昨日、ムラマツフルートの「つばさリッププレート」の試奏記についてアップしました。その延長上に空想と言うよりも妄想と言うべき思いが発散しています。
エアーリード楽器であるフルートの発音原理に関しては議論があるようですが、現時点ではイメージし易いというただそれだけの理由でカルマン渦説をとりあえず採用するというのが私の立場です。今後カルマン渦説では説明のつかない事象が生じた時に再考したいと思います。さて最近の管楽器の分類法ですが、そもそも管楽器ではなく吹奏楽器というようにとらえている様です。演奏者のブレスコントロールを伴う演奏をする楽器を総称して読んでいる様に思います。その中で発音原理に基づいて、演奏者の唇の振動によるものをリップリード、クラリネットやオーボエの様にリードを震わせて吹奏する楽器をリード楽器として、オーボエやコールアングレ、ファゴット(バスーン、バソン)等のシングルリードと、クラリネット属やサクソフォン属をシングルリード属と呼んでいます。
いにしえの金管楽器は、現代の様なピストンバルブやロータリーバルブに依る様な音程変換機構はなく、木管楽器の様な管体にトーンホールを設けて自然倍音以外の音程を作っていました。また木管楽器類では現代に至るも、管体に設けたトーンホールを開閉することで音程を作っています。この他に過渡期の楽器として木管楽器の様に管体に設けたトーンホールで音程を作るものの発音は金管楽器の様なマウスピースを用いるオフィクレイドという楽器が、日本では全盛期の遺物の様に思われていますが、米国などでは現在でも市場で流通している様です。
と言うことで、発音原理と音程を作る機構の2点に注目して管楽器を分類すると、リップリードで発音して、ピストンバルブやロータリーバルブで音程を作るトランペット、ホルン、チューバと、スライドで音程を作るトロンボーン属が金管楽器属として分類できると思います。一方の木管楽器属は、シングルリード、ダブルリード、エアーリードと発音機構にバリエーションはあるものの、音程を作る機構は管体に設けたトーンホールの開け閉めで行うものと理解しています。
そして、音程を作る機構としては木管楽器でありながら発音機構は金管楽器のリップリードとして、オフィクレイトという博物館に展示されているような楽器が存在しています。ところが、発音機構は木管楽器で、音程を作る機構は金管楽器という楽器はこれまでに知られていないのではないか、と思っています。実は仕事柄特許出願には精通しているので、発音機構は木管楽器でありながら音程を作る機構は金管楽器という楽器を特許出願しようかと思っている次第です。ちなみに世間一般の報道などでは「特許申請中」と言う様な表現を良く聞きますが、特許は「出願」するものであって決して「申請する」モノではありません。その根拠は何かといえば、出願時に特許庁に提出する書類は「願書」であって「申請書」ではないからだと思います。馬鹿馬鹿しいほど些末な問題ですが、行政手続きと言うものはこの様なものかとも思わされる現実があります。
さて、発音原理が木管楽器で、音程を作る機構が金管楽器の様な楽器があり得るかと言えば、現在の私はあり得ると思います。ただし高度に発達した現状の楽器の完成度や演奏方法などを、一夜にして駆逐できるほどの斬新性、次世代性を持った次世代楽器を提案できるかと言われると、極めて大きな責任を感じてしまいます。それでもありうると言いたい現時点での私がいます。ここで全体を説明すると新規性が失われて特許出願しても特許としての新規性が認められない可能性が大きいので詳細についての説明は控えますが、これまで世の中に問われなかった新しい発音機構と音程調整機構の組み合わせによる楽器の提案は、十分にあり得ると思っています。というよりも、ありていに言えば、これまでにない金管楽器属の発音原理と木管楽器属による音程調整機構を併せ持った、新しい吹奏(=管)楽器を提案したいと思います。字数が大分多くなったので、詳細については次の機会に致します。