昨日紹介したシューマンの「静かな涙」に続いて、トーマス・ハンプソンのCDから、アデルベルト・フォン・シャミッソーの詩5編に曲をつけた「5つの歌曲 作品40」から第2曲「母親の夢」です。ハンプソンのCDでは作品40の「5つの歌」から3曲を選んで収録しています。CDでの1曲目は歌曲集の2曲目になる「Muttertraum(母親の夢)」ですが、部分的に伴奏のピアノが和音を奏でる部分もありますが、殆どは右手が単音の分散和音、左手が単音のオブリガートという感じで、非常に音が薄いです。歌う立場からすると和声感を感じにくくて、慣れるまでは非常に歌いにくいと思います。ペトルッチ(IMSLP)のサイトで楽譜は公開されています。僅かに2頁の曲で4分の2拍子、右手の分散和音は16分音符で書かれていますが、テンポがゆっくりなのでせわしい感じは全くありません。ニ短調という珍しくない調で書かれていますが、臨時記号が頻出して調性感は怪しいとまでは言えないかも知れませんが、かなり不思議な心もとない感じですね。
歌詞については梅ヶ丘歌曲会館に日本語訳が記載されていて、なるほどそう言うことかと納得させられる結末ではありますね。作品番号から考えても、「リーダークライス作品39」や「詩人の恋作品48」と同じシューマンの歌曲の年1840年に作曲されていると思われます。インターネットの動画サイトを見ても、「リーダークライス作品39」や「詩人の恋」の方が遥かに多くの音源がアップされていて、「作品40」は間に挟まれてあまり認識されていないようですが、それでもいくつかの音源はアップされています。女声やテノールの音源もありますが、やはり男声中声または低声の柔らかい歌唱でこそ聞いてほしい作品だと思います。何れ歌ってみたい曲のリストに記載しておくこととしました。
今度の週末は、シューマンの「作品35」と「作品40」のそれぞれ全曲をじっくり聞いてみたいと思っています。