goo blog サービス終了のお知らせ 

生涯を完結させるまでに歌いたい歌、最近始めたヴァイオリンとフルートはどこまで演奏できるようになるか、と時々ワンコ

死は人生の終末ではない。 生涯の完成である。(ルターの言葉)
声楽とヴァイオリン、クラシック音楽、時々ワンコの話。

空想と言うよりも妄想の楽器 エアーリード閉管楽器

2017-08-08 22:24:07 | 器楽・楽器

 昨日、ムラマツフルートの「つばさリッププレート」の試奏記についてアップしました。その延長上に空想と言うよりも妄想と言うべき思いが発散しています。

 エアーリード楽器であるフルートの発音原理に関しては議論があるようですが、現時点ではイメージし易いというただそれだけの理由でカルマン渦説をとりあえず採用するというのが私の立場です。今後カルマン渦説では説明のつかない事象が生じた時に再考したいと思います。さて最近の管楽器の分類法ですが、そもそも管楽器ではなく吹奏楽器というようにとらえている様です。演奏者のブレスコントロールを伴う演奏をする楽器を総称して読んでいる様に思います。その中で発音原理に基づいて、演奏者の唇の振動によるものをリップリード、クラリネットやオーボエの様にリードを震わせて吹奏する楽器をリード楽器として、オーボエやコールアングレ、ファゴット(バスーン、バソン)等のシングルリードと、クラリネット属やサクソフォン属をシングルリード属と呼んでいます。

 いにしえの金管楽器は、現代の様なピストンバルブやロータリーバルブに依る様な音程変換機構はなく、木管楽器の様な管体にトーンホールを設けて自然倍音以外の音程を作っていました。また木管楽器類では現代に至るも、管体に設けたトーンホールを開閉することで音程を作っています。この他に過渡期の楽器として木管楽器の様に管体に設けたトーンホールで音程を作るものの発音は金管楽器の様なマウスピースを用いるオフィクレイドという楽器が、日本では全盛期の遺物の様に思われていますが、米国などでは現在でも市場で流通している様です。

と言うことで、発音原理と音程を作る機構の2点に注目して管楽器を分類すると、リップリードで発音して、ピストンバルブやロータリーバルブで音程を作るトランペット、ホルン、チューバと、スライドで音程を作るトロンボーン属が金管楽器属として分類できると思います。一方の木管楽器属は、シングルリード、ダブルリード、エアーリードと発音機構にバリエーションはあるものの、音程を作る機構は管体に設けたトーンホールの開け閉めで行うものと理解しています。

 そして、音程を作る機構としては木管楽器でありながら発音機構は金管楽器のリップリードとして、オフィクレイトという博物館に展示されているような楽器が存在しています。ところが、発音機構は木管楽器で、音程を作る機構は金管楽器という楽器はこれまでに知られていないのではないか、と思っています。実は仕事柄特許出願には精通しているので、発音機構は木管楽器でありながら音程を作る機構は金管楽器という楽器を特許出願しようかと思っている次第です。ちなみに世間一般の報道などでは「特許申請中」と言う様な表現を良く聞きますが、特許は「出願」するものであって決して「申請する」モノではありません。その根拠は何かといえば、出願時に特許庁に提出する書類は「願書」であって「申請書」ではないからだと思います。馬鹿馬鹿しいほど些末な問題ですが、行政手続きと言うものはこの様なものかとも思わされる現実があります。

 さて、発音原理が木管楽器で、音程を作る機構が金管楽器の様な楽器があり得るかと言えば、現在の私はあり得ると思います。ただし高度に発達した現状の楽器の完成度や演奏方法などを、一夜にして駆逐できるほどの斬新性、次世代性を持った次世代楽器を提案できるかと言われると、極めて大きな責任を感じてしまいます。それでもありうると言いたい現時点での私がいます。ここで全体を説明すると新規性が失われて特許出願しても特許としての新規性が認められない可能性が大きいので詳細についての説明は控えますが、これまで世の中に問われなかった新しい発音機構と音程調整機構の組み合わせによる楽器の提案は、十分にあり得ると思っています。というよりも、ありていに言えば、これまでにない金管楽器属の発音原理と木管楽器属による音程調整機構を併せ持った、新しい吹奏(=管)楽器を提案したいと思います。字数が大分多くなったので、詳細については次の機会に致します。


