アウグスト・モンテローソ著「夢見るゴキブリ」を引用します。
昔々、自分がゴキブリである夢を見たグレゴール・ザムザという名の外交官をめぐって書いている作家である夢を見たフランツ・カフカという名のゴキブリである夢を見たグレゴール・ザムザという名のゴキブリがいました。
実はこれで全文です。
『超短編アンソロジー』というちくま文庫に収められている小説(と呼べるのか?)です。「夢見」という章の巻頭作品。
このモンテローソという人はホンジュラスの作家だそうです(って、どの辺にある国だっけ?)。
ラテンアメリカには超短編の系譜があり、その先駆となったのはフリオ・トーリというメキシコの作家が1917年に出した「詩とエッセイ」だとか。そして現在世界で最も超短編が隆盛しているのはラテンアメリカなのだそうです。
ごく短い短編のことをショートショートとか掌編とか小品とかコントとか言ってきたわけですが、アメリカではショートショートという表現が一般的のようですね。日本でもショートショートという呼び方が比較的一般的のような気がします。ただ、この引用元の本は『超短編アンソロジー』。『Sudden Fiction』なども、「超短編小説」と副題が付いていますから、この二つの呼称が競合しているということでしょう。
ところで超短編ないしはショートショートには大きく分けて二種類あるように思えます。一つ目は、プロットに趣向を凝らして結末で読者をあっと言わせるもの。二つ目はとにかくナンセンスなもの。マザーグースやハルムスの作品は後者に属するでしょう。最初に引用したモンテローソの作品もナンセンスに近いですね。
一読しただけでは意味を取りづらい作品ですが、結局のところ夢を見たゴキブリがいた、というだけの話で、なんのことはありません。
超短編は短いが故にウィットがぴりりと効いていたり、オチが強烈であったりしますが、ナンセンスさも極度に高まる可能性を秘めています。
初期チェーホフ(チェホンテ)をショートショートの作家に分類している人もいますが、難しいところですね。ショートショートにしては長いかな、というところなので。う~む、でも短いのは短いですからねえ。
超短編というのはとても魅力的だとぼくは思っています。素人でも一つのアイデアさえあれば簡単に書くことができる点でも、現代的ですよね(読者参加型なので)。実際、日本では昔からショートショートを募集する文学コンクールというものが存在しています(吉行淳之介や阿刀田高が選者だったりする)。外国でも素人の書いたショートショートが本になり、日本でその翻訳があります。
しばらくしたらこれらの作品を集中的に読んでみようと思っています。今はとにかく英語の本を読まなくては…。ちょうどきっかり100ページ読んだところなのです。新記録更新中。全部読み終えたら、鍋焼きうどんを食べるつもりです。なぜか?分かる人には分かる、ということで…
昔々、自分がゴキブリである夢を見たグレゴール・ザムザという名の外交官をめぐって書いている作家である夢を見たフランツ・カフカという名のゴキブリである夢を見たグレゴール・ザムザという名のゴキブリがいました。
実はこれで全文です。
『超短編アンソロジー』というちくま文庫に収められている小説(と呼べるのか?)です。「夢見」という章の巻頭作品。
このモンテローソという人はホンジュラスの作家だそうです(って、どの辺にある国だっけ?)。
ラテンアメリカには超短編の系譜があり、その先駆となったのはフリオ・トーリというメキシコの作家が1917年に出した「詩とエッセイ」だとか。そして現在世界で最も超短編が隆盛しているのはラテンアメリカなのだそうです。
ごく短い短編のことをショートショートとか掌編とか小品とかコントとか言ってきたわけですが、アメリカではショートショートという表現が一般的のようですね。日本でもショートショートという呼び方が比較的一般的のような気がします。ただ、この引用元の本は『超短編アンソロジー』。『Sudden Fiction』なども、「超短編小説」と副題が付いていますから、この二つの呼称が競合しているということでしょう。
ところで超短編ないしはショートショートには大きく分けて二種類あるように思えます。一つ目は、プロットに趣向を凝らして結末で読者をあっと言わせるもの。二つ目はとにかくナンセンスなもの。マザーグースやハルムスの作品は後者に属するでしょう。最初に引用したモンテローソの作品もナンセンスに近いですね。
一読しただけでは意味を取りづらい作品ですが、結局のところ夢を見たゴキブリがいた、というだけの話で、なんのことはありません。
超短編は短いが故にウィットがぴりりと効いていたり、オチが強烈であったりしますが、ナンセンスさも極度に高まる可能性を秘めています。
初期チェーホフ(チェホンテ)をショートショートの作家に分類している人もいますが、難しいところですね。ショートショートにしては長いかな、というところなので。う~む、でも短いのは短いですからねえ。
超短編というのはとても魅力的だとぼくは思っています。素人でも一つのアイデアさえあれば簡単に書くことができる点でも、現代的ですよね(読者参加型なので)。実際、日本では昔からショートショートを募集する文学コンクールというものが存在しています(吉行淳之介や阿刀田高が選者だったりする)。外国でも素人の書いたショートショートが本になり、日本でその翻訳があります。
しばらくしたらこれらの作品を集中的に読んでみようと思っています。今はとにかく英語の本を読まなくては…。ちょうどきっかり100ページ読んだところなのです。新記録更新中。全部読み終えたら、鍋焼きうどんを食べるつもりです。なぜか?分かる人には分かる、ということで…