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生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

弦楽器の分数楽器

2017-06-16 22:37:09 | 器楽・楽器

 ヴァイオリンとチェロには分数楽器というものが存在します。これは楽器の大きさを指しています。二分の一とか四分の三等の大きさの分数楽器が存在します。体(腕や指)の小さい子供が練習するための小さい楽器ということですね。ところがヴァイオリンとチェロの間に位置するヴィオラには分数楽器は存在しません。ヴィオラの場合は大人であっても大きめの楽器を選んだり小さめの楽器を選んだりと言うことでボディサイズをインチ表記で表しています。確認してはいませんが弦バス=コントラバスもボディサイズにバリエーションがあるようで、日本人の弦バス奏者は小ぶりなサイズを選んでいるという話を聞いたような聞かないような。

 弦バス=コントラバスはボディの肩の部分がなで肩で、正確にはヴィオール属で調弦も4度音程となっています。ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロはボディの肩の部分はいかり肩で、こちらがヴァイオリン属で調弦は5度音程となっています。弦バス=コントラバスの調弦をとなりあう弦同士の音程を5度となるようにとると、余りにポジションの間隔が広くなりすぎて普通の人間には弾けない、ということがあるそうです。

 ヴァイオリンは16世紀から17世紀頃に殆ど完成された形で登場した、とも言われていますが、ヴィオール属であるヴィオラ・ダ・ガンバ等の楽器から進歩したと考えられるのではないでしょうか。ヴァイオリンという名前自体が「小さい」を意味する接尾語をヴィオラの後ろに付けたことに由来するそうです。初めにヴィオラありきということですが、その割にはヴィオラの楽器サイズにはバリエーションがあるのに、ヴァイオリンとチェロのフルサイズの楽器はサイズが決まっていて、子供用には分数楽器が存在するというのは面白いですね。


マンドラ

2017-06-10 22:01:07 | 器楽・楽器

 数年前まで勤務先の企業にマンドリンクラブがあった様です。勤務先でクラブ活動に割り当てられているロッカーの中にマンドリンとマンドラ、ガットギターが複数台づつ保管されていました。しかし何時活動休止になったのか全く判りません。勤務先の模様替えでクラブ活動用のロッカーを整理する必要があり、楽器の整理が必要となりました。程度の悪いものは止む無く廃棄し、程度の良いマンドリンとマンドラ、ギターを自宅に持ち帰りました。持ち帰った当時はオペラの舞台に立つ気持ちが十分にあったころなので、オペラの小道具に使えればという意図からです。

 今はオペラの舞台に立つ気はないので、自宅に置いておいてもはっきり言って邪魔者です。いっそ捨てるかとの思いもありますが、やはり捨てるのはどんな楽器でも忍びなく、ギターはネックが反って弦高が高くなっていて、かなり弾きにくい状態です。ネックの調整さえすれば弾きやすくなるかもしれません。表板に蝶の形のインレイが施されていて遠目にはお洒落なガットギターです。

 マンドリンとマンドラはいずれも古い楽器ですが、マンドラはSUZUKIのラベルが貼ってあるのでスズキバイオリンのスズキかもしれません。かなり古いですがモノそのものと状態は悪くないようで、少なくともマンドリンとギターに比べればマンドラが最も魅力的に思われます。

 マンドラという楽器はマンドリン族でマンドリンの下の音域を受け持っているというのが私の認識です。マンドリンクラブ、マンドリンオーケストラ等でマンドリンの隣に位置して、更にマンドラのマンドリンの反対側にはより低音域を受け持つマンドリンセロ(マンドリンチェロ)が並ぶようです。さてそのマンドラですが、マンドリンの5度下のマンドラ・コントラルトと、マンドリンの一オクターブ下のマンドラ・テノーレの二種類があるようです。私が勤務先から持ち帰ったマンドラは大きさから言って、マンドラ・コントラルトの様に思われます。

 ほしい方、使っていただける方、関東圏の方であれば差し上げますので、もらっていただけませんか?


