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生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

ミヤザワフルート Low-H延長管「B-Tube」

2017-07-23 22:32:53 | 器楽・楽器

 昨日、フルートに後から装着する「フルートドライブ」とか「フルートスピード」と言うアイテムがあることを書きました。この手のものはオーディオにも様々あって、科学的な裏付けがありそうなものからかなり眉唾だと思わざるを得ないものまで玉石混交と言うのが実態だと思います。と言うことで、「フルートドライブ」と「フルートスピード」につては、効果は期待できないとも言い切れないし、効果を期待して実際に購入しようとも思いきれません。

 そんなところですが、もう一つ似たようなものと言えば似ていますが、こちらは明らかに効果が期待できるものとして紹介するのが宮沢フルーt純正のLow-H延長管「B-Tube]です。価格は「フルートドライブ」や「フルートスピード」の3倍ぐらいしますが、こちらは間違いなく効果があると期待しています。というのは、こちらの「B-Tube」はC足部管の開口部にはめ込んで最低音をCからHに半音下げようと言うものです。「B-Tube」にはトーンホールもキィも設けられておらず単なるパイプのため、C足部間に「B-Tube]を嵌めると、最低音域はD→Des=Cisと下がってきてDes=Cisの次はCを経由しないでHに飛んでしまうことになります。

 ミヤザワフルートとしては、C足部管の楽器を持っている演奏家から、最低音を「H」まで拡張したいとか、C足部管の楽器に比べて好悪に記での音程が正確なH足部管の楽器に近づけたいという要望に、H足部管を購入するよりもはるかに安価に対応する手段として、単純に半音低い音程が出る様に足部管の長さを延長するパイプを売り出した、ということだと思います。H足部管ではないので「B-Tube」を装着すると最低音の「C」が出なくなるという大きなデメリットはあるものの、フルートの曲で最低音「C」が出てくる曲は多くはないし、少し長めの休符があれば簡単に着脱できると、ミヤザワのウェブサイトにも記載されています。

 この思い切りの良さがうれしいですよね。本当に効果があるかどうかのうさん臭さは全く感じられません。デメリットもあるけれどそれよりもメリットが大きいと思われた方はどうぞ買ってくださいという姿勢、好きです。私のフルートがミヤザワ製であればすぐにも購入したいのですが、ミヤザワのフルートは持っていないので、現在のところは様子見です。池袋にあるミヤザワのサービスセンターに行く機会があれば、自分の楽器を持参して私のフルートにも「B-Tube」が問題なく装着できるかどうか確認して、合えば購入したいですね。


フルートの音色 「フルートとリコーダの発音に関する諸現象と楽器構造に ついて」の補遺 その2

2017-07-22 23:15:50 | 器楽・楽器

 さて、一昨日・昨日と紹介してきた「フルートとリコーダの発音に関する諸現象と楽器構造に ついて」ですが、この論文の著者の安藤由典氏の著作に「楽器の音響学」という書籍があり、新版がネットの通販サイトでも購入できます。ただ、価格は¥4,752と決して安くはありません。で、割と詳細なレビューが寄せられていて、フルートを対象に細かい実験を積み重ねて、演奏者の口腔の広げ方も音色には影響しないと結論付けられていると紹介されています。

 私自身この「楽器の音響学」を購入して読んだ訳ではないので憶測でしか言えませんが、私自身は演奏者の口腔の広げ方はフルートの音色に影響すると思っています。なので、この書籍を購入して読んでみるのが正攻法ではありますが、¥5,000近い金額を出費する気にもなりません。ということでとりあえずは「楽器の音響学」を購入することもなく、出来るだけお金を使わずに検証する方法を考えて行きたいと思っています。一つ考えているのは、フルートの管体に銀の線材などを巻き付けて重くしたら音色や吹奏感は変わるかどうか?ですね。この実験を行うには数千円の出費で済みます。

 世の中には、「フルートドライブ」とか「フルートスピード」と言う様な名称で、フルートの頭部管の先端に被せたり、足部管の開口端にはめ込む銀(等の)製のアクセサリーが結構な値段で販売されていて、効果があると言っている人も少なくないようです。この様な商品が流行っていることから、このようなアクセサリーを買うよりは銀の線材の方が安い筈だというのが正直なところの発想ではあります。それから全体が同じ素材でできている方が良いのか、異なる素材が組み合わされている方が良いのか、という問題にも論理的な考察を加えることは可能と思いますが、今のところ糸口を見出していません。

