風の詩(kazenouta)2

いつも喜び、たえず祈り、すべてを感謝する
そのような日々を過ごしたい。

作家 加賀乙彦 信ずることの恵み  追悼 こころの時代アーカイブス

2023-06-15 18:18:18 | キリスト教会

NHK「こころの時代」で2003年11月に放送された番組の再放送(アーカイブ)は、

今年2023年1月12日に 93歳で亡くなった加賀乙彦さんの追悼でした。

 

犯罪心理学の学者であり、精神科医で、作家。

『湿原』を、ずっと前に読みました。

加賀乙彦さんが、晩年になってなぜカトリックの信仰を持ったのか、

ずっと知りたいと思っていました。

その謎が解けました。

 

キリスト教(聖書)の知識がいくらあっても、それは山を眺めているだけ。

信仰とは、1歩踏み出してその山に登ること。

58歳のときに、カトリックのK神父を、軽井沢の別荘に招き、質問攻めをした。

3日目になって、質問することがなくなり、K神父に、洗礼を受けてもいいですよ、と言われ

妻と共に1987年12月24日に受洗。

 

13歳の時、名古屋の陸軍幼年学校で学び、軍国少年として成長するも、

16歳の時に敗戦を迎えた。

その時大人たちが、一夜にしてその主義主張を変える=変節するのをみて

信念をもつとは、どういうことか疑問をもつ。

 

1979年『宣告』を出版。

これは死刑囚Aとの16年にわたる交流・文通を元に書いたもの。

Aはカトリック信者になっていて、死を前に静謐な姿で、哲学的思索もしていた。

K神父に導かれた。

加賀乙彦はK神父からフランス語を学んでいたこともあり、親交を深めた。

Aとの出会いは、大きな影響を与えた。

 

100パーセントイエス・キリストを信じることが出来て、

今まで知らなかった別の世界が見えるようになったという。

聖書の言葉が、いままでとは違う意味をもって聞こえる。

親鸞の弟子が書いた『歎異抄』が、より深く分かるようになったという。

 

加賀乙彦さんが、大きなくりくりとした目で語ることをお聞きして、

やはり真理は一つなのだと思いました。

目が開かれ、耳が開かれ、見えないものを見るように生きる。

信じる者となって、喜びが湧き、明るく人生を生きられることを知ったという。

まさに、同感です。

 

この放送は、78歳の時のものですが、

ご自分の信仰に入ったその道筋を、とても簡潔にお話くださったと思いました。

ずっと知りたかったことを、知ることができました。

1998年に書かれた『永遠の都』を読んでみたいです。

 メタセコイア並木と池  (よしみさんからお借りしました)

  静謐(せいひつ)という言葉が浮かびます

  心静かに 平安な日々の貴さを思います。