これからモスクワ大学に長期留学する誰かのために、ごくごく基本的な情報を提供しようと思います。留学について最初ぼくは皆目分からず、人に聞いてばかりいました。だからそういうぼくみたいな人のために、些細な知識を提供してあげましょう、というわけです。もっとも、依然としてぼくは様々なことが意味不明のままなので、これから知識を増やしていって、そしてそれをアウトプットしたいと考えています。
１、留学資金
１－１、私費留学
まず、モスクワ大学に留学するのに、私費で行くか公費で行くか、という選択があります。私費で行く場合は、①旅行会社などの長期留学プランを通じて渡航する、②個人で大学とコンタクトを取って渡航する、という二つのパターンがあります。①の場合、例えばＪＩＣ旅行センター（代表的なロシア旅行会社）で行くとなると、行く先はモスクワ大学の付属教育機関である「ツモ（ЦМО）」というところになります。ここでは専ら語学の勉強をすることになります。最初にテストを受けて、その結果次第では文学や歴史等、自分の専門的関心に応じた講座を受講することができますが、基本は語学学校であり、その所在地もモスクワ大学とは少し離れた場所です。とはいえ、モスクワ大学の寮に住むことができます。②の場合は後述します。
１－２、公費留学
各種奨学金や、各大学に設けられている交換留学制度がこの項目に相当します。その応募方法や応募条件や応募時期は、それぞれ大きく異なっています。したがって、私費以外での留学を検討されている方は、まずは自分の大学等（のＨＰ）に掲示されているはずの奨学金や交換留学制度についての情報をチェックするところから始めるべきでしょう。
さて、運よく奨学金を得られることが決まったら、次はモスクワ大学と自分でコンタクトを取らねばなりません。これから留学しようとする人の中には、既にかなりロシア語力があって、ロシア語でメールを書いて大学とやり取りをするということに抵抗を感じない人もたくさんいるでしょう。ですが、そもそもこのブログ記事はそういう人たちを対象にしていません。ぼくのような、ロシア語でメールを書くなんて大変だよう！という人に向けて書いています。ですが、案じるには及びません。必要事項だけを書いて送ればよいのです。
まず、これから留学しようとする人は、モスクワ大学から必要な書類を受け取る必要があります。また、必要な書類を提出する必要があります。そのために、最初のメールでは簡潔に次のように書いて送りましょう。「こんにちは。私は●●大学の学生（院生）の○○です。今年の秋からモスクワ大学の★（学部・大学院・研究生）の☆学部に留学したいと思います。受け入れ証明書（справка）を下さい。」これでいいんですよ。ロシア語ができない人は、余計な情報は書かなくてもいいのです。そうしたら、しばらくするとモスクワ大学から返信があります。たぶんそこには、「授業料と寮費を支払うという条件で、あなたを＊年＊月から＊年＊月まで受け入れます。受け入れ証明書を添付いたします。なお、パスポート情報とパスポートの写真、それから添付のアンケートに記入したものをお送りください」と書かれているはずです。そうしたら、アンケートに回答したものとパスポートの必要ページを自分でスキャンして、再びモスクワ大学にメールしましょう。なお、その際に、「招待状（приглашение）を送ってください。また、送る前に招待状のＰＤＦも送ってください」と書くのを忘れないようにします。すると、たぶん「招待状は＊月頃に送ります。」と返事がきます。
無論、奨学金や交換留学制度の種類によっては、他にも必要な書類等があるかもしれませんが、その場合はそれらの機関から必ず通知があるはずですから、それに従えばいいのです。あるいは、ぼくが必要な書類を忘れているかもしれませんが、しかし基本的なやり取りの流れはこの通りで間違いありません。
この後しばらくモスクワ大学からの通信が途絶えると思いますが、しかし「受け入れ証明書」を受け取っていれば、とりあえずは安心です。あとは「招待状」を待つだけです。
２、航空券の手配、ビザの取得
招待状が届いて、出発日が確定したら、航空券を手配してビザを取得しましょう。前者にはパスポートが、後者にはパスポートと招待状が必要です。ただ、ここが大事なところですが、恐らくあなたに招待状は届きません。理由は分かりませんが、招待状をスムーズに受け取ることができた日本人をぼくは知りません。招待状の取得は、出発予定日のぎりぎりになるものと考えておくべきです。場合によっては間に合わないこともあります。ですから、航空券の購入もぎりぎりまで待ちましょう。
ところで、旅行会社に航空券の購入とビザ取得の代行を依頼するという方法があります。ある理由から、ぼくはこの方法をお勧めします。その理由は口にはできないのですが、招待状の遅着の問題に関して、非常な効力を発揮しえます。
