J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

欧州リーグの事情4

2013-08-12 00:01:21 | サッカー(J3以下・外国・他カテゴリ)

8/12:アウェー熊本戦(19時キックオフ)、ウルトラスにてPV決定!

 事例紹介コラムです。
 昨日の「FOOT×BRAIN」でいい特集がありました。「世界のサッカーに学べ! ブンデスリーガ成功の秘密」です。世界一の観客動員数、ヨーロッパ主要リーグで黒字経営もドイツのみという優等生リーグです。以下、抜粋して紹介。
   
 平均入場者数の推移ですが、1985-86シーズンで18,406人だったものが、2012-13シーズンで42,626人と倍以上に飛躍しています。 ドルトムントは約80,000人と驚異の数字で、地方クラブのクロイターフュルトも約17,000人(スタジアムの収容数:18,000人)を動員。一番大きいのは「クラブの哲学」。経営方針やチーム作りなど、各クラブに独自の哲学が存在している。その哲学で成績にかかわらず、応援のモチベーションになっている。
【ドルトムント】:安く才能があり、アグレッシブでスピードがある選手を獲得。
 香川選手は約4,000万円で獲得し、約15億7,000万円で放出。現在もオーストラリアからポーランド、ガボン、セルビア、アルメリアなどの国から若い才能を集めている。
【レヴァークーゼン】:ドイツ人の優秀な選手を育てたい、獲得したい。
 他のクラブよりも資金がないため、他の2クラブではスタメンに出れないが、ドイツのトップレベルも選手を獲得。
【マインツ】:U-8からトップまで一貫したプレースタイル。
 運動量が豊富で、アグレッシブな姿勢、守備ができる選手でなければ獲得しない。「自分達にはサッカー場のアイデンティティがある」とプレースタイルを見れば、マインツだとわかるようにしている。
   
 ドイツ勢が前回UEFAチャンピオンズリーグで、優勝準優勝に輝いたように、実力も備えている。優秀な選手が育つ理由として、2000年のユーロでグループリーグで敗退して、ブンデスリーガ、サッカー協会、特に重要だったのが全てのクラブが育成に力を入れ始めた事が挙げられる。当時危機感を覚えたサッカー協会が、ユースアカデミーの設置を義務つけ、更にクラブが取り組んだのが、「エリートシューレ」と呼ばれる地域のシューレ(学校)との連係。
 シューレはクラブに対して、サッカーのスケジュールを優遇するのに対して、クラブはシューレに対して、選手の送迎や補習授業の費用負担する事で学校運営に協力。選手を育てる環境を、学校サイドからも整える。それでも10人に1人くらいしかプロにはなれず、プロになれなかった時のための配慮してちゃんと学校を卒業させ、職業訓練を受けさせる事を両立させる機関。日本ではJ1広島がユースを全寮制にして、地元の吉田高校に通学させている事例が出ました。
 
 ドイツの育成型模範クラブが、フライブルク。1904年創設で、2部と3部を行き来していたクラブを改革したのが、フィンケ監督(元浦和)。プロクラブの監督経験のない無名のフィンケ監督を抜擢し、先進的な戦術のもとに弱小チームを1部昇格へ導く。他のクラブに先駆けた試みとして、育成のための寮を建設があり、リーグ初。自分達は優勝を目指さず、国内で最も育成に優れたクラブを目指すと発表。育成で選手を育て、リーグでも将来を確保するという思惑。
 他に、地域のアマチュアクラブとの提携も大きい。フライブルクは5つのクラブと提携。様々なノウハウや指導者を提供して、各クラブでも同じような育成をしてもらう。そこで育成されたベストの選手だけを最終的にクラブに移籍できるというシステムを、ブンデスリーガの各クラブも実践している。地域で選手を育てていくという感覚。

 欧州主要リーグの利益率。イングランド:-16%、スペイン:-9%、イタリア:-20%に対し、ドイツは+3%と健全経営。リーグの成功の秘訣として、ライセンス制度がある。ドイツでは80年代に破産寸前のクラブが結構増えたが、90年代になってチーム強化ではなく、まずクラブ強化をして全体のレベルアップをすべきという考え方にシフト。チーム戦力の強化よりも、経営基盤の強化を優先させて、ライセンス制度の大改革を実行。「財務」「安全」「設備」「競技」「法律」の基準で各クラブを審査する制度で、特に財政面での基準を厳しく設定。赤字経営が続くとライセンス剥奪や降格させる。その基準でいけば、スペインのバルサやレアルは負債が大きすぎて、ドイツでは3部にも入れない事になる。
 クラブ強化を図る事によってリーグ強化、サッカーの国としての強化につながるいい事例になる。ファン・サポーターに対しても、自分達は、足(選手)よりも石(設備)に投資しなければならないという事を発信している。全員の理解を得て、この道を進むようになった。
 その「石」が専用スタジアムの増加。2000年に7つだったのが、2006年のW杯開催の影響もあって、2012年には15と倍増し、清潔な環境は、女性や子どものファン獲得につながった。
   
 この中で、地域のアマチュアクラブとの提携については、実はJ1柏の「アライアンスグループ」が相当すると思いました。柏レイソルアカデミーは周辺の少年サッカークラブとの関係を深め、相互協力して活動を実施。2011年度「アカデミー提携クラブ」から2012年度より「アライアンスグループ」として生まれ変わっている。「地域・社会」という大きなグループの中で、クラブと各地域クラブが共に手をとりあい、地域全体のさらなるレベルアップを目指して活動していくとしています。
 この番組を観ていたら、Jリーグもドイツを参考にすべきと思いました。クラブライセンス制度は参考にしていても、ポストシーズン制の導入など欧州トップリーグにはない制度を模索している事に首をかしげます。番組では専スタを作れば、観客も増えるとありましたが、まずは足元のスタジアムを満杯にする事が大事ではないかと。観客動員増のヒントはドイツにあると思います。財務面だけでなく、「なぜ、ドイツのファン・サポーターはスタジアムに通うのか」そこを徹底的に研究すべきではないかと思います。
 ちなみにマインツについては、当ブログでも2005年の大昔に記事にしており、一応チェックしていましたね。あと、フライブルグは2008年にJ2愛媛とフレンドシップ協定を結んでいます。行政の姉妹都市関係という事ですが、ぜひ今後に活かせて欲しいですね。

 J1大宮のベルデニック監督が更迭されました。このパターンはいつか見た光景です。このFOOT×BRAINでも優秀な監督とされていたのに・・・ そういえば一昨年、神戸さんも西野監督を更迭して降格した事を思い出しました。まあ、この成績で降格はないでしょうが、長い目で見てどうなるのか。いい監督さんが就けばいいのですが。 

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする