慶応大学の研究グループが、iPS細胞から未分化細胞を含まない心筋細胞の作製に成功したという発表がありました。
その少し前にこちらは大阪大学の研究グループですが、「ハートシート」という組織培養した細胞を、心臓に移植する手法が子供も対象になったという報告も出ています。こちらは拡張型心筋症の子供が対象で、この病気は大きくなるにつれ心臓の働きが弱ってしまう病気です。この治療には心臓移植が必要ですが、国内ではドナー(提供者)が圧倒的に少なく、海外に行って移植を受けるしかないような状況です。
余談ですがこの○○ちゃんを救おうという感じで、寄付を集めているのを見たことがありますが、こういった手法で億単位の金が集まるというのは、やはり日本が豊かな証拠かもしれません。こういった子供たちの治療として、「ハートシート」の移植が考えられています。このシートは患者の脚の組織からとった細胞を、組織培養し何層ものシート状にしたものです。患者本人の細胞なので、拒絶反応も起こらず、心筋細胞ではないのですが、心臓の保護機能を発揮するとされています。
従来大人の心筋梗塞などで弱った心臓の保護として、このシートを張るという治療が行われていました。非常に手間暇のかかる治療法ですので、それほど多くの人に適用されてはいないようですが、今回18歳未満にも拡大されたわけです。
この手法をより効果的にするために、心筋細胞自身を移植するということが試みられています。それがiPS細胞から作った心筋細胞移植です。しかしこの手法にはいろいろ問題があり、その一つが分化させた心筋細胞中に、未分化細胞が混ざってしまうことでした。この未分化細胞は、そのままにしておくと、最悪の場合ガン化する可能性もあります。
今回慶応大学のグループは、この心筋細胞に分化させ培養するときに、心筋細胞特有な栄養源である乳酸を加える方法を開発しました。また未分化の細胞は、グルタミン酸を利用することから、培地からこのグルタミン酸を排除することによって、ほとんど心筋細胞だけの培養に成功したわけです。
まだハートシートのようなものにはなっていないようですが、これをどう臨床に使うようにするかが課題のようです。このような再生医療分野は、着々と前進しています。まだiPS細胞からの臨床試験は始まったばかりですが、あまり急がずじっくりと進めてほしい気がします。
その少し前にこちらは大阪大学の研究グループですが、「ハートシート」という組織培養した細胞を、心臓に移植する手法が子供も対象になったという報告も出ています。こちらは拡張型心筋症の子供が対象で、この病気は大きくなるにつれ心臓の働きが弱ってしまう病気です。この治療には心臓移植が必要ですが、国内ではドナー(提供者)が圧倒的に少なく、海外に行って移植を受けるしかないような状況です。
余談ですがこの○○ちゃんを救おうという感じで、寄付を集めているのを見たことがありますが、こういった手法で億単位の金が集まるというのは、やはり日本が豊かな証拠かもしれません。こういった子供たちの治療として、「ハートシート」の移植が考えられています。このシートは患者の脚の組織からとった細胞を、組織培養し何層ものシート状にしたものです。患者本人の細胞なので、拒絶反応も起こらず、心筋細胞ではないのですが、心臓の保護機能を発揮するとされています。
従来大人の心筋梗塞などで弱った心臓の保護として、このシートを張るという治療が行われていました。非常に手間暇のかかる治療法ですので、それほど多くの人に適用されてはいないようですが、今回18歳未満にも拡大されたわけです。
この手法をより効果的にするために、心筋細胞自身を移植するということが試みられています。それがiPS細胞から作った心筋細胞移植です。しかしこの手法にはいろいろ問題があり、その一つが分化させた心筋細胞中に、未分化細胞が混ざってしまうことでした。この未分化細胞は、そのままにしておくと、最悪の場合ガン化する可能性もあります。
今回慶応大学のグループは、この心筋細胞に分化させ培養するときに、心筋細胞特有な栄養源である乳酸を加える方法を開発しました。また未分化の細胞は、グルタミン酸を利用することから、培地からこのグルタミン酸を排除することによって、ほとんど心筋細胞だけの培養に成功したわけです。
まだハートシートのようなものにはなっていないようですが、これをどう臨床に使うようにするかが課題のようです。このような再生医療分野は、着々と前進しています。まだiPS細胞からの臨床試験は始まったばかりですが、あまり急がずじっくりと進めてほしい気がします。