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栃木SCの話7 【J特】

2011-11-06 00:13:48 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 先日、栃木サポのS氏から「『サッカー批評』にそちら好みの記事が出ている」という情報を受け、わざわざそのコピーを送っていただきました。以前から紹介している「栃木型」についてです。「栃木SC J1昇格への道」というタイトルの記事で、「松田監督の手腕についても、詳しく触れていましたが、当ブログとしてはクラブ役員について抜粋して紹介します。前の「栃木型」の記事を付け加えて作った形になります。
   

 このクラブには、Jクラブ経営のノウハウを持った者はなく、選手に対する投資の感覚が違っていた。そこに2009年、J1浦和で常務取締役を務めた新田氏がGM(現在は代表取締役兼GM)として着任。その後、松田監督、新田GM、強化部長による強化ミーティングがスタート。Jクラブの中には選手起用だけを見て、監督の意見や考えを全く取り入れないフロントもいる中、松田監督にはいいチーム強化について、いい環境だったそうです。その流れでクラブ初の南米選手獲得が、リカルド・ロボ選手だったとか。

「栃木にはまだ天然芝のグラウンドもクラブハウスもなく、中期計画に盛り込んであるが、最優先は選手の人件費。強くて魅力的なチームを作ることが、観客動員やスポンサー獲得につながり、クラブの発展につながる」と新田GM。
 その人件費を捻出するためのクラブ改革も進む。2010年4月にクラブは経営陣を刷新。中津新社長をはじめ、役員には県経済界の重鎮達が顔を並べる。
「経済同友会や経営者協会のメンバーの方々が県内企業の取締役や監査役に就かれているので、まず中津社長などに電話をしてもらって、ドアを開けてもらう。そこに営業スタッフが出向く。そうやってどんどんスポンサーを獲得していった」と新田社長。
 この努力は実り、2010年度は法人化した2006年以降初めて単年度黒字を達成。今シーズン前半も一時首位に立つなどチームの好調も追い風となり、スポンサー社数が6月末時点で前期比6割増の160社に急増。
 よく他チームの番記者から「何で栃木はそんなにお金があるの?」と聞かれるが、松田監督が求める選手補強の資金はこうして捻出できている。更にJクラブ個別情報開示資料によれば、2010年度のJ2栃木の人件費は2億7,800万円。昨シーズンの比較で昇格有力候補であるF東京や千葉の約5分の1であり、J2平均の4億2,900万円も大きく下回る。J昇格3年目の予算規模でありながら、費用対効果は非常に高い。

 チームの急成長に対して、観客動員数の少なさの課題も浮上。クラブとして観客動員力強化を担当する地域活性化推進部が本格始動したのが今年2月という事で、遅きに失した感は否めないと。
 また、スタジアム問題も、J1基準を満たすホームスタジアムの個席増設の仮設工事も必須。5年以内に新スタジアムを作るという県の約束があるが、3年経過しても計画は策定できてないという課題も浮き彫りになっているようです。

 JFLからの生え抜き役員体制に限界を感じ、地元財界の重鎮メンバーによる役員体制に即移行され、しかも今シーズンしっかり結果を残せているという事は、素晴らしいの一言です。この「栃木型」は未来が明るく、最近よく聞く表現を使うと「栃木の春」ですか、うらやましいですね。逆に未来が見えない閉塞状態は・・・ 去年の「栃木型」の記事をこの後につなげました。そのままご覧ください。

 J1浦和の元常務取締役が、栃木SCに来られて活躍されているという記事を読んで、栃木さんも本気になったと紹介。J2栃木は去年4月に現経営陣が総辞職し、栃木県経済界を代表する8名が新役員に就任。任期満了に伴うものだそうですが、チームが目標に掲げる「J1昇格」のためには、財務基盤の一層の強化が必要という判断の結果だそうです。
 経済界を挙げた体制は、幅広いスポンサーの獲得を図る狙いが見え、行政にも影響力のある県内主要経済団体の「ツートップ」を起用することで、より公的な色彩も強まったそうです。「J1シフト」と関係者の1人が表現されています。 新役員は以下のとおり。

