J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

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観客のためのスタジアム25

2016-01-10 00:42:03 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 事例紹介コラムです。
 昨シーズン、J1年間優勝を遂げた広島さんですが、フットボールチャンネルで「イタリア人の視点:改めて提言したい広島のスタジアム建設。なぜ世界的PRのチャンスを無駄にするのか?」というタイトルの、チェーザレ・ポレンギ氏コラムのコラムがありました。以下、抜粋して紹介。
    
 J1広島は、最近最も成功を収めているクラブだが、サッカー専用スタジアム建設の可能性は一向に高まらず。スタジアム建設を支持しなければ、広島市と地元スポンサー企業は非常に大きなチャンスを無駄にすることになるだろう。
 【魅力的なサッカーとドラマチックな歴史】
 J1広島に共鳴するようになった理由が2つある。1つ目は単に、広島がとても魅力的なサッカーをしていたということ。その年の前期優勝を果たして、年間タイトルへの挑戦権を獲得した事。もう1つの理由は、広島のようにドラマチックな歴史を持つ都市にサッカーチームがあるということに、ただならぬ意義深さを感じたから。
 他の多くの外国人と同様に、かつてヒロシマという名前に原爆とその惨劇を連想していたが、J1広島のおかげで、私は全く新しい広島を見ることができた。21年の月日が経った今でも、これら2つの理由は未だ根強く、これらの理由はより実際的なものとなった。J1広島は現在のアジアにおいて最高のクラブの一つであり、この4年で数々の国内タイトルを獲得し、広島県を代表してACL、FCWCにも出場。
 クラブはこれだけの成功を収めているのだから、都市としての広島は自らのサッカークラブを促進し、またクラブを用いることで自らの世界的なイメージを押し上げることが可能であり、そしてそれらを行うべきなのではないか。とりわけ、J1広島は新たなスタジアムを必要としている。
【老朽化にアクセスの悪さ…広島が抱えるスタジアム問題】
 現在のEは古く、立地的にも不便で、スタジアム内部についても、観客はピッチの反対側で何が起きているのかがほとんど見えない状態。チームの業績を考えても、クラブがトップクラスのサッカー専用スタジアムを得るべきだというのは明白。広島市が建設を進めていないという事、特にかつて広島市民球場の跡地という最適な場所が原爆ドームの向かい側にあるということを考慮すると、私は驚きを隠せない。
 おそらく日本で唯一の街中にあるスタジアムとなり、コミュニティーにとっても素晴らしきカンフル剤になり得るし、平和の街としてのみならず、スポーツの街としても広島にスポットライトを当てることになる。
 もちろん、Jリーグの試合以外でも、平和記念公園のそばにあることから、たとえば代表戦の会場としては理想的なスポットになるし、世代別代表やなでしこジャパンの試合を定期的に開催することはできないのか。また、ラグビーやアメリカンフットボール、また音楽のライブイベントなどに用いることも可能なので、市街部におけるビジネスの増進にも一役買うのは間違いない。
【世界的に活発化するサッカーへの投資】
 過去のシーズンにおいて、佐藤選手のゴールがプスカシュ賞にノミネートされたことがあり、ほんの短い動画が世界に流れたが、同時にそれは広島におけるサッカーの現実を提示。ファンタスティックなゴールシーンの傍らで、哀しきかな、ガラガラなスタンドも映ってしまった。
 しかしながら、21世紀に入ってサッカーは国際的な現象として、ビジネスや政治までも巻き込むようになり、著名人や富豪なども資本を動かしてサッカーに投資し、自身のイメージ促進に活用。J1広島のおかげで、広島は世界にその存在を示す巨大なチャンスを獲得。今回は1945年の時よりもずっとポジティブな理由で。率直に言うと、広島市議会と地元スポンサー企業がクラブと距離をとってサポートを行わず、世界的スケールから見た広島のイメージアップを図る機会としてサッカーを、そしてクラブを捉えていないという事実は、国際的な観点を持つオブザーバーの目からすれば残念。
【広島に根付くカープへの愛情】
 確かに、スタジアムの建設と維持が容易なことではないが、いくつかの日本のクラブはすでに達成し、現在取り組んでいる。J1・G大阪では、今年専用スタジアムを完成。実際のところ、サッカーを適切に開催するためのスタジアムを広島に建設しない理由はない。チームが4年間で3度の年間王者になっている事について、広島市は紫に染まり、街を代表するクラブを擁している事に誇りを持つよう促進することに徹底して専念するべき。
 にもかかわらず、広島市のエネルギーの大半が今なお野球チームに対して割かれているように思える。カープが自身の成績とは裏腹に新しいスタジアムを得て、3度の優勝を収めたJ1広島が得られていないというのは受け入れがたい事。
 また、都市がすべてのスポーツチームを支援するのが重要である一方で、世界的に普及できていない野球が、最終的には広島に対して全国的な輝きを与えるだろうと思われているのが実際のところ。
【クラブを愛し、全てを捧げている人々のためにも】
 J1広島の成功は、チームによるものであり、彼らすべては、彼らが愛する街にある愛するクラブに留まるため、他の土地に行ってより多くの金を稼ぐチャンスを十中八九取り下げてきた。21世紀で最も成功を収めたサッカークラブを通して、広島という街をグローバルに広めることは何よりも優れた方法だろう。そして、それを実現するためにも、地元の政治家たち、スポンサー企業たちには監督や選手と同じ愛情と献身を示してほしい。それを理解し、受け入れられるのは時間の問題であると信じたい。
フットボールチャンネル該当記事:http://www.footballchannel.jp/2015/11/26/post122614/

