川本ちょっとメモ

★所感は、「手ざわり生活実感的」に目線を低く心がけています。
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安倍首相によるNHK間接支配 (上)

2014-12-01 11:30:27 | Weblog



前2回の記事――『自民党 参院選で一時、「公平性を欠いている」として取材拒否 (2013年7月)』と『自民党がテレビ局報道姿勢に注文(原文掲載) テレ朝が評論家の出演取り消し』は、安倍総裁傘下の自民党によるテレビ報道への圧力についての記事でした。今回は安倍首相によるNHK支配についての記事です。


安倍首相系人脈5名のNHK経営委員国会同意人事について2013年11月9日、朝日新聞は次のように伝えました。この委員4名の新任と委員1名の再任によって、当時の松本NHK会長の続投困難という記事です。現在の籾井NHK会長登場の前段階でした。

経営委員の任命は、放送法第31条で「両議院の同意を得て、内閣総理大臣が任命する。」と規定されています。


<朝日新聞 2013-11-09 05:00>

 NHK会長の任免権限を持つNHK経営委員に作家の百田尚樹氏ら5人を充てる国会同意人事案が8日、衆参両院の本会議で可決された。歴史認識などで安倍晋三首相に近い人物が目立ち、NHKと政権との距離が問われかねない人選だ。安倍政権内からは「報道内容への不満」などを理由に会長交代を求める声も出始めており、来年1月に任期が切れる松本正之会長の続投は厳しい情勢になりつつある。

 会長任命には定数12の経営委員のうち9人以上の賛成が必要だ。つまり4人以上が反対すれば任命できないため、松本氏の続投は厳しい情勢になっている。

 作家の百田氏は保守系論壇誌に「安倍晋三論」を書き下ろし、「再び日本は立ち上がるだろう。安倍晋三はそのために戻ってきたエースである」と首相を称賛した。日本たばこ産業顧問の本田勝彦氏は首相の元家庭教師。哲学者の長谷川三千子氏も安倍首相の再登板を支援した。

 安倍政権が会長交代を望んだ場合、5人が続投に反対する可能性は高い。

   ◇   ◇   ◇

日本経済新聞は2013年12月20日、NHK会長人事について、日本ユニシスの籾井勝人(もみい・かつと)特別顧問(70)が次期会長に就くとNHKが発表したと伝えました。。


<日本経済新聞新聞 2013/12/20 21:23 >

 NHKは20日、情報サービス大手、日本ユニシスの籾井勝人(もみい・かつと)特別顧問(70)が次期会長に就くと発表した。任期は来年1月25日から3年間。3代続けて外部から経済人を登用する。与党内にはNHKの報道ぶりが政権に批判的だとの声がある。籾井氏は「不偏不党を確実に実行する」と語る。今後の報道や事業運営の行方で政権との距離を問われそうだ。

 「一丸となって公共に役立つNHKにしていきたい」。20日、会長選出に伴う記者会見で籾井氏は意気込みを述べた。

 NHKの最高意思決定機関で会長任命権をもつ経営委員会の委員は首相が任命する。今秋から年末にかけて任命された委員5人は安倍晋三首相や首相のブレーンと関係が深いとされる経済人や学識経験者、作家。今秋、政府が国会に経営委員の同意人事を提示した際、菅義偉官房長官は「(首相)自らが信頼し評価している方にお願いする」と語った。

 経営委員会には受信料の引き下げや職員給与削減などを進めた松本正之・現会長の続投を求める声もあった。だが、原発の反対意見や、日本の戦争責任を強調するなど報道に偏りがあるとの声が与党内であがる。松本会長は今月5日、続投の意思がないと表明。経営委員会の浜田健一郎委員長が「想定外」と記者団に漏らす一幕もあった。

 籾井氏の名前が浮上したのはその前後。今月13日の経営委員会に会長候補として籾井氏を推薦したのは今秋以降に選ばれた委員が中心だったとされる。籾井氏は首相に近い経済人と交流もある。

