渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

最高の決勝戦 ジャパン・プール・チャンピオンシップ

2023年01月23日 | open
 
 
今年初めての大会。
東西日本のプロ上位ランカーのみ
が参加できるジャパン・プール・
チャンピオンシップ。
銀座の特設会場にて本年度始めの
公式大会として開催された。

東日本2022年ランキング3位
土方隼斗選手。


西日本2022年ランキング1位
竹中寛選手。

その決勝戦。
ナインボールの国内最頂点を決め
る試合は最高の試合内容だった。
4連続マスワリを含む連取で西日
本ランキング1位の竹中プロは東
日本の土方プロを8-1と引き
離す。
そこから土方プロは連続マスワリ
で9-9のタイに追いつく。
そして、休憩を挟んでの最後残り
4ラック。4ラックを先に取った
選手が優勝だ。
土方プロは4ラック連続マスワリ
で優勝した。
竹中プロは6回マスワリを出して
も勝てなかった。
土方プロは、13ラック先取りの
うち、11ラックをマスワリした。
これがほんとのプロの試合。


ノーマルシャフトを使う侍竹中。
対するは、カーボンシャフトを使
う新選組ダンダラ染めの土方。
まるで、戦国武将と洋装で拳銃と
刀を持った土方歳三のようだ。
西国武将と東国剣士の時空を超え
た一騎打ちのようで、とても見応
えのある決勝戦だった。

なお、土方歳三が幕臣旗本となっ
てからの名は内藤隼人だ。つまり
土方隼
人。
偶然にも土方隼斗プロは土方歳三
に風貌が似ている。
 
土方隼斗選手。


土方歳三(内藤隼人)。


 

ジャパン・プール・チャンピオンシップ 準決勝2試合目

2023年01月23日 | open

準決勝:土方隼斗 vs 羅立文 ~JAPAN POOL CHAMPIONSHIP 2023

新フォームにした土方隼斗プロ。
下半身が安定していて、極めて
フォームが美しい。
物理的に合理的なだけでなく、
ヴィジュアル的にもとても美しい。
そして、非常に綺麗な玉を撞く。
一つのビリヤードの完成された
理想形に近づきつつある。
後進の人たちのお手本になる撞球。
正統派のど真ん中の本筋。
こうした玉撞きが観ていても心地
良い。清涼感がみなぎる。
観ている者に明るい活力を与える。
爽やかで、かつ、強い。
本当のプロらしいビリヤード。

試合は羅(ロー)プロがマスワリ

2回の後土方プロにターン。
すると一気に土方プロは9連取。
9ラック先取のうち、6回マスワリ。
しかも、最後は強烈な4連マスワ
リで
勝利。
「マスワリ王子」と10代の頃から
呼ばれたが、土方選手のマスワリ
率は図抜けている。
だが、これが本当の撞球のお手本。
相手にキューを握らせないのが
ポケットでもキャロムでも本筋で
の完封勝利である。
交代ブレイクはそうしたワンサイド
ゲームを回避する為の新ルールで
あるが、本来のビリヤードの勝負
からは外れた、スポンサー向けの
ビリヤード放送用のものだ。
交代ブレイクは試合も公平ではな
い。実力を発揮した者が圧倒的な
優位性を得るのが本来のスポーツ
での勝負だからだ。その実力発揮
を阻む疑似機会均等制度は、スポ
ーツにおける対戦の勝負性を希釈
するので、良質制度とはいえない。



ジャパン・プール・チャンピオンシップ 準決勝1試合目

2023年01月23日 | open

準決勝:竹中寛 vs 北谷好宏 ~JAPAN POOL CHAMPIONSHIP 2023

サムライ竹中、3-5からまくって
最後は怒涛の4連続マスワリで
決勝に駒を進める。
これが本来のビリヤード。プール
の醍醐味。
戦いの流れを掴んだら、相手に
キューを一切握らせない。
現在は交代ブレイクという意味
不明の疑似平等のルールの為、
連続マスワリは存在しなくなっ
た。
しかし、今年から開始された本
大会は、従前のルール通りの勝者
ブレイクだ。
こうでないと面白くない。