ムラマツフルートの 「つばさリッププレート」について思うこと

2017-08-07 22:44:04 | 器楽・楽器

 以前にもムラマツ横浜店で「つばさリッププレート」を試奏した印象を紹介しました。スタッフの方が、”つばさは効果があるという人とないという人の二つにはっきりと分かれる”という主旨の発言が気にはなっていました。今朝の通勤電車の中で、ふとこういうことなのかなと思いついたので備忘録として記しておきます。

 「つばさリップ」がどういうものかと言うと、リッププレートの歌口部分の両側、前後方向で言えば歌口開口部の前後方向中心部よりも奏者から遠い側に前後方向3㎜×左右方向5㎜程度、高さ(厚み)0.2~0.3㎜程度の凸部が設けられています。と言うことは歌口に吹き込む息の流れを整える様な効果があるのかなとは思っていました。流体力学の世界です。流体力学の世界での原理を記載するのに便利なのがレイノルズ数で、興味のある方はWikipediaで「レイノルズ数」を見て頂けると流体中の円柱の後方に生じるカルマン渦のアニメーションが見られます。フルートの発音原理は歌口の後方に出来るカルマン渦(音程はカルマン渦の周波数に依る)のではないかと私は考えています。

 極めて定性的なことだけを記しますが、レイノルズ数が小さい時は層流でレイノルズ数が大きくなると乱流になります。層流と言うのは均一な流れで、乱流は乱れた渦を含む流れと言うことですね。進化の果てに生物が獲得した成果を人工的に真似ることをバイオミメティクスと言いますが、良く知られた例としては新幹線のパンタグラフを囲う整流板の表面にギザギザ上の薄い突起部が設けてあります(たしかボルテックスジェネレータというネーミングがされていたと思います)。これはフクロウが音を立てずに羽ばたくために風切り羽にあるセレーションというフクロウ以外の鳥類には見られない特徴を模倣したものです。

 このセレーションと言うギザギザ模様は整流を乱してあえて乱流にするためのものと考えられる可能性があります。とするとムラマツフルートの「つばさリップ」も新幹線のボルテックスジェネレーターと同じような役割かもしれないと、通勤電車の中でふと思った訳ですね。仮にこの思い付きが正しいとすると、演奏者の口から吐き出された息の大半は歌口に向かって流れていくわけですが、当然左右方向にも多少は広がって行くと思います。直進した息の流れは「つばさリップ」に当たることなく層流のまま歌口内部の壁に当たってカルマン渦を発生させますが、左右に広がって歌口の両側に向かった息は、「つばさリップ」の僅か0.2~0.3㎜程度の段差に当たって乱流(渦)を発生します。歌口の両側に渦が出来ることで音響的な壁が出来て左右に漏れてしまう息の量を減らすような効果があるのかな、と思った次第です。私自身が流体力学を勉強してパソコンでシミュレーション等を出来れば更に突っ込んだ議論が出来ますが、現時点ではここまでです。

 さて、「つばさリップ」の効果を実感できる人と実感できない人の二つにはっきり分かれるということですが、歌口に吹き込む息があまり左右に拡散しない吹き手にとっては「つばさリップ」の効果は実感しにくく、息が左右に拡散しがちな吹き手にとっては「つばさリップ」の効果がはっきり判る、ということもあり得るのかと。私自身は「つばさリップ」の効果は実感できましたが、無ければならないほどのものではなく、無くても良いかな、少なくとも後付けで「つばさリップ」仕様の頭部管を購入する気にはならない程度のものです。と言うことは私自身はもう少し息が左右に広がらない様に練習すれば「つばさリップ」が無くても良い側の吹き手になれるかな、と思った次第です。


