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生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

VASILEV  KJUSS  AMURSKIE VOLNY 詩:ワシレフ 曲:キュッス   アムール河の波

2014-12-13 23:47:38 | 雁部一浩
 オホーツク海へそそぐ世界10位の大河アムール川を歌ったロシアの合唱曲です。ロシアでは軍隊の男声合唱団が歌うのが正統なスタイルの様です。日本では普通の合唱団が優れた合唱曲として歌ってもいますが、歌声運動の流れの中でも合唱曲として歌い継がれているようです。混声合唱名曲集というような曲集に掲載されています。異なる編曲の版が少なくとも2つ、現在日本で入手できる楽譜として存在しています。動画サイトで検索すると日本の合唱団による主に混声のものと、ロシアの軍服に身をつつんだ男声合唱の音源が多数見つかりますが、その他に中国の黒龍江省の合唱団による混声合唱の音源(中国語)も多数見つかります。そうなんです、アムール川は中ロ国境を流れていて、中国名は黒竜江なんですね。

 滔々と流れる大河を描写した伴奏に、ハーモニーの魅力、また男声と女声との、あるいはパート間の掛け合いの魅力、中には男声合唱をバックにしたテノールのソロもあり、発展期にある国の国家建設の喜びを歌い上げている名曲だと思っています。合唱から離れていた学生時代に先輩に連れて行かれた歌声喫茶で初めて聞いて、一回で耳に残り何となくメロディーを口ずさんでいたりしましたが、何時かはきちんとした合唱で歌いたいと思っていました。合唱を再開して会社の男声合唱のサークルに参加するようになり、その男声合唱サークルがいつの間にか混声合唱になっていたことで、ころあいを見計らってアムール河の楽譜を配ってみたところ、知っているメンバーも多く、知らないメンバーも覚えやすいメロディーや曲全体の雰囲気等から、全く異論が出ずに取り上げてもらうことが出来ました。社内の会議室を使ってのコンサートで歌いましたが、評判は悪くなかったです。

 ということで、まがりなりにも一度本番で仕上げた曲になってはいますが、動画サイトにあるロシアでの演奏形態の様な、男声合唱で歌ってみたいという思いは残っています。当然その時はロシア語で歌いたいですよね。そうそう、その動画サイトのロシアの音源なのですが、ロシア人のバスは半端ではないですね。普通のバスのオクターブ下ぐらいまで歌える”オクタヴィスト”と呼ばれるような飛びぬけた低声の持ち主がロシアには珍しくないようで、日本人ではなかなかあのようには行かないでしょう。そうすると日本人としては混声合唱の魅力を生かす方が正しい選択肢の様にも思えます。動画サイト上の黒龍江省の方々の中国語版アムール河も混声合唱が殆どだったようです。


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 さて宣伝です。詳細は未定ですが12月28日(日)13:00~16:30 日暮里サニーホールのコンサートサロンにて大人の学芸会の弾く忘年会があります。

 シューマンの連作歌曲「詩人の恋」を1曲目から持ち時間の許すまで歌う予定です。おそらく1曲目から4曲目乃至6曲目ぐらいかと思います。

 詳細はわかり次第お知らせしますので、このブログに興味を持たれた方、是非聞きにいらしていただければ幸いです。

室生犀星  雁部一浩  SONG PIECES Vol.1  室生犀星詩集による歌曲集

2014-09-13 10:55:50 | 雁部一浩
   1.夏の朝
   2.わかれ
   3.こころ
   4.故郷の歌
   5.寂しき春
   6.友に璵えて

 室生犀星については、今さら私ごときが説明する必要はないでしょう。唄われることを前提にした詩=歌詞ではない詩として、最も唄われる詩を書いた日本人の詩人は室生犀星ではないかと思っていますが、如何でしょうか。ちなみに http://www.geocities.jp/scaffale00410/saisei1.htm ←このULRを見ていただくと”室生犀星 誰がどの詩に作曲したか ”というコンテンツが見られます。

