母の遺品を整理していた妹から、「こんなものが出てきた」と小さな紙片を渡された。
よく見ると母の名前の「妊産婦手帳」と「妊産婦加配手帳」、今でいう母子手帳で、私かおなかにいる時のものだった。
表紙には「国の宝」と古い漢字で書いてある昭和19年当時のもの。
父の名前も書いてあり、私を取り上げた助産婦さんの名前と出産時刻も書いてあった。
更に、戦時中とあって、「出産用木炭の交付」「嬰児用衣料の交付」「○月分ミルク交付済」の記録がある。(なぜかミルクはカタカナで)
そして、第一期種痘を東京市麹町区の東京逓信病院の小児科で受けた証明もあった。
興味深く眺めていたが、こういうものが突然出てくるということは何かの前触れだろうか? と考えてしまった。
ちょうど「昭和天皇の実録」が開示され、昭和が見直されようとしている。何だか不思議な気分の今日・このごろだ。
戦争末期に南方の空に散っていった少年兵たちも「国の宝」だったのだろうか・・・。