1日1日感動したことを書きたい

本、音楽、映画、仕事、出会い。1日1日感動したことを書きたい。
人生の黄昏時だから、なおそう思います。

「最後の親鸞」(吉本隆明)

2010-12-05 08:44:33 | 
「教行信証を読む」(山折哲雄)を読んで、この本をもう一度読もうと思いました。僕の手元にあるのは、昭和51年発行だから、30年以上前に読んだのですね。早いなぁ、年がたつのは。初めて読んだときは、よくわからなかった。そして今回読み直しても、ほんとうに理解できたのかという不安が残ります。何年か先に、もう一度読み直すのだろうな。

「教行信証」を書きながら、師法然の限界を乗り越えていった親鸞の、その後の姿が描かれています。自らが信じる浄土真宗そのもの解体にまで行きついてしまう思想家としての親鸞の姿が壮絶です。たしかに親鸞は、世界に誇る日本の思想家なのだと思いました。


「親鸞は、浄土教義を全部うしなっても思想家でありうる、というように存在した。」
「念仏一宗を自己解体しようとする親鸞の表現が、位置していた」
「法然と親鸞とのちかいは、たぶん<知>をどう処理するかの一点にかかっていた。法然には成遂できなかったが、親鸞には成遂できた思想が<知>の放棄の仕方において、たしかにあったのである」
「ここで親鸞がいやおうなしに表現しているのは、他力往生を本旨とする浄土真宗そのものの解体であり、同時に他宗派の無化である。」