ザビエル・モンサルヴァッゲ Xavier Montsalvatge

2017-06-09 23:03:06 | 器楽・楽器

 以前、インターネットのオークションサイトで落札したCDで、手元に届いた直後を含め複数回聞いていたCDがあります。今日たまたま聞き直したところ、妙に心に滲みてきました。ブランドは例によってNAXOS。無名の作曲家の作品や、有名な作曲家でも演奏頻度の低い作品を優先してアルバムリリースしている老舗の拘りブランドですね。

 さてその作曲家は誰かと言えば、スペインというよりも、画家のパブロ・ピカソやチェリストのパブロ・カザルスと同郷のカタルーニャ人でのザビエル・モンサルヴァッゲ(1912-2002)です。没後15年で日本でも著作権が切れるまでまだ35年もあるため、ペトルッチ(IMSLP)に楽譜がアップされている筈もないと思い、確認していません。しかし、少なくともスペインでは名前が通っているようで、ネット上の動画サイトには多数の音源がアップされています。

 声楽曲と器楽曲とを取り混ぜて11曲収録しているアルバムなのですが、その中の「Serenata a Lydia de Cadaques」はピアノ伴奏つきのフルートの独奏曲です。フルートを吹く前に聞いたときはそれ程の印象を与えてくれなかったのかもしれませんが、そこそこフルートが更ける現在、この曲は右の耳から左の耳に聞き流してお仕舞い、という訳には行きません。冒頭は同じ音程でフラッタータンギングやスタッカート等のアーティキュレーションが迫ってきます。この様にリズムの変化が激しい時は案外テンポは淡々と刻んでいるようですね。リズムとテンポが同時に乱れたら何が何だか分からなくなりますものね。異なる音程が登場しだしたころは、まるで邦楽の尺八を彷彿とさせるようなメロディーが続きます。とは言えそこは良くも悪くもフルートというモダン楽器ですから、尺八の世界からは直ぐに離れて西洋音楽の世界に戻ってきます。とは言え古典派やロマン派の調性感の支配する世界ではなく、モンサルヴァッゲが生きた20世紀の現代音楽の息吹が伝わって来ます。この曲フルート演奏家であればその存在を認識して演奏される機会を増やしても良いと思います。

 フルートを始める前に落札したCDなので、落札時は間違いなく声楽作品を目当てにしていました。このアルバムの中にはカザルスが国連の特別演奏会で演奏したカタルーニャの「鳥の歌」も収録されています。スペイン語あるいはカタルーニャ語だと思いますが、ソプラノの歌唱が含まれています。その他にも疲れた心に染み入ってくる声楽作品も複数あります。声楽作品については改めて紹介させていただきます。


楽器の鳴りとは 素材=固体の中の音の伝わり方

2017-05-29 23:00:25 | 器楽・楽器

 弦楽器に限らず管楽器等でも、楽器が鳴るとか鳴らないとか言いますよね。具体的にはどういうことなのでしょうか?改めて言うまでもなく、楽器は全て何らかの素材から作られています。一本の弦楽器の殆どは木によって作られています。管楽器は一部を除いて一本の楽器の殆どは金属で作られていると言って良いでしょう。

 音とは媒体の振動です。空気中での音の伝わる速度は一秒間に約340mということは多くの人が知っているでしょう。此処で注意しておいて頂きたいのは、空気中での音の伝達は媒体である空気の縦波(粗密波)という一つの様式でしか伝わらない、と言うことです。一方楽器を形作っている素材=固体の中では、音は空気中と同じような縦波(粗密波)以外に、素材=媒体が伝達方向と垂直に振動する横波も存在するそうです。更に表面だけを伝わる表面波という伝わり方もあるそうです。何れにしても素材=固体中でも最も早く伝わるのは縦波(粗密波)だそうで、それ以外の振動モードでの音速は縦波(粗密波)の音速の半分以下だそうです。それでも空気中の音速よりはるかに速いそうです。

