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甘いものは別腹という別腹スイッチ

2025-04-11 10:34:28 | 自然
私はお腹がいっぱいになると食べる気がしなくなり、甘いものでも無理になってしまいます。

若いころは果物は別腹的な感じがありましたが、歳を取ってからはそれすらなくなったようです。食後でも甘いものは歓迎するといった、いわゆるデザートは別腹を経験する人は多いようです。

お腹一杯食べたはずなのに、なぜか甘いものだけはまだ食べられる現象が起こります。ドイツのマックス・ブランク代謝研究所のチームが、この「別腹」問題にメスを入れました。

ポイントは、食後の満腹感を伝える神経細胞が甘いものを求めるスイッチまで押してしまうことのようです。

研究チームがマウスと人間の両方で実験したところ、甘いものを認識しただけで脳内の経路が活性化し、鎮痛・陶酔などの作用を持つβ‐エンドルフィンというオピオイド物質を放出することが確認されました。

糖分は短時間でエネルギーを補給する手段となるため、自然界では非常に貴重な存在です。研究者曰く、進化論的には糖分と認識したら積極的に摂取するよう脳がプログラムされているようです。研究結果によると、マウスは満腹になったあとも甘いものを食べ続けたそうです。

POMCニューロンと呼ばれる神経細胞群がカギを握っているらしく、糖分を口にしたマウスの脳内では、この神経細胞群が素早く活性化し、満腹状態であっても食欲を増進させる役割を果たしてしまうようです。

糖分を追加摂取するとβ‐エンドルフィンが放出され、他の神経細胞に報酬感を与えるため、マウスは満腹でも甘いものを摂取し続けたようです。しかし研究者がこのオピオイド経路を遮断すると、マウスは糖分の追加摂取を控えるようになったそうです。

またこのオピオイド経路は糖分を追加摂取した時だけ活性化し、通常の食事や脂肪分の多い食事では活性化しませんでした。さらにこの現象は満腹のマウスのみ顕著で、空腹のマウスでβ‐エンドルフィンの放出を抑制しても効果は見られなかったとしています。

満腹+甘いもの=正義と脳にプログラムされているのなら、食後のスイーツを食べてしまうのはやむを得ないのかもしれません。

おもしろいのは、マウスが実際に糖分を取る前に糖分を認識した時点、つまりこれは甘いものに違いないと感じた時点ですでにスイッチが入ってしまうところです。

一度も甘いものを食べた経験がないマウスでも、最初の糖分が口に入った瞬間からβ‐エンドルフィンの放出が始まり、その後の追加摂取でさらに反応が強まっていったそうです。

人間の脳にもこのようなスイッチがあり、満腹でも甘いものが欲しくなるのは当然なのかもしれません。


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