昔からニックネームがサムライ
だった竹中プロ。
店舗の名称も「侍」にしている。
風貌は戦国武将。
江戸期は髭が幕府により禁止され
たので、竹中選手の容姿は戦国期
~江戸初期までの武士風。
元和演武により、日本は茶筅髷、
もみ上げ伸ばし、髭、角鍔、朱鞘
が禁止され、珍妙なちょん髷が強
制されるようになった。
これは武士だけでなく町人に至る
まで髭と茶筅髷ともみ上げ伸ばし
は禁止だ。武張った風潮の粛清
のために出された法令だった。
よく江戸期中期以降の時代劇で
髭の武士が出てくるが、現実に
はあり得ない。水戸黄門が髭を
生やしているのも虚構だ。

竹中プロの特徴は、ほぼどんな
玉でも撞いた後の配置を見て
にやりとする仕草。
そして、目が真剣になり、スッ
と撞く。
その様も、江戸期の閉塞的な
武士ではなく、戦国期の侍の
ような仕草で、人気がある。
変化に富み、観客の目を楽しま
せるからだ。
戦国武将は個性の塊だ。
自己主張の王みたいな連中が
群雄割拠していた。日本全国
どこでも武士は全員が型破り。
その頃の侍のイメージが竹中
選手だ。


映画『インターセプター』(2022)

2023年01月23日 | open


ロシアの核ミサイルを強奪して
アメリカ全土に撃ち込もうとす
るアメリカ人テロリストと、そ
れを一人で阻止する女性兵士の
話。
荒唐無稽なのだが、そうは感じ
させない手腕をこの作品製作者
は見せている。
なかなかの作。
合衆国大統領は女性となっている。
現実にはまだ実現していない。
国家の政権の長を女性が務めるの
は先進国の象徴のようになってき
た現代、西欧と違い日米のみは、
今でも男社会となっている。
日米は明らかな後進国である。
そして、この作品でも、セクハラ
により社会的に貶められた女性
将校が主人公だ。
また、現在のネット愚民のような
現役軍人たちの違法ないやがらせ
等も非道を極める。
彼女はそれにより精神を病み、一
度自殺を図るが父に助けられる。
その時に娘に言った父の言葉は
「たたかいをやめてはだめだ」だ。
たたかいには戦い(バトル)も闘い
(ストラッグル)もあるが、どちら
もとても人間には大切だ。

この映画、CG以外はかなり低予
算で作られたのではななかろうか。
しかし、映像的に見応えはある。
ただ、ラストの展開は、実にアメ
リカ的なお決まりの展開だ。
日本の時代劇ホームドラマのお約
束のような流れと展開。
アメリカ映画はヒーローや騎兵隊
が出てきて悪人をやっつけて最後
は拍手で祝福される。その決まり。
乳母車が階段から転げ落ちるよう
な心象描写を撮っても、観客は
「はぁ?」となるだけだ。
それがアメリカ。アメリカ映画。
アメリカ映画で、最後に行き場の
ない結末になる事は少ない。
それはそれで、一つのお国柄かと
思う。

本作、なかなか面白かった。
だが、プロットとしては『亡国の
イージス』(原作1999年、映画
2005年邦画)に非常に似ている。
パクリですか?という程に。
似た展開の映画作品では『ホワ
イトアウト』(2000)、『ミッド
ナイト・イーグル』(2005)の邦
画があるが、どちらの邦画もひ
どい出来だった。
『ホワイトアウト』では、松嶋
菜々子が最悪の大根ぶり、『ミッ
ドナイト・イーグル』では藤竜也
が究極の大根ぶりを披露していた。
役者の演技力云々ではなく、監督
の力量だ。松嶋の場合は本人の
力量と無知もあるだろうが。
松嶋はAK47をフルオートで射撃
して無反動の演技だった。生まれ
て初めて銃を撃つ女が。
AK47自動小銃の独自の強烈な右
上への反動を知らないとか以前に、
鉄砲を撃って無反動というのは、
あまりにも世の中を知らな過ぎる。
玩具はないのだから。
役者ならば、知りません、興味あ
りませんでは済まされない。自分
の役なのだから。それが仕事なの
だから。
その点、石原軍団や草刈正雄は
銃に精通(とまではいかなくと
も)していて、演技としてきちん
と銃の反動を再現している。電
気銃のような事はしない。
時代劇の剣士の役なのに刀が
えないとか、銃を使う役なのに
銃に無知過ぎるとかは駄目なの
だ。包丁で指切ったら痛い、と
いうのと同じ「ごく当たり前の
事」を演技では外してはならな
いのである。これ役者の原則。
(舞台歌劇とかは別。リアリティ
よりも装飾性が前面に出るから)

