田園都市の風景から

筑後地方を中心とした情報や、昭和時代の生活の記憶、その時々に思うことなどを綴っていきます。

人々を幸せにする映画のヒロイン

2023年10月12日 | 読書・映画日記

 最近、気持ちがギスギスしている方にお薦めの映画。

「アメリ」 2001年フランス

 病気を理由に学校教育を受けさせてもらえず、少女時代は孤独で空想の世界にいたアメリ。やがて成人し家を出て一人住まいを始めるが、世間とのコミュニケーションがうまく取れない。そんな彼女がモンマルトルのカフェで働き始める。

 アメリは偶然、アパートの壁の穴から小さな箱を見つけ出し、それを切っ掛けに子どものように人々に悪戯をし始める。仕掛けられた本人は幸せな気分になり、アメリを満足させる。悪戯は偏屈で家に閉じこもっている父親にも。ある時、彼女はふとした出来事から青年に恋心を抱き、謎かけをして彼の心を自分に振り向けさせようとするが。

 だいぶ前にテレビでたまたま観たフランス映画。画面の柔らかな色調がアメリの世界へ人を誘う。映画の中でアメリが運河で水切りをするシーンがある。水切りは世界共通の遊びなのですね。

 

  ついでにもう一本。こちらのヒロインは肥満体の中年女性。

「バグダッドカフェ」 1987年西ドイツ

 アメリカ西部、ラスベガス近郊のモハべ沙漠が物語の舞台。旧国道を観光ドライブ中のドイツ人夫婦。バグダッドという所で夫婦喧嘩をし、女房のジャスミンは車を飛び出して、炎天下を旅行用のトランクを転がし「バグダッドカフェ」に辿り着く。

 カフェの女主人はぐうたら亭主を追い出したばかりで、ストレスを募らせている。娘は友達と遊び歩き、赤ん坊のいる息子はピアノに夢中。ジャスミンは併設のモーテルに泊まることにするが、女主人が買い物に出かけた間に、お節介にも彼女のオフィスの掃除を始める。だがその行為が女主人のイライラを更に嵩じさせることになる。

 ジャスミンは覚えたばかりの手品を披露して人々の心を癒し、寂びれていたカフェは・・・という物語。主人公はドイツ人女性だから名前はヤスミン。観たビデオは英語版で、英語読みのジャスミンとしている。

 バグダッドカフェがある旧国道は、マザー・ロードと呼ばれたかつての「ルート66」。アメリカを知らない私だが、大昔の連続テレビドラマ「ルート66」や同名の曲で馴染み深い道路。スタインベックの「怒りの葡萄」や多くのストーリーに登場する、アメリカを東西に貫く幹線国道だった。映画ではすぐ向こうにハイウェイが見えるので、少し離れた地で撮影されたらしい。

 あなたを呼んでいる、という挿入歌もいい。

 

 

 いらぬお節介が人を癒し、幸せな気分にする。

 

 

 

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