渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

強靭な日本刀はなぜ折れないか

2024年08月10日 | open


研ぎ上げ後に刃を付けて
の試し。備後二重畳表二
巻き=通常の畳表四巻き
のやや細程度。巻き方は
真巻き。
これは実践斬刀術の己の
試しだが、刃付け後の
斬鉄剣小林康宏刀の具合
の試刀も兼ねている。
いわゆる「様(ためし)」。


日本刀が折れないのは、刀
身内部に柔らかい低炭素鋼
を入れている造りだからだ、
というのは大嘘だ。
アンコ鯛焼きモナカ構造は
戦国時代に大量生産の効率
化の為に予め鍛錬しておい
た材料を組み合わせる工法
が発明されただけだ。
アンコは原初は鍛えた高
度炭素鋼材の節約の為だ
た。
江戸幕末の水心子が唱えた
事を鵜呑みにして説を成し
ている現在の日本刀構造論
は根本から間違い。
一番実戦上丈夫な日本刀は
硬軟の鋼を緻密に連結させ
た真鍛え=無垢鍛えである。
刀身全部が鋼。しかも硬軟
の炭素鋼がまるで織物のよ
うに重層的に重ね鍛えられ
た刀身。

それらはなぜ折れないか。
理由はα系介在物が適切に
連結を補助して発生する適
度のしなりによって外的圧
力と斬撃により発する反
力を刀身全体で緩衝、消滅
させているからだ。
要するに鉄(かね)の在り方
の問題。
日本刀鑑賞的観点から言及
すると、マルテンサイトの
極小粒にトルースタイトが
包み込むような景色を見せ
て熱変態が現出しているよ
うな刀身が良い。
当然それは匂出来に多く
られる。
この事は古来より沸出来よ
りも匂出来の刀のほうが
切れし、かつ丈夫である、
とされて来た武士がいた実
戦日本刀の時代の経験則的
定説とも符合する。

上掲画像、刀がしなってい
るの判りますか?
棟から縦方向に真っ直ぐに。
言葉を変えると刀身がコン
ニチハしているのが。
こういう刀ではなく、ガチ
ガチに固める造りだと日本
刀は極めて折れ易くなる。
しかし、しなりと柔らかさ
は異なる。
適切な日本刀はガチガチな
刀身ではなく、例えるなら
ばトラックの板バネのよう
に強靭な弾力性を持ってい
造りの物が最高だといえ
る。
これ、現実であり、真実。
ただし、世の中、嘘の説明
がかなり多く、その嘘が真
実であるかのように蔓延し
ている。
真実を見抜けない人もかな
り多い。
えてして、そうした暗黒の
時代には、真実を告げる人
はガリレオのように不実の
者であるかのように故なく
非難され、排外される。
人間って、馬鹿だよね。
それでも地球は回ってるの
に。

 

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