1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「アナーキー・イン・ザ・JP 」(中森明夫)

2010-12-18 14:50:24 | 
アナーキスト大杉栄の魂が、17歳のパンク少年の脳中によみがえるというお話。文章の疾走感、明治から大正にかけて生きた大杉栄らアナーキスト達の生き様や想いもたっぷり紹介されていて、とてもおもしろかったです。朝から一気に読んでしまいました。

「何も変わらない。変えられない。この世界は。1ミリも動かせやしなかった。はるかに自由であるはずのこの時代の人びとは、豊かさに窒息している。いつも、みんな泣きそうな顔をして、そうして滅びようとしているのだ。何か大切なものを見失って。やっとわかったよ、僕はどうしてここへ来たのかって・・・」

「僕は泣くために来たんだ。涙を流すために、この世界へ。この時代へ。今にも滅びようとしているこの都市、この国のために、涙を流そうとしている。僕は無力だ。何もできない。泣くことのほかには。だけど・・・。きっと、そのためにだけよみがえったんだ。僕の魂は、僕らの精神は。そう、百年分の涙を流すために・・・」 

これは、よみがえった大杉栄の言葉。時代の閉塞感とそれへのいらだちと。それでもなお権力や権威から自由に、生きていけたらという想いが伝わってくる一冊でした。


NO FUTURE NO CRY
未来はないけど、泣いちゃダメだ!!




最新の画像もっと見る

コメントを投稿