田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

「ローマの休日」でコールコーヒーを(中)

2023年05月15日 | 読書・映画日記

 「ローマの休日」とスターバックスとは何の関係もない。たまたまスタバデビューした夜に、NHKのBS放送で字幕版「ローマの休日」を観たというだけ。世界大戦後、ハリウッド全盛時代の明るい映画で、なによりも華奢なヘプバーンの気品ある、そして弾けるような演技がいい。

 晩酌をしながら観ていたら、カフェテラスのシーンになった。そこで王女様のヘプバーンがシャンパンを所望し、懐がさみしいグレゴリー・ペックはちょっと迷って「僕にはコールコーヒーを」と注文するのである。正確にはCold Coffeeと言ったのだろう。その言葉を聞いて、そうなのかと腑に落ちるものがあった。

 五十数年前の話になる。京都暮らしを始めてしばらくたった頃、喫茶店でアイスコーヒーを頼もうとしたらメニューにない。じっと見ていたら「コールコーヒー」というものがあった。もしかしたらと頼んで、出てきたのがアイスコーヒーだった。こちらではそういう和製英語を使うのかと思ったものだ。慣れてくると、この言葉に違和感を感じなくなった。

 それから長い間、コールコーヒーは関西地方の方言のようなものだと思っていた。それが「ローマの休日」を観て、あれは実際の英語の発音が訛ったものだと腑に落ちた。私はペックの一言でそう思ったが、実際のところはよくわからない。日本語の字幕では「アイスコーヒー」と訳されていた。こんど京都に行ったらコールコーヒーと言って頼んでみよう。

 その後しばらくして、またスターバックスに行った。冷たいコーヒーはないかと聞いたらドリップコーヒーに冷たいのがあると言う。頼んだら氷の入ったアイスコーヒーが出てきた。メニュー表をよく見たら一番下に「Cold Brew Coffee」というのがある。そちらは水出しコーヒーなのだそうだ。ドリップコーヒーを冷やしたのがアイスコーヒーというようだ。グレゴリー・ペックのグラスに氷は入っていなかったので、水出しコーヒーだったのかもしれない。

 (追記)先日スタバに行ったら、メニュー表の「ドリップコーヒー」の下にごく小さく     (hot/iced)と書いてあった。

 

       スタバのiced coffee

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