 という内容でした。ポレンギさんが熱狂的な広島サポという事がよく伝わってきました。当ブログとしても、アウェー広島戦の観戦に行った時に、新スタジアムの署名を何度もしており、大賛成です。しかし、おととしだったか、こやのん社長が市長選で負けた事がすべてではないかと思っています。あれで勝って、県民の気持ちを上手く引っ張って行けてれば、市民球場跡地に作る事になっていたのかもしれません。あの敗戦で新スタジアムの建設が何年も後退したのかな。
 加えて、隣県である岡山の専スタ論議にも大きな影響を与えたと思っています。広島の市民球場跡地に専スタができれば、岡山も続けという空気になっていましたが、今回の結果で、やはり広島は野球勢力が強いから難しい、岡山の専スタも時期尚早という世論で実現しないのではないかと思われたのでは。まあ、岡山にはプロ野球の球団が無いわけであり、J2岡山が一番先頭を走っている状況を考えたら、まだまだ可能性はあると思います。
 専スタを作るなら、J1にふさわしい存在、そうなれば平均1万人観客が入っている状況をキープしておかなければいけません。そして、もっと大事な事は、地元のJクラブが地域に大きな根を張れている事。「名前は聞くが、よくわからない存在」「どうせ、岡山市の中心部の方でやっているだけでしょ」と一般住民に言われている状態では、絶対に反対勢力が出てきます。誰もが快く賛成してくれる「地域の宝」の公共財の県民クラブになるのが理想です。チャレンジ1もいいですが、他にもやるべき事がいくつもあるのではないかと個人的に思います。その点、広島さんは理想的な、「地域の宝」の公共財のJクラブですね。すべての面において整っているから、4年で3回もJ1で優勝したと思っています。ちなみにこの記事を読んでみて下さい。
J1広島関連⑭:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20151126
  〃     ⑬:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150823
  〃     ⑫:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20150219
  〃     ⑪:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20141220
  〃      ⑩:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140710
  〃      ⑨:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140125
  〃      ⑧:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130921
  〃      ⑦:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130129
  〃      ⑥:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20111023
  〃      ⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20090412
  〃      ④:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070805
  〃      ③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20070314
  〃      ②:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060222
  〃      ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20060205

コメント
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