渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

実験を経ての製品化

2020年11月30日 | open
 
 
これはアライと並び世界トッ
プレベルの
ヘルメットメーカー
であるショウエイの
風洞実験
の画像だ。
テスターは極めて適正なライ
ディング
フォームを取っている。
これが通常のクルージング時の
頭の位置と
角度、背骨の自然な
円弧、下半身でのホー
ルド、上
体の脱力、顎を引いてGを天頂
から尻に逃すフォームである。
決して、上半身伸ばし起こし、
背骨真っ直
ぐ硬直、両腕伸ば
突っ張り、頷出し顔
起こし、
ステップへ
のただの足載せの
ノー
マシンホールド、とい
うよう
な硬直した不適切な
乗車姿勢は取っていな
い。
 
風洞実験は空気の流れの空力効
果を測定
するだけではなく、視
界確保や安定性な
どの安全性も
多角的に検証する。
OGKカブトの場合、この程度の
ささいな
前傾でも開口部上部が
前方視界を塞いで
しまう。


まして、カウルの中に身を沈
めるこのよう
なフォームでは、
OGKヘルメットは全く
100%
使えない。アライ、ショウ
エイ、
AGV、BELL党は一切
問題が無い。

アライ、ショウエイはどのモ
デルでも、
最大限界前傾のこ
こまでのタンクにヘル
メット
を密着させる位置まで伏せて
も、
視界は良好に確保させる
設計になってい
る。ヘルメッ
トはアライ、ショウエイが
そうした視界確保の面では断
然信頼ができる。
SSモデルやレーサーレプリカ
のタンクの
上面一部がへこん
でいるのは、あれはこの
よう
なベタ伏せのレーシングフォ
ームの
際に、ヘルメットの
下部分を少しでも
沈ませる
ようにタンクに密着させる
ため
の造形だ。
車自体がいくらそのように工
夫された造り
込みになってい
ても、肝心のヘルメットが
前傾姿勢で前面投影面積を小
さくした乗車
姿勢の時に前方
視界が遮られるようでは、

れは乗車用ヘルメットとして
全く意味を
持たない。
 
こうした確たる方向性の定め
は、ものづく
りにおいては、
極めて製作者としての大切

視座の在り方が厳しく問われ
ている
ことを物語っている。
道具とはかくたるものだ。
峻厳だ。
 
これは、実は、刃物一つであっ
ても同じ事
がいえるのである。
人に寄り添わない、人間工学
を無視した
物体は、いくら作
り手が自己自慢で俺の
製品、
作品は天下一と盲信したとし
ても、
たちどころに実力判定
の世界ではふるい
落とされて
しまう。
現実は厳しい。
人に寄り添う、人と共にあら
んとせんと
しないモノヅクリ
などは、何の価値も無
ければ、
としての実力も有しては
いない
のである。
軍用銃などが徹底した過酷な
トライアル
テストに供される
のは、作り手の絵空事
の自惚
れなどは一切通じない本物の
力が
要求されるからだ。
人の生き死に、国家の存亡と
いうマジもん
の世界に俺様大
将のタコくそ頭は通用しな
い。
本物のみが評価される。
ヘルメットも人の生き死にと
深くかかわる
道具だ。
命のためには、本物を選びた
い。

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