渓流詩人の徒然日記

知恵の浅い僕らは僕らの所有でないところの時の中を迷う(パンセ) 渓流詩人の徒然日記 ~since May, 2003~

フォーム

2022年08月23日 | open
 
 
ポケット・ビリヤードのプロ
第1期生藤間一男先生が解説
するファンガーチップブリッジ。
モデルの世界チャンピオンの
マイク・シーゲルが激若だ。
ブリッジの解説部分なのだが、
この独特なサイド・オープン・
スタンスのフォームに注目して
ほしい。
これは、かの藤間先生でさえ当時
解説していなかった。
日本人はどうしても四つ球系の
フォームの亜流ばかりだったの
が歴史的な事実だ。
私がポケットを始めた1980年代
中期には国内プレーヤーの多く
は四つ球系だ。
あのフォームのお手本とされた
奥村プロも、実は下半身はキャロ
ム系の変形であるのだが、これは
下半身をクローズアップする画像
が少ない為か、あまり指摘されて
いない。
完全なるアメリカンスタイルの
スタンスで日本で撞き始める人
たちが登場するのは1980年代
後半からなのだ。
私でさえ、1986年に当時無敵だっ
たシーゲルを研究してサイド・オ
ープン・アメリカン・スタイルに
したら「横向き過ぎだ」とか先輩
たちからよく言われた。しょっち
ゅう言われた。
さすが戦前からの重鎮、マッセ日
本一だったキャロムの肥土軍作師
だけは、「ポッケはそれでいいん
じゃない?」と言っていた。
進駐軍とかアメリカ人の撞き方を
見て来ていたからだろう。
 
さてところが。
現代においてさえも、旧式のキャ
ロムスタンスを「ビリヤードの
基本」としてポケットの時にも
現実とは違う事を教えようとする
誤謬がビリヤード界には蔓延って
いる。
現代のトッププロでさえ、自分が
やっている事とは別物の事を「基
本」として教えようとする。
ひどい時には、その誤った「基本」
解説後に、その「基本」とまるで
違う事を自分がお手本としてやっ
て見せたりする。
現行のトッププロまでもが、昔から
あったそうした誤りを踏襲させて
いる。無思慮に。
 
これでは、日本のビリヤードとい
うスポーツ文化の中で、ポケット
ビリヤードが健全に技法面でも
発達する訳が
ない。
現実無視の精神論、お為ごかし
固定観念論が「指導」されて
いるからだ。
そして、その「嘘」を早期に見破
って独自研究をした者が力をつけ
て行くし、事実、そうした歴史が
日本のポケット・ビリヤードには
ある。
 
アメリカン・サイド・オープン
でポケットをやっている上級者
が殆どであるのに、それを説明
しない現代ポケット・ビリヤード
の日本人たち。
技法の深部、中心幹をきちんと
正しく解説説明指導せずして、
種目の真の国民的隆盛は無い
思える。
 

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