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生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

Ernst Toch    Geographical Fugue      エルンスト・トッホ   地理的なフーガ

2014-11-20 21:48:37 | エルンスト・トッホ
 動画サイトでエルンスト・トッホを検索すると、声楽作品として最も多数の音源がアップされているのがこの「地理的なフーガ」の様です。ラヴェルの「マダガスカル島民の歌」を思わず思い出してしまいます。「マダガスカル島民の歌」には人種差別的な雰囲気が無きにしもあらずですが、トッホの「地理的なフーガ」には人種差別的な雰囲気は全く感じません。それにしても完全な冗談音楽でしょう。動画サイトの音源(画像)を見ると大編成の合唱団がそれなりに真面目に歌っているものもありますが、小編成としては男声のみ、女声のみの四声がミニマムで、それ以上は様々なヴァリエーションで歌っています。小芝居をしながら歌ったり、中にはヴォイス・パーカッションを取り混ぜて演じているものもあります。最初に聴いた音源が大編成の合唱団のものだったので、芸能山城組の「ケチャ」を思い出したりもしました。

 世界中の国や都市の名前が入れ替わり歌われ(叫ばれ)ています。最初がトリニダードなので、「地理的なフーガ」という曲名の代わりに「トリニダード」と呼ばれることもあるようです。日本の地名も最後のほうで出て来ます。「NAGASAKI」と「YOKOHAMA」です。ペトルッチ(IMSLP)のサイトでは楽譜は公開されていませんが、Amazon.USAやAmazon.UKでは複数の出版社から楽譜が販売されているようです。海外に発注して楽譜を購入するとしたら、この曲の楽譜の前にもっと欲しい曲は幾つもあるので、「地理的なフーガ」を発注する日が来るのは何時のことになるでしょうか。

Ernst Toch Die Chinesische Floet, op.29   エルンスト・トッホ  中国の笛 作品29

2014-11-19 22:39:39 | エルンスト・トッホ
 つい最近まで、少なくとも一週間前まではエルンスト・トッホという名前は知りませんでした。インターネット上のオークションサイトでCDの声楽曲を渉猟している時に、ヒンデミットの作品とカップリングされているCDが出品されていたのを落札しました。

 エルンスト・トッホはWikipedia日本語版に載ってはいますが、簡単な記載しかなく情報が限られています。それでも引用させて頂くと、1887年にウィーンに生まれ、ウィーン大学で哲学、ハイデルベルク大学で医学を学び、作曲は独学。ユダヤ系であったためナチスが政権を取るとアメリカに亡命。ナチスから退廃音楽として作品の演奏を禁じられたとのこと。第二次大戦後もアメリカに留まり1964年にカリフォルニアのサンタモニカで死去。

 インターネットの動画サイトでエルンスト・トッホで検索すると結構な数の音源が出て来ますので、けっしてマイナーな作曲家ではなさそうです。但し多くは弦楽四重奏その他の器楽作品のようで、声楽作品は多くはなさそうです。「中国の笛」は、マーラーの「大地の歌」と同じハンス・ベートゲの翻訳詩集にテキストをとった連作歌曲と言うことです。が、連作歌曲と言っても僅か3曲。しかも1曲目と3曲目は10分以上ありますが、2曲目の「ネズミ」は僅かに1分半程の作品です。1曲目の「不可解な笛」と3曲目の「緩やかな人間(???)」は何れも長い前奏と長い後奏に挟まれた中間部にのみ歌が入り、中間部は殆どアカペラかアカペラに近い極めて薄い器楽伴奏です。ある種異様な、若干不気味なサウンドにも聞え、小学校低学年ぐらいの気の弱い女の子なら十分怖がる様な雰囲気があります。特定の種類の映像を想起させる力があるので、映画等の特定のシーンにはめ込むのにぴったりと言う気もします。 残念ながらペトルッチ(IMSLP)には弦楽四重奏1曲のみしか公開されておらず、「中国の笛」の楽譜が入手可能かどうか定かではありません。 得られた情報は少ないのですが、「中国の笛」を収録したCDは複数販売されているようで、その中の解説等を読んでみると”14 の独奏楽器とソプラノのための室内交響曲「中国の笛」Op.29”とされているので、オーケストラは14人編成と言うことでしょうか。おそらく打楽器奏者一人では間に合わない数の打楽器も入っています。フルートは大活躍です。ヴァイオリンとチェロは少なくとも一人づつはいます。ヴァイオリンは複数いるかもしれません。コントラバスも居そうです。それからバスクラリネットですね。バスクラリネットは普通のクラリネットと持ち替えているかも知れません。

 この曲は絶対に生で聴いて見たいです。生で聴けなくても実際に演奏している映像を見てみたいですね。今年がちょうど没後50年なんですね、どこかで演奏会ないかしら。