 近・現代科学的な視点から、木管楽器の中ではフルートは最も完成度の高い楽器と言って良いだろうと思っています。それでも相変わらずの音程の不確かさなどは克服されてはいなくてまだまだ不完全であるともいえます。しかし音程の問題についていえば1オクターブの中での音程の確かさを優先すれば、そのオクターブの中ではもっと音程の確かな楽器は作れるけれど、3オクターブにわたって音程を良くしようとすると、異なるオクターブでの音程を合わせるためにやむを得ず妥協する必要があるための結果ということですね。


吹奏楽器の音量 「フルートとリコーダの発音に関する諸現象と楽器構造に ついて」の補遺

2017-07-21 23:13:39 | 器楽・楽器

 昨日の続きです。「フルートとリコーダの発音に関する諸現象と楽器構造に ついて」 著者:安藤由典 の補遺になります。

 吹奏楽器の中ではフルートは音量が出せない楽器になると思います。まず金管楽器と木管楽器とで比べてみましょう。明らかに木管楽器よりも金管楽器の方が大きい音が出しやすいですよね。では木管楽器と金管楽器との違いは何でしょうか? ご存知の方も多いと思いますが、楽器の素材による違いではありません。全金属性のフルートやサキソフォンも木管楽器です。現在では発音原理によって木管楽器と金管楽器とを区別しています。つまり、リップリードと言って、リップ=演奏者の唇がリード=振動体=直接の音源、である楽器を金管楽器と定義しています。対して木管楽器は、オーボエやファゴットのダブルリード、クラリネットやサキソフォン等のシングルリード、フルート属のエアーリードを総称して木管楽器と言います。

 木管楽器は楽器の管体に数多く設けられたトーンホールを、キィメカニズムを介して開閉することで音程を作ります。そのため管全体のプロファイルとしては末広がりであるものの、金管楽器に対しては直線に近い形状となっています。一方の金管楽器は、古くは木管楽器と同じように管体に設けられたトーンホールで音階を作っていた時代もありますが、管の長さを長くして高次倍音を可能な限り利用することと、自然倍音律で出せる倍音を利用した上で、スライド機構で音程を作るトロンボーン以外は、3個以上のピストンバルブやロータリーバルブを用いて迂回管に流路を切り替えることで、音程を作っています。

 この音程の作り方の機構の違いによって、木管楽器と金管楽器では歌口(マウスピース)から他端の開口部=ベルまでの管の断面積の広がり方に大きな違いが生じています。金管楽器ではマウスピースに押し付けた演奏者自身の唇が音源となり、音程を変えてもバルブの切り替えによって途中の迂回管の選択によって全長は変わるものの、開口端=ベルまで一様に管の断面積を広げる形状となっています。そのため、演奏者の唇で生じた振動を最大限効率よく増幅して開口部=ベルから放射することが可能となっています。この原理によって、金管楽器はバルブを用いずスライドによる音程変化機構を有するトロンボーンも含めて、演奏者が吐く息を最も効率よく音量に変化できるため、大きな音が出せるという訳です。

 一方の木管楽器は、音程を変化させるために金管楽器の様にバルブ機構を用いて迂回管を利用することで管長を変えるのではなく、変化しない管体に多数設けたトーンホールの開け閉めによって実効的な管長を変えることで音程を作っています。そのために、演奏者が咥えているリード部で発生した振動を最も効率よく増幅させられる管体の形状を実現することが出来ないため、金管楽器に比べて音量的には叶わない部分が生じます。

 金管楽器の最低音域を受け持つチューバは、ロマン派音楽の後期に登場してきましたが、それ以前に金管楽器の最低音域を受け持っていたのはオフィクレイドという名称を持つ大きなサキソフォーンのマウスピースを金管楽器のものに変えた様な楽器でした。しかし管体の広がり方が木管楽器と同様すくなくて音量が確保できないために、チューバに取って変わられたという歴史が存在します。ちなみにオフィクレイドはもはや博物館でしかお目にかかれない楽器かと思っていましたが、インターネットの米国のサイトを見ると、少なくとも米国では今でもオフィクレイドが一般的な市場に出回っている様です。

 ということで、金管楽器は息を音量に変換する効率が良いために大きい音が出しやすい、木管楽器は金管楽器に比べると管体の形状が効率的に音量を確保できるスタイルになっていないため、大音量での演奏には向かない、ということまではガッテンしていただけましたでしょうか?