作の良し悪しは監督で決まる。
役者持ち上げでちょろいOKを出
していたら、作は下作となる。
同じ俳優なのに作品によって
輝きを放つ時と非常にまずい演技
を見せる時があるのは、すべて
監督の力による。脚本も大事だが
映像作品はすべて監督の責に属す
る。映像監督は料理人であり料理
長であるからだ。

本作『インターセプター』は主演
の女優がかなりの演技を見せる。
好演している。
スタッフが良いのだろう。
隙の無い仕上がりの映画作品と
なっている。


刃筋と刃波

2023年01月23日 | open



30年前の切り。
この刀は二尺三寸六分、鞘を払っ
て1,200グラム。斬鉄剣康宏。
2基目の切り台は柱の釘が緩んで、
だ角材がほぼ台の上に乗って
いるだけの状態。ガチ固定状態
ではない切り台になっている。
角材に40センチ四方の正方形の
ベニアを釘で打ちつけただけの
簡易切り台なので、使うとどん
釘が緩んで来る。
特に横切りを連続すると、緩み
が早い。
また、釘が緩んでいなくとも、
地面への接地固定部が狭いので、
非常に倒れ易い。
本式切り台はどっしりしていて
そのような事は無いが、簡易物
はあくまで簡易物だ。

この動画の時の切りは、斬術とし
ては刃筋は良いが逆袈裟で刃波
鈍角過ぎる逆袈裟だ。
軸を回転させて正対をずらしてい
るのは、これはあえてわざとこう
いう身体の使い方をしている。
これには意味がある。それはよい。
常に切って倒れた相手に正対して
いればいいというものではない。
正対すべき時とそうではない時が
ある。

斬術は刃筋と刃波と刀線。
これらが三位一体とならないと
いけない。
そして、刀術は根幹は体術である。

タップ

2023年01月22日 | open



キュー先のタップは、撞いた瞬間
にこれ程変形する。
それゆえ、タップの質性は極めて
重要になってくる。

私が積層豚革タップを極力避ける
のは、どうしても「接着剤で撞い
ている」感が払拭できないからだ。
ペシペシ感を看取する。どんなに
微細なタッチであろうとも。
それゆえ、一枚革一択になってく
る。しかも牛の。
フランスのオールドチャンピオン
などは最高の性能だった。
だが、あの質性のシャンデバー社
のシャンピョンは今は無い。
唯一の近似質性を持つのは、アメ
リカ製のル・プロフェッショナル
だが、それも現在は入手困難であ
る。私は150個程新品ストックが
あるが、それは在庫があるうちに
買い置きしておいたからだ。
今は容易には手に入らない。

だが、新規開発で良質かと思われ
る牛革一枚タップが2社から発売
されている。
そのうち試してみようと思ってい
る。


映画『引っ越し大名』(2019)

2023年01月22日 | open


『引っ越し大名』(2019年/松竹)

なかなかよき物語に御座った。
しかし、幕命による転封転封の連続
なんてのは、家中にとってはたまら
んね。
武家政権時代は、極限パワハラの
時代。
しかし、武士などの身分を超える、
人の信義とは何であろうか、とい
う事がテーマの作品。
かなり良作。


刃筋

2023年01月22日 | open









逆袈裟の刃筋悪いなぁ。

アメージング

2023年01月22日 | open


球体はいろんな動きをするから
面白い。


昨日、押し止めしようとしてミス
してキューを利かせ過ぎてスクラ
ッチした。
相手大笑いしていた。
こんな玉になった。
これの赤玉がないバージョン。
Uターンで手玉戻って穴に一直線
に勢いよくズドン。平撞きマッセ
みたいなやつ。


