ラーメン好きです。尿酸値が高いので医者からはなるべく控える様に注意されていますが、豚骨ラーメン大好きです。お気に入りは以前にも紹介しましたが、JR横須賀線の保土ヶ谷駅のロータリー傍にある「ほどが家」さんの塩豚骨ラーメンです。一押しです。兎に角スープがクリーミーでまるで極上の牛乳の様です。いつもチャーシュー麺にホウレン草をトッピングしています。
さて、その他に担々麺も大好きです。特に紅虎餃子房の黒ゴマ担々麺の山椒タップリのパンチの聞いた味が好きですね。少々入れ過ぎで舌先がびりびりするほどではありますが、他の店では味わえない独特な世界観を体現していると思います。なお今までのような暑い時期は麻辣担々麺を選びがちですね。
その他に中華系の麺物で好きなのが酸辣湯麺です。辛いというよりも酸っぱいので、これまでの様に暑くて食欲がなくなる時期でもOkですし、寒い冬でもあったまりますし、時期を選ばないオールシーズンメニューですね。で、なんでいきなり酸辣湯麺かと言うと、毎日通勤に使っている駅近くのラーメン店がいつの間にか入れ替わっていて、中国人の方がやっているお店になっていました。先日、取り合えず味の確認の積りで入店して、さて何にしようかと思ったところで酸辣湯麺が目に留まり注文しました。本場中国の酸辣湯麺はこういうものなんだろうなという、スープと麺と餡とがあまり馴染んでいなくて、それぞれが独自性を主張しているような、少々バラバラというかギクシャクとした味の印象ではありました。ところが食べ進めるうちにそれぞれが程よく入り混じってどんどんハーモニーが整って行きます。食べ終わるころにはその統一感が充実感を伴った何とも言えない優しさで余韻を残してくれます。中国人が調理する本場の中華料理の麺メニューについては、古いスタイルに固執しすぎているという様なイメージを持っていました。今回食した酸辣湯麺も正にその様な本場中国のクラシックスタイルの酸辣湯麺そのものなのだろうと思いましたが、なかなかに心地よく中国4000年の歴史を再評価した次第です。
そこで思い至ったのが、担々麺であれほど山椒を利かしたパンチのあるオリジナル担々麺を提供している紅虎餃子房なら、酸辣湯麺はどのような味だろうか?ということです。振り返ってみれば、紅虎餃子房ではこれまで一度も酸辣湯麺は食べていませんでした。そこでわざわざ酸辣湯麺を食べに行ってきました。やはり紅虎餃子房の酸辣湯麺は、中国4000年の歴史を代表する味とは別物で、紅虎餃子房のオリジナリティに溢れる仕上がりになっていますね。と言うことは日本人向けにそうとう研究して紅虎餃子房なりの酸辣湯麺を提案しているのでしょう。とは言え、当然酸味が主の味の組み立てになっています。初めから最後まで味が変化していくという印象はありません。その点では最初の一口で感じた印象が最後まで変わらないので、安心して食べられるとも言えますが、最後の方ではやや飽きてきますね。
その点、最寄り駅の駅ビルの地下にある中国人のお店の酸辣湯麺は、最初の一口はスープと麺と餡がバラバラな印象なのに、食べ進めるとハーモニーが押し寄せてくると言う点で、何度でも食べてみたいと思うのはこちらの方ですね。
音楽にも相通じるところがあると思うのは、第一印象が良い作品と言うのは、えてして最後の方では飽きがくる。最初に何だこれは???と思いながら聞いている内に、本当の傑作と言うべき作品は印象がどんどん変わって行って、最後には虜にさせてくれる。そういうものではないでしょうか。