 ではいよいよフルートの音量ですが、フルート以外の木管楽器ではシングルかダブルリードかの違いはあるものの、管体は歌口からベルに向けて末広がりに広がっている形状にはなっています。さらに厳密に言えば、クラリネットのみは実質的に直管に近いのですが、今は踏み込みません。いずれにせよリードで発生した空気の振動=粗密波は管体内部を進む内に徐々に広がっていく断面積の影響で音量が増幅されてベルから放出されます。そのまま空間にロスなく広がっていくのが理想ですが、ベルの形状と音程とによって若干のロスは生じます。

 さてフルートですが、音は歌口部分で発生します。歌口部分で発生した音は多少は演奏者の顔の正面方向に指向性が強いものの、典音源として四方八方へと広がって行きます。フルートの管体は定在波を形成することで音程を作る機能だけで、足部管の開口端から大きな音が出ている訳ではありません。これが他の木管楽器との決定的な違いだと思います。つまりエアーリード楽器であるフルート以外の、シングルリードのクラリネットやサキソフォン、ダブルリードのオーボエやファゴットは、間違いなくベルの開口部から最も大きな音量が楽器外にある程度の指向性を持って放出されます。一方でエアーリードのフルート属の場合は歌口=リッププレート部からある程度の指向性はあるとはいえ、ほぼすべての方向に音量が拡散するため、コンサートホールでの演奏などではより指向性の強い他の楽器に比べ、特定の視聴位置では他の楽器の音量に埋もれがちにならざるを得ない、と言うことだと思います。

 優れた作曲家であれば、フルートのこのような特性を十分に理解した上でフルートの旋律を聞かせたいときには他の楽器を弱奏にするなり、休ませるなりする、と言うのがテクニックだと思います。フルートを演奏する立場からは、異なる楽器とのアンサンブルをする場合には、音量でかき消されそうな時は音域を1オクターブ上げて聞き手にアピールするとか、他の楽器の音が鳴るよりも極々僅かでも先に発音してタイミングを早めることで聞き手に気づいてもらう、というのもテクニックだと思っています。

 以上、わたくしがとことん考えたうえではなく、様々思い悩んだ上での現時点でのまとめということで文章化してみました。自分自身で考え方に誤りがあることに気づけば訂正しますし、なにか誤解や認識不足などの点があればご指摘いただければ幸いです。


「フルートの音域は3オクターブ」の拡張

2017-07-18 22:18:10 | 器楽・楽器

 3連休はうれしいですね。特に今回の週末はレッスンも無かったので思いっきりフルートの練習とヴァイオリンの練習が出来ました。で、「フルートの音域は3オクターブ」としている教則本やネット上の情報が多いのですが、下限は楽器で決まってしまいますが、上限は倍音を鳴らせれば4オクターブ目に拡張することは可能なはずです。が、4オクターブ目の運指を詳らかにしている教則本とかネット上のサイトは少ないです。少ないとはいえ全く見つからない訳ではありません。実のところ以前から4オクターブ目の運指を公開しているサイトは見つけていたのですが、これまでは3オクターブ内を自在に吹くことに重きを置いて練習してきました。3オクターブ目ともなると2オクターブまでとは運指が全く異なってくるので、2オクターブまでの延長の積りでは吹けません。それでも何とか簡単な旋律などは吹きこなせてきたと思い、いよいよ3オクターブの限界を超えて4オクターブ目の音が出せるかチャレンジしてみました。

 結果、3オクターブ目までは100%ととまでは言えないまでも95~98%ぐらいは成功します。それが4オクターブ目となるとD=レが50%位、Des=Cis=レ♭=C♯とEs=Dis=ミ♭=レ♯は20%以下の成功率で何とか音を鳴らすことが出来ました。これまで3オクターブ目までは運指の練習もしてきたのでそこそこ旋律を吹けますが、3オクターブ目でも運指の規則性がなくなってきて2オクターブ目までとは全く違う運指になってくるのに、4オクターブ目ともなると益々訳のわからない運指になります。

