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生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

Olivier Messiaen  Harawi, chant d'amour et de mort  オリヴィエ メシアン  ハラウィ - 愛と死の歌

2014-11-22 23:41:17 | メシアン
 現代フランスの作曲家と言えば、オリヴィエ・メシアンの名は大分以前より知っていました。トゥーランガリラ交響曲は既に学生時代にCDを購入して聞いていたと思います。フランス歌曲を自分で歌うようになってメシアンの歌曲の輸入版CDも購入して聞いています。それが「ハラウィ・愛と死の歌」です。第一印象は所謂現代音楽のステレオタイプで、なるほどメシアンは歌曲でもこんな感じの作品を書くんだ、ということであまりピンと来ませんでした。その後他のフランスの作曲家の歌曲を色々聞き込み、また時々メシアンの「ハラウィ」を思い出したように聞くうちに、耳が馴染んできたと言うのでしょうか、違和感が無くなり、むしろ心の中に沁みこんで来る様になりつつあります。

 メシアンは当然のことながらWikipedia日本語版に項目が出来ていますが、歌曲作品については殆ど解説がされていません。また没年が1992年なのでペトルッチ(IMSLP)のサイトにはオルガン曲でしょうか1曲だけが公開されています。また頼りの「梅丘歌曲会館」でもメシアンの項目はありません。

 それでもインターネットをあちこち彷徨っていると、「ハラウィ」とはインカ帝国の言葉らしいこと、病気のために意志の疎通が出来なくなったメシアンの妻クレールへの思いを歌っているとか、まさに”愛と死の歌”であるらしいことが判ってきました。確かに鬼気迫るものがあります。病に冒されていく妻を歌った歌と言うことを認識しただけで訴求感とでもいうのでしょうか、訴えかける力が何倍にも強くなって来ます。生半可な気持ちでは向き合えない、目を背けたいけれどそれは許されないと言う切羽詰ったもの。メシアンの作曲力によって「ハラウィ」という歌曲にはそのようなせつなく重く切羽詰ったものが結晶化しているのでしょう、何となく聞こうとする聞き手を拒絶する峻厳さが具現化していると思います。この曲を聞くためのスタートラインにようやく立てた段階だと思います。時間をかけて少しづつでも情報をあつめ、勉強して、メシアンの思いを理解したいと思います。