渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

乗り方

2023年11月17日 | open



「スポーツカー」なる物のハン
ドルを握って運転していた時の
事。
助手席にはオーナーさんが乗っ
ている。
峠で快速走行をした。
ヒール&トゥも当然使ってブリ
ッピングしながら。
主として使うのは2〜4速だ。
コーナー立ち上がりではテール
を流さないグリップ走法で立ち
上がり、直線ではしっかりと
加速する。

ペースを下げた。
下げてもシフト操作はバイク
と同じように使う。
すると助手席のオーナーさん
が言った。
2速3速でタコ針をレッドゾーン
下でダンシングさせている時。
「トップに入るよ」
最初意味が全く分からなかった。
暫くして分かった。
走り方が別な種族なのだ、と。
異次元、というような。
もしかして、パワーバンドに
入れる高回転で運転していたの
は、下手で慣れなくて変速でき
ないと思ったのかも知れない。

それよりかなり前、従業員が
R33を購入したので、乗らせ
てもらった。
例によって峠に行く。
初めて乗る車なのでドリフト
はさせないように乗った。
それでも、加速、制動+H&T、
旋回、という操縦はごく普通
にやる。
助手席の奴は石になっていた
が、ドリキンのような運転も
タクミのような運転もしてい
ない。流しているだけだ。

車下りてから訊いてみた。
「いい車だね。何でGTRに
したの?」と。
すると「え?・・・だって
誰もが欲しがる車じゃない
ですか?」と。
私とは別な種族だと感じた。
その頃の私の愛車はローバー
ミニだ。
89年式キャブ最終型。
ミニだからではなく、車への
アプローチと捉え方が根本か
ら違う。

人気車種だから車を買う。
そういうのもアリなのだろう。
だが、私にはよく分からない。
その感覚が。
難関大学を「いい大学」とか
思い込むクチなんだろうなぁ。
公務員や銀行員や金融会社に
勤めてたら「いい仕事」とか。
個体の個性、アイデンティティ
などは見ようとはしない。
私とは異なる種族なんだろう
なぁと思った。





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