想像以上に長くなってしまいました。次回に続く。次回のテーマ「博士課程？修士課程？学部生？研究生？」
１、留学資金
１－１、私費留学
まず、モスクワ大学に留学するのに、私費で行くか公費で行くか、という選択があります。私費で行く場合は、①旅行会社などの長期留学プランを通じて渡航する、②個人で大学とコンタクトを取って渡航する、という二つのパターンがあります。①の場合、例えばＪＩＣ旅行センター（代表的なロシア旅行会社）で行くとなると、行く先はモスクワ大学の付属教育機関である「ツモ（ЦМО）」というところになります。ここでは専ら語学の勉強をすることになります。最初にテストを受けて、その結果次第では文学や歴史等、自分の専門的関心に応じた講座を受講することができますが、基本は語学学校であり、その所在地もモスクワ大学とは少し離れた場所です。とはいえ、モスクワ大学の寮に住むことができます。②の場合は後述します。
１－２、公費留学
各種奨学金や、各大学に設けられている交換留学制度がこの項目に相当します。その応募方法や応募条件や応募時期は、それぞれ大きく異なっています。したがって、私費以外での留学を検討されている方は、まずは自分の大学等（のＨＰ）に掲示されているはずの奨学金や交換留学制度についての情報をチェックするところから始めるべきでしょう。
さて、運よく奨学金を得られることが決まったら、次はモスクワ大学と自分でコンタクトを取らねばなりません。これから留学しようとする人の中には、既にかなりロシア語力があって、ロシア語でメールを書いて大学とやり取りをするということに抵抗を感じない人もたくさんいるでしょう。ですが、そもそもこのブログ記事はそういう人たちを対象にしていません。ぼくのような、ロシア語でメールを書くなんて大変だよう！という人に向けて書いています。ですが、案じるには及びません。必要事項だけを書いて送ればよいのです。
まず、これから留学しようとする人は、モスクワ大学から必要な書類を受け取る必要があります。また、必要な書類を提出する必要があります。そのために、最初のメールでは簡潔に次のように書いて送りましょう。「こんにちは。私は●●大学の学生（院生）の○○です。今年の秋からモスクワ大学の★（学部・大学院・研究生）の☆学部に留学したいと思います。受け入れ証明書（справка）を下さい。」これでいいんですよ。ロシア語ができない人は、余計な情報は書かなくてもいいのです。そうしたら、しばらくするとモスクワ大学から返信があります。たぶんそこには、「授業料と寮費を支払うという条件で、あなたを＊年＊月から＊年＊月まで受け入れます。受け入れ証明書を添付いたします。なお、パスポート情報とパスポートの写真、それから添付のアンケートに記入したものをお送りください」と書かれているはずです。そうしたら、アンケートに回答したものとパスポートの必要ページを自分でスキャンして、再びモスクワ大学にメールしましょう。なお、その際に、「招待状（приглашение）を送ってください。また、送る前に招待状のＰＤＦも送ってください」と書くのを忘れないようにします。すると、たぶん「招待状は＊月頃に送ります。」と返事がきます。
無論、奨学金や交換留学制度の種類によっては、他にも必要な書類等があるかもしれませんが、その場合はそれらの機関から必ず通知があるはずですから、それに従えばいいのです。あるいは、ぼくが必要な書類を忘れているかもしれませんが、しかし基本的なやり取りの流れはこの通りで間違いありません。
この後しばらくモスクワ大学からの通信が途絶えると思いますが、しかし「受け入れ証明書」を受け取っていれば、とりあえずは安心です。あとは「招待状」を待つだけです。
２、航空券の手配、ビザの取得
招待状が届いて、出発日が確定したら、航空券を手配してビザを取得しましょう。前者にはパスポートが、後者にはパスポートと招待状が必要です。ただ、ここが大事なところですが、恐らくあなたに招待状は届きません。理由は分かりませんが、招待状をスムーズに受け取ることができた日本人をぼくは知りません。招待状の取得は、出発予定日のぎりぎりになるものと考えておくべきです。場合によっては間に合わないこともあります。ですから、航空券の購入もぎりぎりまで待ちましょう。
ところで、旅行会社に航空券の購入とビザ取得の代行を依頼するという方法があります。ある理由から、ぼくはこの方法をお勧めします。その理由は口にはできないのですが、招待状の遅着の問題に関して、非常な効力を発揮しえます。
想像以上に長くなってしまいました。次回に続く。次回のテーマ「博士課程？修士課程？学部生？研究生？」
語学ではなく単に取得の1年間学部への留学です
招待状と旅行代理店について聞かせてください。