 それから3オクターブ目からは複数の倍音を使い分けて鳴らすため、変え指が複数種類出てきます。自分の鳴らしやすい倍音を使うことになりますが、感を掴むまでは使っている倍音に対応する変え指がどれなのかもわからず、それが4オクターブ目になるとますます使える倍音が増えるので変え指も増えます。自分(あるいは自分の楽器、少なくともEメカ付きの楽器とEメカ無の楽器では変え指も違ってくる筈です)の使いやすい倍音と、その倍音を使って出したい音程を出しやすい変え指がどれかを確認するまでは、運指表とにらめっこでトライアンドエラーする必要があります。

 3連休の三日間、毎日トライして何とか4オクターブ目のD=レは出せる目途が付いてきたので、これを確実に出せる様に、且つその運指を確実に体で覚えることを最優先の目標にしています。でその次の課題としてDes=Cis=レ♭=ド♯と、Es=Dis=ミ♭=レ♯を安定して鳴らせるように、且つその運指を体に覚え込ませること、を目標にしています。その上の音程はそこまで出来る様になった後の課題ですね。ただ、4オクターブ目は果たしてどこまで出せるものなのでしょうか?5オクターブ目の入り口のドまで運指が公開されているサイトもありますが、4オクターブ目のソまでの運指しか公開されていないサイトの方が多いです。さて、4オクターブ目のソまで私自身が鳴らせるようになれるかどうか、音域を広げるというのは結果がはっきり出るので挑戦のし甲斐があります。力任せではなくあくまでもブレスコントロールのテクニックを洗練させる、という観点でトライしていきます。


迷いつつもフルート選び

2017-07-10 23:08:23 | 器楽・楽器

 新しいフルートを買うべきか迷い続けています。銀座ヤマハの選定会で、買うならムラマツが良いという結論を出しています。また、ヤマハのイデアルについては、自分で吹いた感じではトーンホールが引き上げでもはんだ付けでもほとんど差は感じませんでした。しかし、プロのフルーティストに吹いて頂いたのを聞いた限りでは、一目ならぬ一聴瞭然ではんだ付けが良かったのは確かです。それで一昨日横浜のムラマツで、総銀製での引き上げモデルであるDSとはんだ付けモデルのSRを試奏させてもらいました。ヤマハのイデアルでは引き上げとはんだ付けの違いを自分の試奏では特に差は感じられませんでしたが、ムラマツの総銀製についていえば、相当異なります。吹くまでもなく持っただけで重量感が全く違います。当然はんだ付けモデルの方が重く、吹奏時の抵抗感も大きいし音色も深く感じられました。

 で、試奏を終えたところで一昨日は試奏できなかったヘビー管とツバサリップの試奏もしたいとお願いして、今月中には試奏できる運びになっています。ムラマツのSRモデルとなると全世界のフルーティストが愛機にしようと1年間と言う納期を待っておられる様ですね。しかし一年間待てるかどうか自身がありません。ネットで探した限りではDSであれば楽器店に在庫がある場合がある様なので、楽器店の在庫を買うという選択肢もありそうですが、SRになると楽器店に出回っている玉は殆どなさそうです。

 この際、引き上げモデルのDSで良いから楽器店の在庫を探し回って購入するか?という選択肢と、SRがそれほど手に入れにくいのであれば、今持っているフルートに銀の線材を巻くなり、銀の板材を巻く等して質量を重くすれば、より深い音色で鳴る様になるのではないか、等とDIY精神が目覚めようとしています。というのもフルートドライブとかフルートスピードとか、頭部管の先端に被せたり、足部管の開口部にはめ込むアクセサリが出回っていて、そこそこ評判が良さそうです。とは言え素材の価格よりも加工賃の方がよっぽど高そうに思うので、自分で銀の線材なり板材を購入して、自分で愛用のフルートに巻いて愛機の質量を増やせば、吹奏感の抵抗感と音色の深みが増すのではないかと思う訳です。それでフルートドライブやフルートスピードに比べれば銀の線材や板材の値段は三分の一以下ですよね。

 いっそのこと海外サイトで購入できる楽器の中から最も安価な木管フルートを買おうかなという思いも再び出てきました。素材の密度が高いほど良いのであれば、木管フルートは良い音を出すはずがないのですが、世の中で最も美しい音は木管フルートという話も聞きます。まあセールストークだと思いますし、私自身はブラインドテストでは木管フルートか金管フルートか当てられる自身はありません。それでも試奏レベルでは判断できないことも自分の愛機として時間をかけて吹き込んだ後の音がどうなるかは興味があります。