   ◇   ◇   ◇

NHK経営委員会の権限は、「放送法第29条」、「経営委員会規程第3条」に定められています。

放 送 法
(経営委員会の権限等)
第29条 経営委員会は、次に掲げる職務を行う。
一 次に掲げる事項の議決
イ 協会の経営に関する基本方針
ロ 監査委員会の職務の執行のため必要なものとして総務省令で定める事項
ハ 協会の業務の適正を確保するために必要なものとして次に掲げる体制の整備
(1)会長、副会長及び理事の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(2)会長、副会長及び理事の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(3)損失の危険の管理に関する体制
(4)会長、副会長及び理事の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(5)職員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(6)協会及びその子会社から成る集団における業務の適正を確保するための体制
(7)経営委員会の事務局に関する体制
ニ 収支予算、事業計画及び資金計画
ホ 第72条第1項の業務報告書及び第74条第1項に規定する財務諸表
ヘ 放送局の設置計画並びに放送局の開設、休止及び廃止(放送局の開設、休止及び廃止にあつては、経営委員会が軽微と認めたものを除く。)
ト テレビジョン放送による国内基幹放送(電波法の規定により協会以外の者が受けた免許に係る基幹放送局を用いて行われる衛星基幹放送に限る。)及び協会国際衛星放送の開始、休止及び廃止(国際放送及び協会国際衛星放送の開始、休止及び廃止にあつては、経営委員会が軽微と認めたものを除く。)
チ 番組基準及び放送番組の編集に関する基本計画
リ 定款の変更
ヌ 第64条の受信契約の条項及び受信料の免除の基準
ル 放送債券の発行及び借入金の借入れ
ヲ 土地の信託
ワ 第20条第9項に規定する基準
カ 第21条第2項及び第23条第1項に規定する基準
ヨ 第26条第1項に規定する基準及び方法
タ 第61条に規定する給与等の支給の基準及び第62条に規定する服務に関する準則
レ 役員の報酬、退職金及び交際費(いかなる名目によるかを問わずこれに類するものを含む。)
ソ 収支予算に基づき議決を必要とする事項
ツ 重要な不動産の取得及び処分に関する基本事項
ネ 外国放送事業者及びその団体との協力に関する基本事項
ナ 第20条第8項の総務大臣の認可を受けて行う協定の締結及び変更
ラ 第20条第10項の総務大臣の認可を受けて行う業務
ム 第22条の総務大臣の認可を受けて行う出資
ウ 第85条第1項の総務大臣の認可を受けて行う放送設備の譲渡等
ヰ 情報公開及び個人情報保護に係る審議を行うため協会が設置する組織の委員の委嘱
ノ イからヰまでに掲げるもののほか、これらに類するものとして経営委員会が認めた事項
二 役員の職務の執行の監督
【則】第17条
《全改》平19法136
《改正》平22法065
《改正》平26法096
2 経営委員会は、その職務の執行を委員に委任することができない。
《全改》平19法136
3 経営委員会は、第1項に規定する権限の適正な行使に資するため、総務省令の定めるところにより、第64条第1項の規定により協会とその放送の受信についての契約をしなければならない者の意見を聴取するものとする。

経営委員会規程
第3条(権限)
1 経営委員会は、次の事項について審議し、議決する。
① 定款第13条第1項第1号に定める事項
② 会長、監査委員および会計監査人の任命
③ 副会長および理事の任命の同意
④ 中央放送番組審議会委員および国際放送番組審議会委員の委嘱の同意
⑤ 会長、監査委員および会計監査人の罷免
⑥ 副会長および理事の罷免の同意
2 経営委員会は、役員(経営委員、会長、副会長および理事をいう。以下同じ。)の職務の執行を監督する。
3 経営委員会は、その職務の執行のため必要と認めるときは、会長に対し、協会の業務に関し、会議に出席して説明を行うことを求め、または資料の提出を要請することができる。
4 経営委員会は、その職務の執行を委員に委任することができない。
5 委員は、放送法または放送法に基づく命令に別段の定めがある場合を除き、個別の放送番組の編集その他の協会の業務を執行することができない。
6 委員は、個別の放送番組の編集について、放送法第3条の規定に抵触する行為をしてはならない。

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<私のアピール>

2012年末の安倍政権成立以後の短年月、武器輸出3原則の緩和、特定秘密保護法の新設、憲法9条解釈変更の7・1閣議決定と、先行き不安な政策ばかり急激に推進されています。第2次大戦後の日本において安倍政権は最も危険な政権です。

安倍内閣打倒の機運を盛り上げていきましょう。与党であれ野党であれ、安倍首相と同じ考えの人、同じ路線の人をを選挙で落としましょう。

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