 と言うことは、弦楽器で弓毛が弦を擦って発生した音は、聞き手の耳に届く前に弦や駒を通じてボディに伝わり、楽器全体が音源となっている様に聞き手には聞こえることになります。管楽器の場合はマウスピース(フルートではリッププレートのエッジプレート)で発生した音は、直接音が聞き手に届く前に楽器(固体)中を伝わって楽器全体が振動することに鳴る訳です。ここまでは問題ありません。次に楽器の音量の指向性を考えます。楽器全体は振動しています。そうすると楽器の表面積が広い向きにより音量が大きく聞こえるはずです。弦楽器の場合は概ねこの理解で間違いないと思います。表板の方向に最も音が飛びますので。

 管楽器の場合は、マウスピースの反対側に大きく口を開けている、「ベル」と言われる開口部が向いている方向に最も音量が大きいと思います。これは、楽器全体が同時に振動しているとしても音のエネルギーとしては空気の振動として伝わる最も大きいということです。マウスピース部分で「プー」と音が発生した瞬間に、楽器の素材=固体中を経由して「ベル」の先端部まで振動は伝わります。振動しているベルの先端部分の素材=固体の振動も空気を振動させます。従ってマウスピースで「プー」と音を鳴らした瞬間にマウスピース部分からだけでなく、楽器全体から音が鳴る訳です。よろしいでしょうか? 但し楽器の素材=固体が空気に与える振動による音量は小さいため、マウスピースで発生した空気の振動が楽器の管体の中で増幅されて聞き手に届く直接音の方が音量的には大きくなります。

 特に金管楽器は、木管楽器に比べて効率が良い(管の広がりが指数関数曲線に近い)ので、音量的に大きくなります。ところが弦楽器での弦の振動が空気に与えられる縦波(粗密波)のエネルギーは小さいため、ボディに伝達して楽器全体から鳴らす必要がある訳です。これがオーケストラで管楽器はパート当たり一人が当たり前なのに、弦楽器は一パートを十数人で弾く必要がある理由です。

 ともあれ、管楽器の場合はマウスピースで発生した空気の振動だけが音源ではなく、楽器全体が音源です。そして素材によって固体中を伝わる速度は変わります。だから楽器の素材が変われば何となく音色が変わることも納得できます。横波モードとか表面波という振動伝達モードもあるので、素材だけでなく、メッキやラッカー処理等によっても音色が変わる(気がする)のも納得です。

 とまあ、皆さんの期待した内容とは異なったかもしれませんが、楽器の鳴りについて私なりにツラツラ考えた内容です。さて、フルートはどうなんでしょう? フルートの発音原理に関してはいくつかの説がある様ですが、私なりに納得しやすいのはカルマン渦説です。

 私の先生はリッププレート部で息が二つに分かれて、50%しか息が活かせないという様な主旨のことを言っている様に私には思えます。どうなんでしょう?常に50%:50%ではなく、ある程度の範囲でリッププレート部から音として前方に飛んでいく息と、管体方向に進む息の配分はコントロールできるような気もするのですが。

 いずれにせよリッププレートのエッジプレート部で発生したカルマン渦の周波数が音としてリッププレート前方と管体方向に2分された結果、管体方向に進んだ息がトーンホールの指使いによって波長を制限することで音程を吹き分けています。管体側で作られた音程がリッププレートから前方方向に進む音にも音程を制限している、と言うことはあってもおかしくないと思います。むしろ管体側で制限されている音程とは異なる音程の音がリッププレート前方に飛ぶ方が説明しにくいと思います。

 そうすると、おそらく他の楽器に比べるとフルートは楽器の素材=固体がその一本の楽器の音色に影響する度合いは、他の管楽器に比べて半分程度ではないか(半分は管体方向に行かずに直接リッププレートから前に飛んでいく)と思う訳です。これが今回の結論です。洋銀製かそうでないか、は判る気もしますが、銀製以上になると、木製か金属製かを含めて聞き分ける自信はありません。楽器の素材よりも演奏者の技術や嗜好の方が音色に対する影響は大きい様に思います。