無事に入学許可も、単位互換許可もそして奨学金まで得たのですがここにきて招待状がきません・・
担当者に連絡しても5/31に申請した、あとは待つしかないし私たちは関係ない の一点張り。もう50日以上経過しています。
そこでこのブログで見た旅行代理店を通しての招待状取得なのですが、これって私のような長期留学生にもかのうなのですか？
招待状は留学も観光も関係なくて旅行代理店にとりあえず招待状だけ頼みなさいってことですか？
それとも観光ビザで入って現地で留学ビザに切り替えられるなんて言うシステムがまさかロシアにあるのでしょうか・・？
筆者さんが秘密にされている『代理店に頼んだ方がいい理由』を聞いているわけではなく、どういうロジックで代理店への招待状取得依頼ができるのかが気になります
大学のテストなどで時間もありません、出発予定日まで1か月ありません（飛行機はまだとっていませんが）、どうか情報を分けていただくことはできませんか？
よろしくお願いします
ご質問の件ですが、旅行代理店を通して招待状を取得することはできません（少なくともぼくは知りません）。旅行代理店に依頼できるのは、航空チケットの購入とビザ取得の代行です。もちろん、そもそもの初めに旅行代理店を通して招待状を送ってくれるようモスクワ大学に依頼するという方法は可能かもしれませんが、残念ながらぼくにはよく分かりません。
たぶん、あねごさんは招待状が来ないことに不安になっていらっしゃるのだと思いますが、この記事にも書いたように、招待状はなぜか必ず遅れます。ぼくの場合も、出発の直前になって遅配され、ぎりぎりセーフでした。出発日まであと1カ月近くあるのでしたら、招待状が来ないのは当然とさえ言えます。
そこで重要なのは、招待状のＰＤＦをメールで送ってもらうことです。ＰＤＦさえあれば、旅行代理店に頼んでビザの申請が可能になりえます。そもそも招待状というのはビザを発行するためだけに必要な書類と言ってよく、大事なのはビザです。ビザの発行に間に合いさえすればよいのです。
ビザの発行を旅行代理店に頼んでおけば、仮に招待状の原本が出発2日前に来たとしても、間に合います。
また仮にですが、招待状のせいで予定日に出発できなかったとしても、そんなにやきもきすることはないのです。予定日より1週間遅れようが2週間遅れようが、モスクワ大学は何も気にしませんし、クラスも普通に受け入れてくれるはずです。
長くなってしまったので、結論をまとめておくと、
１、旅行代理店に頼めるのはビザ取得の代行
２、招待状とともにそのＰＤＦも送ってくれるようモスクワ大学にお願いしておく
３、仮に出発が遅れても気にしない
ということです。
もうひとつ筆者さんの経験についてご質問してよろしいですか？
招待状がギリギリになってきたというのは郵送など含めて元本が手元にきたのがギリギリということですか？
それとも招待状が発行されたこと、つまり画像添付でメールが来た事自体がギリギリだったのでしょうか？
しかしこれは決して特別なことではなく、この記事でも書いていますが、ごくありふれた出来事です。
私も「あねご」さん同様、九月から10ヶ月間交換留学する予定の者です。私がお聞きしたいのは学校のスケジュールに関してです。
来週の火曜日10日から学校が始まるとかなり以前にMSUからいわれたのですが、私自身ビザがなかなかとれず、ぎりぎりにモスクワに到着します。
来週の火曜からツモの学生は新学期が始まるのかどうか、もしご存知であれば教えていただけると幸いです。
ぼくが留学していたのはツモではなく、モスクワ大学の文学部ですので、正直言って詳しいことはよく分かりません。ですが、モスクワ大学が直接ブルーさんに「来週の火曜日10日から学校が始まる」と伝えたのであれば、その通りなのではないでしょうか？
恐らくブルーさんのご心配は、ビザがなかなか取得できないため10日の直前にモスクワに到着してしまうにもかかわらず、ツモは予定通り授業を開始してしまうのか、ということだとお察ししますが、やはり「その通り」とお答えせざるを得ません。
ブルーさんのご所属は存じませんが、他の国の学生たちがブルーさん（たち）のために授業開始を遅らせるということは考えられません。仮に日本から同時に出発する人たちだけのクラスで授業を受けることになっているのならば、そのクラスだけは授業開始が遅れるでしょうが、他のクラスはもう始まっているはずです。
はっきり言って、スケジュールに関しては何の心配も要らないのです。多少授業に遅れてしまっても、全く問題ありません。授業がいつから始まろうと、そして自分がいつからモスクワに滞在しようと、それらはどうでもよいことです。
初回の授業には必ず出席しなきゃ、と思うのは日本人くらいですよ。それも真面目な人だけです。どうか気を楽に持って、留学に臨んで下さい。