ビリヤードボール

2023年01月22日 | open



個人的にはドットボールよりも、
昔ながらの手玉のほうが好みで
ある。

ボールは重さに個体差がある。
使用1年で交換した手玉。
アラミス。


新品未使用。アラミス6ドット。


長年使い込んだブランズウィック。


使われたのが9個ばかりの為、使用
頻度が低いブランズウィックの15
ボール。

そして、嘘かまことか、プラス
ティックのビリヤードボールは
使うほどに摩擦で小さくなって
来るといわれている。
それは確かにあるようだ。

私は斑点のない白い手玉が好き
だなぁ。



お好み焼き

2023年01月22日 | open


お好み焼き「てっちゃん」の
お好み焼き。てっちゃんモダン。
ここの三原焼き、結構うまい。
ソースはブレンドだそうです。

キャベツたっぷり、そば入り。


映画『アイランド』(2005)

2023年01月22日 | open


2005年公開。
2019年の近未来、クローンを
「製造」し、育てて臓器を取る
ことで保険を営む時代。
クライアントは超セレブたちの
富裕層だった。
作られたクローンたちは、やが
て自我に目覚め、自分らの閉鎖
環境に疑問を抱く。
そして、男女二人のクローンが
製造隔離施設から脱出した。
人間としての生を求めて。

力作。良い。

映画『JUNG_E/ジョンイ』(2022)

2023年01月22日 | open


果てしなく暗く、救われない
作品。絶望のみを描いて絶望
のみを感じさせる。
近未来の地球の物語。

カン・スヨンさんは製作途中で
昨年亡くなったため、本作が遺
作となった。



最近のプール・キュー

2023年01月22日 | open



平口結貴プロのMezz Cue。
最近のキューは手玉のトビを抑える
ために、重量増となる先角を極度に
短くする設計のキューが趨勢。
この平口プロのシャフトは、先角と
いうよりも、もはやタップを接着す
るだけのリングのような構造になっ
ている。
先角の元々の意味は、キュー先の木

部が割れないようにガイドのカラー
の役目だった。
そのため、丈夫な大羊の角や象牙が
使用されて来た歴史がある。
ただし、キュー先の重量が増すと、
手玉の横トビが増幅するため、キャ
ロムなどでは大昔から先角を短くし
て軽量化する構造になっていた。
また、ポケットでも、先角をカット
して手玉横トビを抑える改造を施し
たプロは多かった。
しかし、手玉のトビが極限まで減少
するということは、球種が極度に少
なくなる事と連動するので、極端な
トビ除去設計を嫌うプロも多い。
ノーマルソリッドシャフトをあえて
選択するプロがトッププロに多い
のも、そうした理由による。
「手玉の突出した直進性=良いキュー」
ではないからだ。

こうした手玉直進性のみを求める
といったキューの登場という歴史的
な変化は、決して「道具の進化」で
はなく、多様性を持つキューの登場
として捉えるのが正鵠を射るものだ
ろう。

キューは自分が使う道具なので、自

分が気に入った、自分のプレースタ
イルに合った物を選ぶのが正解だろ
う。
私個人の場合は、ハイテクシャフト

とカーボンシャフトは使用しない。
私の撞き方においてはそれらの優位
性を見いだせないからだ。
私の場合はソリッドシャフトが合致
している。

世界大会で活躍する平口プロ。

シュート力抜群の選手だ。


TAD遣いの士

2023年01月22日 | open



TAD遣い、内垣健一プロ。
あえてTADを使い続けているのが
滅茶苦茶カッコいい。
TADを使い続けるのはトッププロ

では女子の佐藤麻子プロと男子の
内垣プロしかいない。
そして、ノーグローブ。
トラディショナル・スタイルだ。
時代の流行に流されて変転せず、
自己の視座が盤石。
立ち位置と振る舞いが清冽である。
武士みたいだ。



ベスト8:内垣建一 vs 北谷好宏  
~JAPAN POOL CHAMPIONSHIP 2023