高校時代はクラブ活動で合唱に熱中するとともに、限られた小遣いで何とかオーディオ装置を買って、LPレコードを毎月1枚づつ買えるかどうかでした。高校卒業後は音楽活動からは離れてしまいましたが、その分アルバイト代をオーディオにつぎ込んでいました。とはいえオーディオ装置は住環境の方が決定的な要因なので、就職して独身寮に入っているまではそれほど高級な装置を買ったわけではなく、むしろソフトをそろえる方に力を入れていたでしょうか。結婚して分譲マンションを購入して、初めて高校時代からの夢だった、オーディオ評論家の故長岡鉄男氏が強力に推奨し多数の設計図を残した、バックロードホーンタイプのスピーカーエンクロージャーを自作して、長岡鉄男氏推奨のフォステクス社製の限定ユニットFE-108ESIIでシステムを組みなおしました。
再生音のあまりの違いに、所有していたCDソフトを全て聞き直したことを覚えています。とにかく再生される音源からの情報量が全くことなりました。ところで長岡鉄男氏が推奨していたのは、バックロードホーンタイプのスピーカーだけでなく、スピーカーマトリックスという通常のステレオアンプでフロントの左右とリヤの左右の4つのスピーカーを駆動して立体音響を再現することも紹介しています。長岡鉄男氏のホームシアター「箱舟」のメインのシステムも巨大な共鳴管タイプのスピーカー4組を用いたスピーカーマトリックスでした。
私も以前からスピーカーマトリックスの音場を体験したいと思い、メインのFE-108ESIIのバックロードホーンに組み合わせるべきリヤスピーカーを作りたいと思って来ました。スピーカーマトリックスは全てのスピーカーの特性をそろえることが極めて重要なので、同じスピーカーユニットを使うことが基本になります。さすがにバックロードホーンスピーカーのエンクロージャーを4本そろえることはなかなか難しく、これまで何回も挑戦してはその都度あきらめて来ました。とはいえスピーカーマトリックス自体は特性がそろったスピーカーが4本そろって、更にスピーカーのインピーダンスが低くても耐えられるアンプさえあれば簡単に組み上げられるので、メインのバックロードホーンのシステムとは全く独立に、スピーカーマトリックス専用のシステムをもう一そろい組むことにしました。実験的な意味合いが強いので、フォステクス社製の最も安価な8㎝フルレンジスピーカーのP800Kと専用のバスレフエンクロージャーを4組購入し、ネットオークションでアンプとCDプレーヤーを購入しました。
フロントはメインのバックロードホーンスピーカーのエンクロージャーの上に仮置きし、リヤはリスニングポイントの左右に配置して、さっそく聴いてみました。マルチマイクで録音し、左右の定位をミキシング装置で様々に加工したほとんどの音源ではあまりスピーカーマトリックスの音場感は感じられません。それでもフロントだけの通常のステレオ再生よりはスピーカーマトリックスで聞いた方が、音質が良くなった様に感じられます。極力シンプルなワンポイントステレオマイク録音の音源を探してスピーカーマトリックスの音場感を確認したいと思っていますが、その様な音源を探し出すことが難しいようです。また仮置きでなくマトリックス用のスピーカーを固定しようと思い、天吊り金具を4つ購入しています。年内にはマトリックススピーカーの天吊り位置を決定して、年末年始の休みの間にマトリックスの効果を確認できる音源を見出したいと思っています。
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