日本で見たことないけれど、世の中(世界中)では真っすぐなサキソフォンもあるそうな。

2017-05-25 23:10:29 | 器楽・楽器

 昨日に続いて、日本で見たことはないけれど世界にはある珍しい楽器シリーズ、その2です。

 サックスです。サキソフォーンともサクソフォーンとも言いますが、吹奏楽やビッグバンドジャズではおなじみの楽器ですね。特にビッグバンドの編成ではソプラノ(アルト持ち替え)、アルト、テナー、バリトンという同じサックスでありながら音域の異なる4種類の楽器で編成されることが多いですね。吹奏楽やサックス属のみのアンサンブルでは、ソプラニーノ、バス、コントラバス、ダブルコントラバスサックス等というものも使われることがあるようですが、特殊楽器の範疇に入ると思います。バリトンサックスを見慣れていれば、バスサックスぐらいまではさほど違和感はないかも知れませんが、コントラバスサックスなどとなると、完全に演奏者よりも大きくなって、”冗談だろ”と思わず感じることでしょう。

 私に近い年代の方々であれば、1970年代に「太陽に吠えろ」という刑事もののドラマがあって、石原裕次郎や松田優作等が出演していましたが、そのテーマソングでリードを取っていたのがソプラノサックスでした。トランペットとほぼ同じ音域で、トランペットのパートをソプラノサックスで、あるいはソプラノサックスのパートをトランペットで吹き替えることも可能だったかと思います。もしかしたら違っているかも知れません。

 そのソプラノサックスですが、完全にストレートなモデルと、ネック部のみが僅かに湾曲しているカーブネックモデルと、ベルの部分がアルトサックス等と同じように湾曲しているカーブドモデルがあります。ソプラノサックスの場合はベル部分は直管の、モデルの方が多い様に思います。

 アルトサックス、テナーサックス、バリトンサックス以下と、音域が下がるごとに楽器の管長も長くなるので、ソプラノサックス以外にはストレートモデルは存在しないものと思っておりました。私自身、ソプラノサックスからバリトンサックスまでは何度も直接見ていますが、ソプラニーノサックスは楽器店の展示棚の奥かネットの画像でしか見たことはありません。バスサックスやコントラバスサックスとなるとネット上の画像しか知りません。

 ということで、昨日フルートには銅製もあるとブログにアップした後で、再びネットを彷徨しておりました。すると、アルトサックスにもベル部分が湾曲していない(実際には緩やかに湾曲してはいるものの、全体としては直線状に近い)ストレートモデルを見つけました。いやはや世界は広いものだと思い、もしかしたらテナーサックスにもストレートモデルがあるのか?とおもい”straight tenor sax”で検索すると、ありましたねえ。アルトにしろテナーにしろ、ネック部は湾曲しており、ベル部分もわずかには湾曲していますが、ベルの開口部は床の前方を向いています。

 サックスも吹いてみたいと思わないわけではありません。ただ、サックスを購入するならその前にこれまで一度も吹いたことのないダブルリードのオーボエかファゴットを買いたいとも思いますが、人気楽器ではないため価格が高く世の中に出回っている楽器の数も圧倒的に少ないため、程度の良い中古に巡り合える確率も小さいです。

 その点、サックスは吹奏楽では重要な楽器ですし、ポピュラー音楽との相性も抜群な楽器なので、手ごろな価格で入手可能ですね。買うなら当然持ち運ぶのが負担にならないソプラノを選びますが、サックス業界では初心者は先ずアルトから勉強するのが常識らしいですね。

 ストレートのアルトとテナーの画像を見たい方はこちらのULRを覗いて見て下さい。

→ http://www.bestsaxophonewebsiteever.com/sax-dakota-straight-tenor-alto-saxophone-standing-crowd/