フルートの練習 ホイッスルトーンと愛犬リリ姫の遠吠え

2017-08-03 22:12:49 | 器楽・楽器

 先日、私がフルートを吹くと愛犬のロングコートチワワのリリ姫が遠吠えを始めるので、微かな音しかしないホイッスルトーンの練習に専念しようという内容をアップしました。その後会社から帰宅後の10分程度はホイッスルトーンのみで練習をするようにしているのですが、リリ姫は私が吹く微かなホイッスルトーンにも反応して遠吠えを始めてくれます。

 遠吠えと言ってもそこは体重3㎏程のメスのチワワですから、迫力というよりは可愛らしい遠吠えで家の外にはそれ程漏れていないかもしれません。それでも私が吹く微かなホイッスルトーンに確実に反応しています。といっても以前のように実音でフルートをピーヒャラ鳴らしていた時に比べると直ぐに鳴き止んでくれます。ホイッスルトーンだけだったら音量は極々僅かなので、リリ姫は反応しないだろうと期待していましたが、犬にとっては音量は関係ないようです。音量は微かでもむしろ犬の可聴帯域で感度の良い?人間には聞こえない高い周波数の倍音はホイッスルトーンの方が出ているのかも知れません。

 飼い犬が何かの音に反応して遠吠えを始めた時は、何でも良いから気をそらすと遠吠えを止める、と言った情報もあります。それでフルートでホイッスルトーンを吹きながら、リリ姫が遠吠えを始めると、撫でてみたり、おやつをあげて見たりしても、その時は一瞬遠吠えを止めますが、私がホイッスルトーンを吹いている限り再び遠吠えを始めます。とは言え、自分で飽きると遠吠えを止めます。実音でピーヒャラ吹いている時に比べるとホイッスルトーンの時は直ぐに飽きてくれる様に思います。もしかしたら実音かホイッスルトーンかに限らず、だんだんとフルートの音に飽きてきているのかも知れません。ホイッスルトーンでは直ぐに鳴き止んでくれる様になったら、再び実音での練習で遠吠えを続けるか直ぐに止めてくれるか、試そうと思っています。


ヴァイオリンの練習もしています。

2017-07-31 23:01:21 | 器楽・楽器

 ブログに登場する頻度は低いですが、ヴァイオリンの練習もしています。スズキヴァイオリンメソッド第1巻の最後の方にある、J.S.バッハのメヌエットNo.3、それなりに弾けるようになってきました。ヴァイオリンを始める前は、自分で音程を作る楽器をきちんと弾けるかどうか不安がありましたが、だからこそやってみたいという思いもあって始めてみました。始めてみてわかったことは、音程は楽器が教えてくれるということですね。

 ヴァイオリンには5弦や6弦あるいはそれ以上の共鳴弦を持っているものもありますが、通常は4弦ですね。低い方からG、D、A、Eと調弦します。開放弦でこれらの音を弾く以外に一オクターブ上や下で弾くことが当然ある訳ですが、開放弦とオクターブの音程を弾くときには、オクターブ違いの開放弦が共鳴して勝手に鳴ってくれます。音程がずれていると鳴ってくれません。極々僅かな違いですが、繰り返し弾いていると、オクターブ違いの音程がきちんと決まった時には間違いなく気持ち良く共鳴しているのが判ります。音程がずれているとその気持ち良さが感じられないので、繰り返し弾いていると自然と気持ちよく共鳴してくれるオクターブの音程がだんだんと固定されて来ます。

 今が正に練習する度に、共鳴するポイントを探しながら音程の精度、あるいは正しい音程のイメージが自分の中に固定されている時だという認識があります。と言うことでソ、レ、ラ、ミの音程については精度が上がって来ています。それ以外のド、ファ、については完全4度、完全5度でまあまあスイートスポットが判らないでもありません。オクターブ音程に比べると掴みにくくはありますが、それでも慣れの問題で少しづつ音程の精度は上がっていると思います。シは正直難しいのですが、ハ長調であれば道音なので高めに取った方が和声的にはともかく旋律的には良い感じがある様だとも思います。

 フルートは重要な息の支えが声楽と共通する部分が多いので、初めて楽器を持った時から3オクターブの音域を吹けました。一方のヴァイオリンはその様なアドヴァンテージは何もなくレイトスターターの亀の歩みというよりもカタツムリの歩みではあります。その思うように行かないところが私にとってのヴァイオリンの魅力でもあります。スズキバイオリンメソッドの第1巻も終わりに近づいてきたので、そろそろ第2巻を購入すべきか次回のレッスン時には相談しようと思います。


