなのかは知りませんが。あくまで噂です)。したがって、大学で教鞭を取りたいという強い意志がある人は博士課程に留学するべきだと思います。
修士課程に留学、あるいは学部生として一年生から留学(つまり高校を卒業してすぐ)、という事例は、ぼくの周囲では比較的少ないようです。したがって、ぼくもよく知りません。ごめんなさい。ただ、中国人にはこのようなタイプの人たちがたくさんいます。実際ぼくの寮の隣人も学部生です。
研究生として留学する場合は、1年間(あるいは10ヶ月間)だけの滞在になります。研究生には試験や論文が課されることはなく、また授業は全て語学関係です。この点でも博士課程の学生とは異なります。彼らは、語学の他に哲学や文学(文学部に留学した場合)の授業も必修となっており、それぞれの試験に合格しなければなりません。概して、博士課程はシビアですが、研究生は緩いです。
研究生として留学しても、何の学位も得られませんから、物質的なメリットはありません。したがって、ロシア語力を磨きたい・ロシアで文献調査をしたい、といった個々人の目的に応じて留学するべきです。博士課程の学生の最終的な目標は「カンジダート」の取得ですが、研究生の目標は人によって様々です。目的意識をしっかり持っていることが求められます。
2、実際の授業
ここからは文学部に絞って書きます。モスクワ大学での授業は、恐らく全て小教室で行われます。日本のような大教室や講堂で生徒が先生の話に耳を傾ける、という光景は見られません。多くてもせいぜい10人程度のクラスで、先生と対話しながら授業が進行します。もちろん例外はあるようですが、一般的にはこのパターンです。とりわけ語学の授業は、こういう方式です。
まず最初にテストを受けます。博士課程の学生の場合は、その結果によって、昨日言及した、大学付属の語学学校である「ツモ」に通うことが義務付けられるようです。つまり、ロシア語力が十分でないと判断された場合は、語学学校へ通わなければならないわけです。一方研究生の場合は、どんなに結果が悪くても「ツモ」に行かされることはありません。自分の語学力に相応のクラスに編入され、そのクラスメイトたちと一緒に授業を受けることになります。博士課程の学生数は極めて少ないのですが、研究生の数は比較的多いため、結果的にクラスの数・クラスメイトの数も多いようです。ぼくは研究生として大学に通っていますが、クラスメイトは10人くらいいます。もっとも、一番人数の多いクラスですが。他のクラスはなぜか数人でしたから。「ツモ」では、欧米系とアジア系とでクラスも分かれる傾向がありますが、モスクワ大学ではそういうことはなく、ぼくのクラスにはスイス人、スペイン人、ドイツ人、フランス人、ベルギー人、台湾人、そして日本人(ぼくだけ)がいます。研究生のレベルはピンキリで、ロシア語を始めて半年という人から、もうかなりぺらぺら喋れる人までいます。
語学とは別に、「フォネチカ(音声学)」という授業があります。これは、発音や聞き取りを特に勉強する授業です。日本の大学でこういうシステムを持っているところがあるかどうか知りませんが、日本の大学も是非導入すべきだと思いますね。読めても話せない、という(ぼくのような)学生が多い理由は、こういう教育システム上の欠陥も関係しているような気がします。少なくとも、発音を矯正してくれる機会は日本では少ないのと思うので、フォネチカの授業は貴重です。
ところで、モスクワ大学の授業は頻繁に予定が変わります。急に時間が早まったり、あるいは授業そのものが消滅してしまったり。実は、ぼくはいまこれに悩まされています。自分の出るべきフォネチカの授業が何なのか、依然として分からないんですよね・・・。また、来週の授業も時間が早まるんだか早まらないんだか、よく分かりません。個人的に先生に尋ねてみたのですが、先生もよく分からないという答えでした。ともかく、留学する前に、せめて聞き取りはできるように努力しておいた方がいいと思います。
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いずれ、事務手続きについても書きたいと思いますが、これはまだぼくには謎の部分が多いので、その謎が解けたら書こうと思います。