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欧州リーグの事情1

2012-06-25 00:00:57 | サッカー(日本代表、W杯等)

 事例紹介コラムです。
 昨日の「FOOT×BRAIN」で面白い特集をやっていました。「FOOT×BRAIN」は時折「これは記事にせねば」と思わせる特集があり、今回も番組名にふさわしい面白い番組でした。マンUに移籍した香川がいたドイツ・ブンデスリーガの現場事情をよく解説されていました。以下、抜粋して紹介。

    
 ドイツでは多くの日本人選手が活躍。サポーターは選手の歌は歌わないが、唯一香川の歌は何度も歌われる。どこのスタジアムでも歌われる。8万人が香川チャントを歌う事。誰もが知っているユーロの有名選手が香川選手の事を知っている事はすごいと思います。それくらい香川はドルトムントサポに愛されている。
 「ナマの目で見たブンデスリーガ」というテーマで、ブンデスリーガを分析。ブンデスの今シーズンは、観客動員は最多記録を更新。2011-12シーズン(2011)のリーグ観客動員数(1試合平均)は、日本(Jリーグ)の1万5,441人に対して、ドイツ(ブンデスリーガ)は4万4,345人という事で、Jリーグの約3倍。なぜここまで差が出てしまうのか。
 「ファミリーな雰囲気」と合わせて、チケットの安さがあるようです。イングランド(プレミアリーグ)の約4,000円に比べて、ドイツは約2,100円。どうしても足が向きやすい仕組みをリーグとしてやっていっている事。

 もう一つの要因は「実力の均衡」。強豪バイエルンミュンヘンがあるものの、最近は毎年のように優勝チームが入れ替わっている。どのチームが勝つかわからないのがブンデスの魅力。なぜ、チームの実力が均衡するのか。
 ブンデスのクラブは1オーナー制ができない、すなわち「1オーナー制の禁止」。大きな親会社が巨額の資金を出せる事ができない仕組みになっています。それは制度として決まっており、バルサのような「ソシオ」制度がドイツにはあります。ソシオ制度とは、会員の出資によって組織を運営する方式で、バルサには経営者やオーナーがなく、会員の年会費(約3万円)がクラブの運営費となっている。ドイツの場合は、オーナー企業の出資は可能だが、運営・方針の決定権は全体の過半数以下の49%しか持っていない。残りの51%は・・・ 過半数以上は会員が51%以上権利を持っているそうです。1人の人間が100%自分の思い通りにできない状態で、ドイツらしい「身の丈に合った経営」と言えます。
 さらに、無謀な借金による選手補強も禁止されているため、高額な世界的スターを集める事もできない。ブンデスでは高い選手よりも若くていい選手を獲得するのが主流。だからクラブ間の実力が均衡し、盛り上がると言えます。

 特徴的な制度として「ドイツ人枠」があります。ブンデスでは06-70シーズンから外国人枠を撤廃し、ドイツ人枠を設けています。ユーロの枠ができてしまい、EU加盟国の国籍を持つ選手は、EU域内のクラブチームでは外国人扱いされないために、いい選手がどんどん入ってくる。そこを制限してもしょうがないので、ドイツ人にブンデスでプレーする機会を保障しましょうという制度。
 更に育成の方の仕組みを作る事によって、若い選手達に少しでもいい環境でプレーできる機会を与えようという事で、ブンデスのクラブも自分ところの育成に力を入れる事になる。ドイツ人枠は以下の複数の条件があり、これらすべてを満たさなければならない事になっています。
【ドイツ人枠】
①1チームに最低12名のドイツ人の登録をする事
②8名は15~21歳までに3年以上、ドイツの育成機関で育った選手である事
③そのうちの4名は自分のクラブの下部組織で育成した選手である事

 ドルトムント26選手のうち、①の「12名以上のドイツ人」では15名。②の「育成機関で育った選手が8名以上」では8名。③の4名は「下部組織出身が4名以上」では4名います。この制度により、クラブは必然的に育成部門を強化し、地元出身選手が活躍する事で、「サポーターのチーム愛」「観客動員数もアップ。」更に代表選手の平均年齢(22歳)も若くなり、ドイツサッカーの底上げにもつながる。
 ブンデスはドイツ人枠が決まっているだけで、枠外が規制がないため、日本人に開かれている籍が他国のリーグよりも多い現象が起きています。現在、10人の日本人選手が活躍しているのは、こういう事が作用しているようです。 

 これらの話の中で、最も注目したのは「1オーナー制の禁止」です。資金力があるオーナー企業もしくは経営者が過半数の株式を持っているクラブを知っていますが、役員名簿や出資企業等の経営情報が不明。情報公開度が低いと思われます。役員数も他のクラブと比べて少ないと聞いています。Jリーグもドイツのようにオーナー企業の出資は可能だが、運営・方針の決定権は全体の過半数以下の49%しか持てないようにしてはいかがでしょうか。ソシオ制度を導入し、一部の役員が100%自分の思い通りにできない状態にしたら、「身の丈に合った経営」になるのではないでしょうか。無謀な借金による選手補強も禁止されれば、赤字もなくなると思うし、クラブライセンスも心配しなくていいようになるでしょう。
 まあ、聞いた情報ではJリーグ自体が「ソシオ制度」についてどう思っているかという話もあり、ブンデスの方式がそのままJリーグに当てはまるとは言えないと思いますが、この「経営者」の話は当ブログもよく考えるテーマです。今のところの理想形はJ1仙台と思っています。よく栃木型の話も出ますね。最近様々なクラブ方面の閲覧があるようですが、読者の皆さんの地元クラブはどうですか? 経営情報を公式HPで知り得ていますか? この話はこれからもどんどん掘り下げていく予定です。乞うご期待。

 ふと思うのは、傍士師匠ほかJリーグや日本協会関係は、ドイツをお手本にという流れがありますが、ひょっとしたらブンデスのこういう細かい部分まで見ているのかなとも思ったりします。
    
 ブンデスからプレミアに移籍した香川選手は、オフ期間に被災地でキリンスマイルフィールドとしてキッチリ震災復興支援活動(福島県相馬市)をしています。最後は当ブログ的な締め方になりましたが、これはプロサッカー選手(Jリーガー)として当たり前だと思うし、こういう事に距離がある環境というのはとても悲しい事だといつも思います。

 話は変わり、今日ファジのホーム甲府戦が開催されました。その模様は明日。 

コメント
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