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生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

CD紹介:無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ

2017-05-10 23:13:12 | 器楽・楽器

 件の騒動から既に丸三年立っているのですね。件の騒動というのは現代のベートーヴェンとまでもてはやされた佐村河内守氏の作品は、実際には新垣隆氏の作品だったという騒動のことです。新垣氏がカミングアウトするまでは国内の多くのクラシックファンの注目を佐村河内氏が集めており、特に交響曲第一番「HIROSHIMA」だったと思います。私の親類の中にも複数回演奏会に通ったものがおり、いたく感激しておりました。私も何となく評判を聞きつけて先ずはCDを購入しようかと思いネットの通販サイトで欲しいものリストに加えていたものの、何となく他に先に購入すべきCDがあると思い発注するには至りませんでした。

 そんな中で公共放送が佐村河内氏を取り上げたドキュメンタリー作品『魂の旋律〜音を失った作曲家〜』を見て、更に違和感が昂じたため購入優先度は更に下がったものです。そうこうする内に新垣氏がカミングアウトしたと思ったら、確かその日の内にネットの通販サイトでは購入できなくなったと記憶しています。当然著作権の問題で、おそらくJASRACが販売中止を要請したのか、著作権で後々もめるのが嫌で通販サイトが独自判断したのかまでは、今もって私は確認していません。ところが当該通販サイトでも米国や英国のサイトでは販売は継続しており日本から注文することも出来る状態が続いていました。また当時の私の判断としては、数か月もすれば100円ぐらいに値段が下がって大量にオークションサイトに出回るだろうと思っていました。しかし私の予想に反してむしろ価格にはプレミアムがついて高騰し、なかなか値段が下がらなかったことを覚えています。

 やっとネットのオークションサイトで100円とまでは行かないもののワンコインでもおつりがくるぐらいの出品があったので、ここまで価格が下がったのなら購入して見ようかと思って落札したのが、「無伴奏ヴァイオリンのためのシャコンヌ」です。表題作品の他に、「ヴァイオリンとピアノのためのソナチネ嬰ハ短調」と、「弦楽四重奏曲第一番」、「弦楽四重奏曲第二番」。そろヴァイオリンは全て大谷康子女史、四重奏は大谷康子弦楽四重奏団、ピアノは藤井一興氏。

 再生して一曲目の「シャコンヌ」の冒頭の音が耳に飛び込んできたところで、正直に言うと”なんだJ.S.バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ」に良く似てるじゃん、結局J.S.バッハの掌の殆どど真ん中辺りを飛び回って喜んでいる孫悟空ぐらいの作品か・・・”というものです。しかしこの印象は聞いていくうちに、直ぐにとは言いませんが徐々に変わって行きました。冒頭の印象がJ.S.バッハの”無伴奏ソナタとパルティータ”に似ているとしてもそれはJ.S.バッハも新垣隆氏も、それぞれがヴァイオリンという楽器の特性・特徴を十分に理解した上で自身の音楽を開花させているという、収斂進化の結果ではないかと思い直した次第。ちなみに収斂進化とは生物進化の結果、生物学的には類縁ではない種が似た様な形態を持つようになることです。例えばサメは魚類でイルカは哺乳類で、サメとイルカが類縁種とは言えませんが、外観はよく似ていますよね。

 演奏が進むにつれて、ワインの産地を呼ぶ”テロワール”というか、属知性というか、時間軸の違いよりも地球上の何処に位置するかによる相違がある様に感じられてきます。具体的にはJ.S.バッハの「無伴奏ソナタとパルティータ」は乾燥した風土が感じられます。それに比べると新垣「シャコンヌ」はより湿度が高いというかしっとりとした感覚がある様な。今の私では逆立ちしても演奏できるような曲ではありませんが、いつかこの曲を弾けるだけの技術を身に付けられたなら是非にも弾いてみたい曲ですね。今回ネットオークションで中古CDを購入したことでこの曲を知ることが出来ましたが、その後佐村河内氏と新垣氏(更にはJASRACも?)の間で著作権問題が解決したという様な話は聞いていないので、現在でもこの曲の楽譜を入手して演奏することは誰にとっても出来ないのでしょうか。まあ動画サイトには画像付きの音源が複数アップされているので、聞いて見たい人は何時でも聞ける状況にはあります。また、O村T洋氏というヴァイオリニストの動画も公開されていますが、著作権についてはどうなっているのでしょうか。ただ、著作権については仕事柄一般の方々よりは多少は理解しているつもりなので、別稿で一度著作権について私なりに整理しておきたいと思います。

 「シャコンヌ」、「ソナチネ」、「弦楽四重奏曲第一番」と「同二番」の四作品が収録されていますが、佐村河内氏の指示が最も薄く、新垣氏が自身の思いを最も自由に羽ばたかせて作曲したのは「弦楽四重奏曲第一番」だと思います。判りやすく言えば、現代曲的な雰囲気に最もあふれていると言えるでしょう。ところで、その”現代曲”ですらもはや100年ほど前の曲になっていますね。おそらく「弦楽四重奏曲第一番」を新垣氏が完成させて佐村河内氏に納品した後で、佐村河内氏から新垣氏に対して「弦楽始終消極第一番」はこれで良しとするが「弦楽四重奏曲第二番」についてはもう少し”現代音楽的”な印象を薄めて、もう少し保守的というかオーソドックスに仕上げて欲しいという要望が出されたのではないか、等と想像しています。いずれも新垣氏の人柄を反映した真摯で誠実な素晴らしい作品だと思います。まだ聞いていない方はゴーストライター問題は気にせずに、是非一つの音楽作品として聞いてみて下さい。


声楽とフルートの息使いの類似点と相違点

2017-05-04 22:47:36 | 器楽・楽器

 これまで声楽で息の支え方を習得しているのでフルートの吹奏は(比較的)簡単だという主旨のことを、何度も記して来たかと思います。といっても100%同じではなく感覚的にはかなり違うことがあるのも事実なので、今日は相違点についてまとめておこうかと思います。

 声楽では上手く息が吐けている時は、主観的にはまるで息を吸いながら歌っているかのような感覚になることがあります。あたかも息を吸いながら声を出しているかの様な感覚の時は、かなり良く息が吐けている証拠です。この感覚を実感する手前までの歌唱技術しか身につけていない人も多いかも知れません。少なくとも優れた指導者のレッスンを一定期間受けていない歌い手であれば、この感覚を一度も感じたことが無くても不思議ではないと思います。

 さて、歌ではあたかも息を吸いながら歌っているかの様な感覚を身につけている私ではありますが、フルートを吹く限りではこの”あたかも息を吸いながら吹奏している様な感じ”は一度も、一瞬たりとも感じたことはありません。もう一つの違いとしては、声楽の場合息を吸うという感覚は殆どありません。息を吐いたら息の支えを緩めるだけで必要な量の息が勝手に入ってくる、という感じです。しかしフルートを吹奏している時は、息の支えを緩めたら必要な量の息が勝手に入ってくる、という感覚も一度も、一瞬たりとも感じたことがありません。フルートを吹奏する際には、息を吐いたらその分かあるいはそれ以上の息を意識して吸わなければなりません。名フルーティストのCD等の音源を聞いても、結構大きいブレスの音が聞こえることがありますが、成程と思い当たるふしがあります。

 それから声楽では中音域などの息の支えをしっかり使わなくても歌えてしまう時は、息の支えを適当にサボっています。逆の言い方をすればここ一番で頑張らなければならない時に息を思いっきり支えるために、手を抜ける時は適当に手を抜きます。といっても正に”適当”に手を抜くのであって、完全に手を抜いているわけでもありません。歌う際は常に息の支えをしっかり行ってはいるものの必要十分なだけとなるようにメリハリをつけているといっても良いと思います。

 それに比べると、フルートの場合は全ての音域で常に最大限息の支えを維持していなければならないような感覚があります。この意味では声楽よりもフルートの方がはるかに息の支えが重用だとも言えます。フルートの音域は3オクターブと割れていますが、中音域の第二オクターブが比較的音を出しやすく、それよりも低くても高くても初心者にとっては音を出しにくいと言われていますし、実際にその通りだと思います。特に最低音域は太くてゆっくりとした息、しかし密度の高い息を優しく送らないと鳴ってくれません。特に音量を大きく吹くことが難しいです。

 最高音域側はいくつかの高次倍音を吹き分けていますが、私にとっては最低音域よりは最高音域の方が息のスピードと圧力さえ必要量以上に息を送れば、ある意味力ずくで楽器を鳴らすことが出来ます。ということで高音域の第三オクターブはピッコロの様な鋭い音色で、低音域の第一オクターブは深く柔らかい音色です。そして全ての音域に渡って音色を統一しようとして楽器を改良したのがベーム氏であり、また演奏家・教育者として他の楽器では見られない、フルートの教程に特有の全音域で音色の統一性を高めるための”ソノリテ”という、半音づつ音色を確認して下降と上昇を全音域で行う練習方法を提唱したのがモイーズ氏ですね。

 現在フルートを吹いていて最も欲求不満に感じるのは、音量の調整幅、デュナーミク、ダイナミックレンジが狭いことですね。特に最低音域は音は出せるものの強く吹こうと思っても弱く吹こうと思っても、殆ど音量が変化しません。最近のフルートは昔のフルートに比較して、初心者でも最低音域から十分に鳴らせるという評判も聞きます。新しい楽器だとどの程度最低音域を鳴らせるものなのでしょうか?楽器は自分で自分らしく鳴らせるように吹き込んで育てていくという様な性格がある様に思います。最初から軽くならせる楽器にはそのような楽しみがない様にも思うのですが、如何でしょうか?


プラスティック製の楽器とはどんなものでしょう???

2017-05-03 23:13:33 | 器楽・楽器

 最近プラスチック製の管楽器が販売されていますよね。サキソフォーンにトロンボーン、クラリネットにフルート。さすがにダブルリード楽器は無いようですし、金管楽器はトロンボーンに限られているのはスライドバルブやロータリーバルブの精度や摺動性がプラスチックでは無理だからでしょうか?それとも私が知らないだけでトランペットやホルン等も半暎されているのでしょうか?

 さて、高額な本格的な楽器も欲しいなと思っている一方で、プラスチック製の安価なフルートを買おうかとも迷い続けています。その心はズバリ、吹くためではなくいつも持ち歩いて暇を見つけて運指の練習をするためです。長らく声楽を勉強してきたかいがあってフルートを吹くための息づかいに必要な基礎体力は十分に身につけているようです。とはいえ声楽とフルートでは息の使い方が全く同じという訳でもないので、様々試行錯誤する必要はありますが、それでもレッスンでコツを掴めると数回の復習で直ぐに自分のものに出来るので、短時間で上達できるのが物凄く楽しいです。

 とはいえ、運指、指使い、フィンガーリングについては声楽には全くないことなので、私のフルートの上達においては、運指、指使い、フィンガーリングが最も重大な律速段階と言えそうです。となれば本来の楽器を吹いて音を出さないまでも、例えば頭部管は付けずに胴部管と足部管だけを組み立てて運指の練習をしても良い訳ですが、そこまで熱心ではない自分自身の適当さがちょうど良いのだと言い訳しています。一時期はネットオークションでジャンク品でも良いから、ピッコロを落札していつも持ち歩いて運指の練習に使おうかと思っていましたが、フルートに比べるとピッコロの絶対数はかなり少ない様で、ジャンク品でも最終的には結構な値がつくようで落札できずに今日に至ります。

 そこでつい最近になってあらためて検討しているのがヌー〇ォ社製のプラスチックフルートなのですが、¥3,000-程度の廉価版と、¥13,000-くらいの豪華版と2種類があってこれまたどちらを選ぶか考えあぐねています。廉価版の方はキィメカニズムは無しで半音階は一つの指先で二つの穴を同時に押さえるか片方の穴だけを押さえるかで吹き分ける様です。フルートの運指の練習に限定しても、このタイプでも練習出来なくはないと思っています。本格的な高級フルートを購入するのであれば、運指練習用のプラスチックフルートは少しでも安く抑えたいのでこちらの廉価版にしたいとも思います。

 ところが豪華版のプラスチックフルートでは、本格的なフルートと殆ど同じようなキィメカニズムがプラスチック素材?で再現されている様に見えます。ということで、DトリルキィとDisトリルキィも実際に動作するメカニズムとして用意されている様に見えます。DトリルキィとDisトリルキィは低音域(第一オクターブ)と中音域(第二オクターブ)ではトリル以外には全く出番がありません。高音域(第三オクターブ)であってもラまでは必要ないのですが、シ♭(ドイツ式でB、アメリカ式でB♭)から上では重要なキィになるんですね。そして今の私が運指、指使いを練習したいのがまさしくこの高音域(第三オクターブ)のシ♭から上の領域なんですね。

 ヌー〇ォ社製プラスチックフルートの豪華版¥13,000-程度の楽器のDトリルキィ、Disトリルキィは本格的な楽器と同様に動作するものなのでしょうか? ご存知の方がいらっしゃったら是非お知らせください。 ゴールデンウィーク中にどこぞの楽器店などで実物を触って確かめるのが一番でしょうね。しかしネットオークションのフルートのジャンク品を最低価格で落札する方が安く入手出来る様な気もします。

 フルートに限らず他のプラスチック製の管楽器を吹奏した経験のある方、是非コメントをお寄せください。


良い楽器の条件とは?

2017-05-01 21:57:33 | 器楽・楽器

 フルートに限らず様々な楽器について大手の楽器店では、年に数回?様々なメーカーやモデルを取り揃えて、楽器購入予定者に吹き(弾き)比べさせてくれる販促企画を行いますね。そんなチラシが目に留まり、買うか買わないか全く決めていないのですがとりあえず予約を入れてしまいました。当然のことながら真っ先に予算額を聞かれたので”直ぐに購入するなら20万円ぐらいから頑張って30万円ぐらい、年末のボーナスまで予算として考える場合はその2倍程度”と応えました。まあサラリーマンとしては極めて常識的な線だと思います。

 その上でレッスンの際に竹先生に今度〇〇楽器の選定会に行くことにしました。どんな楽器を拭いてみたいかと聞かれたので、”オープンG♯”と”Eメカ”のあるなしは吹き比べてみたいといったところ、”オープンG♯”の楽器を使い始めると普通の”クローズドG♯”とは運指が変わってしまうので、アルトフルートやバスフルートを持ち替えて吹くことが出来なくなる(アルトフルートやバスフルートにはオープンG♯の楽器はない)とのことで、やはり先生に先に相談してから申し込めばよかった、と反省した次第です。また先生クラスの演奏家でも”Eメカ”はある方が安心とのことでしたが、何事も経験だから自分で確かめてみなさいとのことでした。

 という今日この頃ではありますが、改めて良い楽器の条件を考えてみました。殆どの人が思い浮かべるのは第一に音色の美しさでしょうか? 数万円の入門器と数億円のストラディバリウスのバイオリンを引き比べてどちらかを当てさせるというTV番組が未だに時々ありますが、音色に関して決定的な要素としては楽器よりも演奏者の力量ではないか、と思うようになっています。フルートに限定しても私が吹いている楽器を先生が吹くと随分と良い音色が鳴るのを何度も目の当たりにしています。ということは音色で楽器を選ぶのはあまり意味がないような・・・。というよりも私が吹けば5万円の楽器でも50万円の楽器でも同じ音しかしないような気もします。とは言え先生の楽器を吹かせてもらうと私が吹いても私の楽器よりは良い音がするような気もします。選定会で複数の楽器を吹き比べて音色の差を感じられるかどうか、楽しみである一方で感じられなかったらそれはそれでショックかもしれないし。まあ音色の差が感じられなかったら買わずに帰ってきます。

 それ以外の要素としては何があるのでしょうか?フルートであればキィの配列がオフセットかインラインかという違いもあるし、カバードキィかリングキィかということ、C足部管かH足部管か、この辺りは判る人には見た目で判るので、なんでも形から入る主義の私としてはリングキィ、インライン、H足部管で行きたいと思っています。あとは私自身の指の周りで問題があるかどうかだけですね。

 といったことを考えているうちに、実は最も大切な基準が他にある様な気がしてきました。それは音量です。プロのオーケストラプレーヤーが金のフルートを選ぶことが多いのも、音量が出せるからだそうです。フルートソロやフルートアンサンブルであればさほど気にする必要はないかもしれませんが、金管楽器や多人数の弦楽パート等と一緒に演奏するオーケストラのフルーティストにとってはなによりも大きな音を出せることが最大の選定基準と言ってもおかしくはないですよね。そしてこのことは必ずしもオーケストラのフルーティストだけの話ではなくて、声楽家、オペラ歌手の場合にも標準的なテクニックと声の美しさを備えていれば、声の大きい歌手の方が間違いなく高い評価を得るように思います。そして音質=音色も音程も後から演奏者のテクニックで改善の余地があるのであれば(当然あると思っています)楽器(すくなくともフルート)を選ぶ最優先の条件は大きな音量が出せることだと思うのでしょうが、如何でしょうか? 大きい音さえ出せれば小さい音も出せるのでダイナミックレンジ(デュナーミク)が広くなり音楽表現の幅も広がると思っています。なによりもフルートの練習をしていて今現在最も欲求不満なのがフォルテとピアノの差を巧く吹き分けられないことです。より大音量を求めて息を吹き込んでも音に成らずに空振りするだけですし、小音量を求めて吹き込む息の量を減らしていくとあるところから音が鳴らなくなります。

