渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

購入者の9割が後悔すると噂の新型Z900SEの真相とは?【ゆっくり解説】

2024年09月07日 | open

購入者の9割が後悔すると噂の
新型Z900SEの真相とは?【ゆっくり解説】


欲しい新車を購入希望者が
買えないという珍奇な車種。
購入希望者に抽選もある。
しかも1~2年待って。
それまで希望者本人は生きて
るかどうかも
分からないのに。
そして四輪車販売と同じ路線

で、コロコロとカラーリング
を毎年変更する。
顧客は希望した物が買えない。
待たされているうちにその車
色は生産販売中止になるから
だ。


在庫抱えを排除する生産経営
方式だろうが、ユーザーを大
切にするようなシステムでは
ない。

その手法の背景にはユーザー
顧客よりも企業の利潤と存続
保障に重点が置かれている事
が企業体として存在している。
カワサキは爆売れで機種ごと
の部分的販売実績で世界のホ
ンダを抜いて大型機種では独
走状態
にはなったが、何だか
おかし
い事をやり始めている
のが段々現出してきている。

企業保守を第一義に掲げる経
営戦略に舵を切った事が表出
し始めたからだ。


やはり、時代の流れか。
かつてのカワサキは今は存在
しない。
カワサキプラザができて、一
般二輪車販売店には大型の新
車を卸さなくなった頃から
カワサキの体質が徐々に変化
し始めた。
小規模店舗潰しと自社直営店
の市場独占化。
まるで弱者である系列販売店
と関連企業を骨までしゃぶり
尽くすように食い物にしての
し上がったどこかの四輪メー
カーと同じ手法だ。

1980年代末期、空前のバイク

ブームの中、あまりにカワサ
キだけが不人気で売れないの
で、川崎重工が二輪生産部門
を廃止(つまり二輪のカワサ
キが無くなるという事)しよ
うとした時、川崎重工の二輪
開発部門はチームが一丸とな
って新機軸新車を市場に投入
してカワサキというメーカー
は生き残れた。
その車種がゼファー400だった。
背水の陣。
ゼファーが売れなければ、もう
カワサキはおしまいだった。
だが、多くの二輪乗りたち=
新車購入顧客に爆発的人気
となったゼファーのおかげで
カワサキは命を繋ぐ事ができ
た。

それから三十有余年。
今世紀に入り、2010年頃から
カワサキのオートバイの人気
が高まり出した。
そして、ネオレトロのコンセ
プトで発表したZ900RSは、販
売成績において世界一のホンダ
をついに抜き去った。
以降、カワサキは躍進を続け、
爆発的な売れ行きをカワサキ
が示すという1980年代には凡
そ想像もできなかった時代に
なった。実質的に川崎重工の
利益の大きな要素を占める程
に川崎重工の二輪部門は躍進
した。
だが、そこにきて、川崎重工
は二輪部門を本社組織から切
り離す事をやって来た。
そして、二輪部門は重工から
切り離されて分離独立単体
企業となった。内燃機関廃止
論が世界を席巻し始めたの
と軌を一にして重工の二輪
部門切り離しが実行された。
その頃から二輪メーカーと
しての「カワサキ」の体質
が変質し始めた。
それまでにカワサキ販売代
理店を切り捨てる事を実行
してきたのは重工だが、そ
の戦略を押し進め、カワサキ
一枚岩の体勢を打ち固める
企業戦略にカワサキは舵を
切った。
そして、生産を増産させて
市場ニーズに応えるダイナ
ミックな展開ではなく、現
状収益を確保するだけの販
路縮小によって企業保身を
第一にする戦略に転じた。
揺れるカワサキ。硬直化す
る企業体。
それでもマーケットを確保
できているのはカワサキに
よるイメージ戦略がまだ今
の段階では功を奏している
からだ。

今後は、もしかすると多くの
二輪乗りたちのカワサキ離れ
が開始されるかもしれない。
それは奇しくも「いつまで
もこの売れ行きは続かない」
と将来を見切って二輪部門を
切り捨てた重工の高度な政治
判断的な戦略と皮肉にも方向
性が合致する。
だが、仮にそのようなカワサキ
離れが開始されたとしたら、
それはユーザーのせいではな
くカワサキ自身が企業として
の戦略を誤ったからだ。
仮に1980年代のようにカワサ
キの販売不振が続く事が開始
れたとしたら、それはカワ
キの企業戦略にこそ原因が
り、ユーザーのせいではな
い。

だが私は、近い将来、カワサ
キどん底時代が来るような気
がする。
体質が35年前とは根本的に違う
ので、仮にそうなったとした
ら、もうカワサキという二輪
メーカーはかつての1989年の
時のような不死鳥の如き再生
はせず、そのまま廃業になる
だろう。
今のままでの生産量現状維持
若しくは縮小戦略では、市場
確保を担保とする企業利益の
確保が困難になるからだ。
この先どうなるかは分からな
い。
だが、今の体勢のまま、今の
体質のまま、今の企業戦略の
ままでは、カワサキは今後企
業としてジリ貧に向かう事は
確実だろう。
 
「顧客第一」を離れた時、製
造メーカーは斜陽に向かう。
これは製造販売企業体として
の動かしようのない現実だ。
カワサキだけではない。
日本企業だけでなく世界的に
どの企業でもその轍を確実に
踏む。そして、そうなったら
自社企業を切り売りし始める。

アメリカなどはその方式だ。
会社を売却してでも取締役
たちの収入だけは確保する。
顧客や従業員の生活の事など

は念頭に無い。経営陣トップ
の延命と生活の安寧だけを最
優先する。アメリカ型はそれ
だ。

そして、日本の企業体こそは
そうした構造ではなく、製品
と顧客を大切にする企
業体質
を骨子として世界有数
の産業
国家として国造りに貢
献して
きた。日本が世界第二位の経
済大国になれた歴史的背景は
アメリカ型とは一線を画する

企業経営指針が徹底されたか
らであるのは否定できない。

アメリカ式、中国式の銭金勘

定第一義を付け焼刃のように
泥縄的に展開して、かつての
ような
世界一の高品質、高レ
ベル、世界最先端の良質なオ
ートバイなど作れ
る道理が無
い。

カワサキは、かつて1980年代
最後に起死回生を実現させた
ようなカワサキらしさ、カワ
サキスピリット、換言すれば
日本企業らしさを消滅させた
時、「カワサキ」という存在
は確実に死滅へ
と向かう事だ
ろう。


 
 
 

 



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