ムラマツ横浜店でDSヘビー管、SR、PTPを試奏させてもらいました。

2017-07-30 22:23:35 | 器楽・楽器

 昨日の続きです。試奏させてもらったのは「ツバサリッププレート」だけでなく、ノーマルリッププレートの、「DSモデルヘビー管仕様」と「SRモデルノーマル管」、「PTPモデルノーマル管」の3本です。いずれも総銀製もでるで、トーンホールを引き上げ(ドローン)で形作っているのがDSモデル。はんだ付けで形作っているのがSRモデル。PTPは引き上げモデルにプラチナメッキを施したもの。はんだ付けモデルにプラチナメッキを施したものもSR-PTPとして存在しますが価格がどんどん高くなりますので、現在のところ候補には入っていません。

 前回は管体厚みがノーマルどうしでDSとSRを吹き比べさせてもらいましたが、その結果はお値段通りSRの方が良いですね。楽器を持った際の重量感が全く違います。吹く前から勝負がついているという感じです。それならということで、DS仕様の管体厚みをヘビーにしたものと、ノーマル管体厚みのSRでどちらが良いのか?と言うのが今回の最大の試奏目的です。ついでにPTPはSRよりほんの少しお値段がかさみますがほぼ同じと言うことで試奏させてもらいました。いずれもリングキー、インラインで、DSヘビーとSRがH足部管付き、PTPのみがC足部管付きでした。

 ノーマル管厚のDSとSRでは持った時の重量感が全く別物で、SRの方がはっきりと重く感じました。しかしDSヘビー管とSRノーマル管では持った感じ殆ど重さの違いは判りません。PTPは唯一のC足部間のため軽く感じるのは当然ですね。吹いた感じは殆ど同じです。吹奏感のみであれば違いは判らないぐらいです。ところが音色はほんのわずかではありますが、確かに違う様な気もします。DSヘビー管が最もナチュラルと言うか、柔らかくて深い音。SRノーマル管はDSヘビーに比べると芯があるというか輪郭がはっきりしているというか、そういう性格の音です。PTPはSRノーマルに近いと思いますが、DSヘビーとSRノーマル、PTPを音色の傾向で並べると、DSヘビー、SRノーマル、PTP(これもノーマル)という並びになりますね。DSヘビーの方が柔らかくクラシカルなイメージで、SRノーマル、PTPの方が現代曲には合う様な気もします。しかし強いて言えばという程度で、DSヘビーで現代曲を吹いても、PTPでバロック作品等を吹いたからと言って違和感が先に立つようなことは全くないと思います。

 こうなるとSRヘビー、PTPヘビー、更にはSRにプラチナメッキをしたSR-PTPのノーマル管とヘビー管も試奏してみたくなりますが、値段も納期もかかるばかりの方向に行きそうです。合理的な値段で納期も出来るだけ短い方が良いという選び方であれば、迷うことなくDSのヘビー管仕様ですね。今回試奏した3種類の中でJ.S.バッハのフルートソナタ等を吹くのであれば、音色的にもDSヘビーが最もふさわしいと思います。一方でSRヘビーやPTPヘビーはどんな音がするのかにも興味がわいてきます。ドビュッシーの「シランクス」等はこちら系の音の方が合うだろうな、でも納期に1年とかそれ以上待つのもつらいし。

 そもそも現時点では私は自分の愛機にどのような音色を求めているのかはっきりしていません。このブログを初期から読んでいただている方にはお分かりと思いますが、私は結構現代音楽嫌いではありません。というよりも好きな方です。ところがフルートについていえばJ.S.バッハやそれ以前のバロック、ルネッサンスの器楽作品も大好きです。自分が出したいフルートの音色のイメージをある程度は固めるまでは安易に愛機の機種選定も出来ないかな、と思います。ということでドビュッシーの「シランクス」等の現代的なフルート作品も早く吹きこなせるように、さらい始めてみましょうか。