 フルートの先生に言わせると、松先生も竹先生も梅先生も口を揃えてフルートは吹き込む息の半分しか音にならない、最も効率の悪い管楽器だとおっしゃいます(それぞれ表現の仕方は違いますが)。シングルリードにしろダブルリードにしろ、あるいはリードの代わりに人間の唇を震わせる金管楽器にしろ、もしくは息が声帯を震わせる声楽=歌にしろ、フルーティストから言わせれば100%の息を有効に使っている、と言いたいのだろうと思います。しかし、それではフルートの場合はちょうど50%と言えるのでしょうか?吹き口のところで吹く方向と管体方向へと二つに分かれるから50%と言っているような気がします。息の流れが二つに分かれるから息の利用効率が50%ととは言えない様にも思うのですが、このあたりのことは宿題にさせてもらって、何かつかめたらその都度ご報告させて頂きたいと思います。

 ということで、フルートの選定会は大変楽しみなのですが、材質がどうのこうのよりも私にとっては吹き口の形状がもっとも重要なのかな、とおもった次第です。夏のボーナスでの購入は先送りして、暮れのボーナスまでには楽器を選ぶ自分なりの感覚を身に着けたいですね。


私のフルート練習の進度

2017-04-30 22:14:09 | 器楽・楽器

 見ず知らずの他人がする楽器の演奏技術に関する自己評価については、それをその通りに受け取って良いかどうか難しいですよね。日本人であっても自身の能力を過大評価する人もいれば過小評価する人もいますし、特に初心者の場合にはそもそも評価する能力を持っているのかどうかも確認する必要があるかも知れません。

 ということで、現在3人のフルートの先生のレッスンに通っていて、全ての先生から”声楽で呼吸法の基本が出来ているから上達が早い”という主旨の評価をいただいてはおりますが、一方で”フルートを始めて3か月です”ということも事実なので、フルートアンサンブルの団体などに仲間に入れて下さいというのも、余程上手くアプローチしないと門前払いを受ける可能性が高いとも心配しているところです。

 なので、どうやって現在の私自身の演奏能力を定量的に表せばよいかということを少し考えてみました。ピアノの場合には”バイエル”だの、”ソナチネ”だの、”ツェルニー”だのと、どの難易度の練習曲までは弾けるようになった、というのが割合客観的な指標ではないかと思いました。そうするとフルートの場合は古典的にバイブルともされているのはアンリ・アルテ(ス)の教則本ですね。一般的には第一巻を終わらせるのに1~2年、音大受験レベルが第二巻修了と言われているようです。で、私もアルテ(ス)の第一巻をド頭からやっていますが、楽譜は読めるし息の支えも出来ているしで、レッスンでもどんどん進んで行きます。現在レッスンVまでは殆ど問題なく、レッスンX辺りでも吹こうと思えば吹けたりします。松先生からはアルテ(ス)の第一巻は直ぐ終わるでしょうと言われていますし、竹先生と梅先生も私のレッスンではアルテ(ス)は直ぐに切り上げて何か曲をやりましょうということになります。私自身の自己評価でも、どう考えてもレッスンのスタートから半年かからずにアルテ(ス)の第一巻は終わらせられると思っています。練習時間さえ確保できればあと1か月程度で終わらせることも不可能ではないと思っています。

 とはいっても、最低音域は音は出るけれど楽器を十分に鳴らせているとは自分でも思っていません。まだまだ最低音域は楽器を鳴らせるようになりたいと思っています。また複雑な運指になると指が止まってしまいます。第二オクターブ(中音域)のレとミでは左手人差し指を開けたり閉じたりの動きが加わるので、初心者にとっては複雑な運指になると思いますが、この部分の運指については練習時間を重ねるにつれて少しづつですが確実に慣れてきているのが判ります。第三オクターブ(高音域)のソ♯以上の半音階が頭に全く入っていません。しかしアルテ(ス)のレッスンでもこの領域の練習曲に入って来ているので、私の様に声楽などで息遣いが出来ている人間にとっては、そうでない人が1年から2年かかる内容を半年かからずにフルートが吹ける様になると言っても良いのだろうと思っています。そのような方々のためにも、最低音域と最高音域もきちんと吹ける様に一日も早くなろうと、土日休日だけですが練習に励んでします。それにしても、レッスンで少しヒントを貰うだけでその後の復習で自分の演奏技術が確実に上がっていくのを実感できるのは本当に楽しいです。フルートを始めて良かった。

 ※アルテ(ス)と書いているのは、フランス語読みではアルテが正しいと思いますが、教則本の固有名詞としては英語読み?のアルテスでも一定周知されている様なので、ここではアルテ(ス)としました。