 私が確認した限りでは、1.夏の朝、2.わかれ、4.故郷の歌、5.寂しき春、は抒情小曲集の中の詩です。4.故郷の詩は、抒情小曲集の中の小景異情その二「ふるさとは遠くにありて思うものそして悲しくうたうもの」です。

 雁部一浩氏は作曲家であるとともに優れたピアニストの様です。どこかの音楽大学の教授陣なのか、若手ピアニストのプロフィールに雁部一浩氏に師事という記載を見ることもあります。 http://k-gambe.blog.so-net.ne.jp/archive/c2300541594-1 ←こちらのURLに雁部氏のリリースされているCDの一覧が見られます。ご覧頂ければ判るとおり、「平野忠彦が歌う雁部一浩の世界」と言うCDがあり、その中に「寂しき春」が収録されています。ほんの数秒ですがサンプル音源を聴くことも出来ます。このサンプル音源の他には、このCDを購入していただく以外に、雁部一浩の「室生犀星詩集による歌曲集」を聞いていただく手段は見つけられていません。

 では何故私がこの歌曲集を知っているかと言うと、今、私の手元に当該歌曲集の楽譜があります。長らく探し続けていましたが最近になって漸く見つけて入手できました。書誌を見ると1975年の8月10日発行となっています。私が合唱を始めた頃に重なります。日フィル解散前最後の定期演奏会での小沢征爾指揮のマーラー交響曲2番「復活」の録音テープを貸してくれた友人が、知らない作曲家による日本歌曲集の楽譜を貸してくれました。さらっと音取りをして、誰かしらに伴奏してもらって何回か歌ったのでしょうか。”誰が聞いても綺麗な旋律ね”というような曲ではなく、10人の内3~4人ぐらいは変な曲と言うかもしれませんが、高校生だった当時の私の感性には”渋くて格好良い”と感じられました。特に2曲目の「わかれ」が一番心に残りました。その楽譜集を返してそれっきり忘れていましたが、忘れた頃に、あの歌はいい歌だった、また歌いたいと思い出したものでした。そして声楽のレッスンを受けるようになり、イタリア歌曲だけでなく日本歌曲を歌う機会があるときなどは、あの曲を歌いたいとは思うものの、誰の詩かも、誰が作曲したかも失念して、楽譜の探しようもありませんでした。それでも難度もインターネットでグーグルと様々に取っ組み合いを続けていました。

 「わかれ」の歌詞だけは覚えていたので、何度か歌詞をキィワードにググりました。今時の検索エンジンは優秀で、歌詞の一部を放り込むとその曲が何と言う曲かかなりの高率でヒットしてくれるものですが、「わかれ」はなかなか出典にまでたどり着けませんでした。それが最近になって検索エンジンのロジックが改良されたのか、コンテンツの側に変化があったのかは判りませんが、「わかれ」が間違いなく室生犀星の叙情小曲集の中に収録されている詩であることが確認できました。そして嬉しいことに私が覚えていた詩は一言一句間違いなく、100%完全に抒情小曲集に修められている「わかれ」と一致しました。そこから検索を続け確か作曲家は雁部何某だったなと記憶をたぐりよせ、終に芸術書専門の古書店に楽譜集の在庫があるとの情報に行き当たりました。いやあ本当に良い時代になったものです。現在のインターネット環境がなければこの楽譜集は入手出来なかったし、それ以外にも現在のコンピュータ環境が無ければ歌の練習もままなりません。

 さて、雁部一浩の「室生犀星詩集による歌曲集」は全てパソコンで音源化して、何時でも歌える様にしているところです。どこかで歌う機会が出来た時は、このブログ上でお知らせしますので、是非渋さの光る雁部一浩の室生犀星詩集の世界を、拙い私の歌ではありますが、お聞きにいらして頂ければ幸いです。