一昨日はブログをアップするのを失念し、昨日は我ながらいささか重い内容だったので今日は音楽;ヴァイオリンの話です。
ヴァイオリンのレッスンに行って来ました。60歳定年を迎えて5年間定年延長するとしても収入が減るのでこれまで通りの音楽活動を続けられるかどうか不安に思っていました。定年を機会に個人で起業すると今よりも収入が増える可能性が小さくなさそうであることが分かったので、これまでは考えていなかったヴァイオリンのグレードアップについて先生に相談してみました。
すると弦楽器専門店内のヴァイオリン教室ですから、先生が直ぐにお店のスタッフに声をかけて、さっそく幾つか試奏させてもらいました。
イタリアン・オールドや新品の楽器に比べると、ジャーマン・オールドやフレンチ、東欧製等のオールド楽器の方がこなれた価格なので、直ぐに試奏できるヴァイオリンの内最も廉価、といっても20万円台の入り口のフレンチ・オールドと、20万円台後半のジャーマン・オールド3本の中からスタッフの方に選んでもらったお勧めの一本と、先ずは仏独弾き比べです。自分でも試奏しましたが、主には先生に有名な曲の冒頭部などを色々弾き比べて頂きました。テレビ番組などで〇億円のストラドと〇万円の入門器のブラインドテスト等は何度も観(聴)く機会がありましたが、自分自身で、あるいは直近で先生に生で弾き比べてもらうのは初めての経験です。で、最初の印象ですが、ワインのティスティングと同じで、まともなショップであれば商品の価値と値段とはかなりしっかりした比例関係にある、と言うことです。
つまり、最初の仏独対決については価格の差の通り僅かではありますが、私でもはっきりわかる差があって、独逸製の勝利と判定しました。私個人であればこれで終わりだったかと思いますが、先生が次いでだから同じ価格の他のジャーマン・オールド2本も試奏して3本の中から選んだらどうか、と提案して頂きました。で、3本の内1本は比較的直ぐに選外と判定でき、残るはスタッフお勧めの最初の一本と後から追加したもう一本との勝負となりました。最初にスタッフから勧められた楽器は明るく優等生的で、後から候補に追加した楽器は先生の言葉で言うと「ヴィオラ」に近い感じがするとのこと。私自身の言葉ではスタッフ推薦の楽器は女性的で先生曰く「ヴィオラ」的な楽器は男性的、重心が低く渋めの音という感じかなと思い、「ヴィオラ」的な方を勝ちにしようかなと思ったところでスタッフ中のマイスターに登場いただいて、それぞれの楽器について説明を受けたところ、優等生的、女性的、「ヴィオラ」的ではない楽器の方が、全ての音域で音に芯があってお勧めとのこと。そのアドバイスを聞いた後で再び先生に弾き比べてもらい、最後は私は壁を向いて先生がどちらの楽器から試奏するかわからない状況にしたブラインドテストを行ってもらったところ、確かに全ての音域にわたって音に芯がある楽器の方が良いことが聞き分けられ、ブラインドテストでどちらの楽器であったのか正解することが出来ました。
残念ながら今回は試奏のみだけで購入には至っていませんが、企業の具体化・準備を進めて家族の理解も得られれば、今回の楽器を(その時点で売却されていれば、再度先生に選定して頂いて)購入したいと思っている次第です。
ついでに現在のスズキ製のヴァイオリンを下取りしてもらえるかどうかスタッフマイスター氏に相談したところ、遠目から一瞥しただけでスズキ製ですね、しかもこのモデルは国内販売されていないはずだけれど何処で購入したのですか?と聞かれてしまいました。通販で購入したと素直に回答しましたが、ケースや弓、ロジン(松脂)等の付属品なしで本体のみの交換という条件で1万円とのことでした。この金額は楽器の価値というよりは、音楽教室の生徒に対する割引と捉えた方が適当かなとは思いました。
その際にスタッフマイスター氏から聞いた話では、私が現在使っているスズキの入門器等の大量生産品は、薄い板をプレスして表板と裏板のカーブ、アーチを整形しているそうですが、今回試奏させて頂いた楽器は分厚い板からカーブ、アーチ形状を削り出しているのだそうです。なので入門器クラスのプレス成型品では、無理やりに板を湾曲させているので、木の繊維が細切れに切断されているので響きが悪くなるのだそうです。その話を聞くまでは入門器は厚板からカーブ、アーチ形状を機械で削り出していて、高級品は職人が全て手作業で削り出しているのかと思っていましたが、そうではなかったのですね。
私ごときレイト・スターターの超初心者でもプレス成型品に比べて20万円台であってもオールドヴァイオリンの音色が良いのは一目ならぬ一耳で判ります。ということは、〇億円のストラドと〇万円の入門器を弾き比べれば、弾いている本人は間違いなくその差を分かっていると確信しました。また狭い練習室内で先生に弾き比べてもらえば同じ価格の楽器の僅かな音色の違いを私でも聞き比べられることが分かりました。では何故、これまでに何度も、そしておそらくこれからも、〇億円のストラドと〇万円の入門器との違いを聞き分けられないか?という疑問が残りますが、おそらくは演奏空間が広くて反射してくる間接音が増えるに従って、つまりがその楽器あるいはその演奏者からの距離が離れると急速に音色がある意味鈍ってしまうということではないかと思った次第です。
それから楽器自体の違いもそうですが、弦が異なれば当然音も変わる訳で、無理して高い楽器を買って弦をケチるよりはほどほどの楽器を購入して弦や弓や弓毛、ロジン(松脂)等への投資をケチらないことも(あるいはことの方が)重要だと思います。フルートもそうですが、やはり専門家がきちんと調整した楽器であるかどうか、メンテナンスを怠らないことが良い音を出すには必要不可欠ですね。私の弓毛について交換した方が良いかも質問しました。どれくらい使っているかと聞かれたので一年近くになるけれど演奏時間としては微々たるものと答えたところ、まだ大丈夫でしょうとのことでした。初心者に判断できることでは無いので、やはりきちんとした先生のレッスンを受けなければ上達もしないし、楽器本来の音も出せないものとつくづく思いました。