・代表取締役社長
中津正修氏 [トヨタウッドユーホーム㈱代表取締役社長]
・代表取締役専務兼GM
新田博利氏 [J1浦和の元常務取締役]
・取締役
星 剛氏   [栃木SC営業グループチームリーダー]
板橋 敏雄氏[㈱板通取締役会長](県経済同友会筆頭代表幹事)
角 一幸氏  [㈱TKC代表取締役副社長]
藤井 昌一氏[藤井産業㈱代表取締役社長]
・監査役
青木勲氏   [北関東綜合警備保障㈱代表取締役社長](県経営者協会会長)
伏木昌人氏 [栃木信用金庫理事長]


 中津社長は、とちぎニュービジネス協議会の副会長などを務め、若手経営者にも人脈が広いとか。幅広い人脈、経営手腕などを買われ、県IT経営戦略会議の座長なども務められ、クラブの法人化の時に発起人として奔走。'06年の運営会社設立時から監査役を務めてこられました。
 県経済同友会筆頭代表幹事の板橋敏雄氏、県経営者協会会長の青木勲氏、県経済界を代表する8人が新役員に就任。県経済同友会はプロスポーツによる地域活性化を掲げて栃木SC研究会を設置し、スタジアム整備を県に提言するなど支援の中核を担ってきたそうです。そのトップが今後は直接、経営に携わることになります。
  監査役の青木勲氏は、300社近い県内企業を束ねる県経営者協会の会長で、各種団体の長も多数兼務。社長を務める北関東綜合警備保障は、昨季から栃木SCのユニホームスポンサー。

 記事では、最低で10億円程度の資金が必要ともいわれるJ1。財界要人が経営に責任を持つ新体制は、昇格への「本気度」の表れとも言えるとしています。
 県内経済界を挙げた“オール栃木”体制に一新し、「公共財(公器)」であるクラブ経営を強化することでJ1昇格に全力で取り組むようですね。地元、下野新聞社の取材に対し、「クラブが大きくなるには『脱皮』が必要。J1に上がるために一新した」と説明。「地域に根差したクラブを目指す上で安心して経営を任せられる方ばかり。新しい営業体制などを確立しJ1昇格を早期に達成してほしい」と新井社長のコメント。ちなみにこちらのクラブには一昨年から、財界を挙げた立派な後援会があります。
J2栃木公式HP該当ページ:http://www.tochigisc.jp/profile/company.html
J2栃木後援会公式HP:http://www.tochigisc-kouenkai.jp/

 本当に強くなるため、本当にクラブがステップアップするにはどうしたらいいのか、先進事例として示されたと思います。クラブ経営を強化し、強くするために「オール」体制へ脱皮。当ブログが特に注目したのが専務取締役。常務や専務は常勤が多いので、なかなか替えにくいだろうと思っていましたが、元J1浦和という人材ならば文句なく、足りていない部分を補う措置であればやむを得ないでしょう。こういう人材が入って、新しく正しい価値観のもとにクラブを引っ張っていくというのはいい事だと思います。

 当ブログでは、よく「バランス」という表現を用います。チームが弱くなるのは、監督や長老選手など全体のバランスを崩す存在があり、それを補おうとするために無理な負荷が生じて、全体的におかしくなると思っています。企業経営も同じことかもしれません。
 「閥」(以前に薩長閥という表現も紹介しました)にしがみついているために、バランスを崩しているケースもJ38クラブに限らず、どこにでもあるのかもしれません。まぁ、よその県の事例なので、岡山県民である当ブログは偉そうには言えませんが。
下野新聞HP該当ページ①:http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/sports/t_sc/news/20100427/315349
下野新聞HP該当ページ②:http://www.shimotsuke.co.jp/news/tochigi/sports/t_sc/news/20100520/324975

 当ブログでも時々このテーマでの特集を、ちょうど3年前に集中してやっています。出資企業と役員構成を特集した記事です。J2クラブ中心にキチっと経営情報を公式HPで情報公開(素晴らしい)している8クラブ(栃木を合わせると半数近い数)を紹介しましたが、いい機会なので、ちょっとおさらい。下の資料は資本金や出資企業、役員構成などを中心に紹介していますが、3年前の資料が多いので、現在は変更があるかもしれません。一つの参考にどうぞ。また、しっかり整理して情報公開したい思います。
クラブ経営関連まとめhttp://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20081207
シリーズその9「栃木SC」:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100818
シリーズその8「アビスパ福岡」:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100505
シリーズその7「FC岐阜」:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20091006
シリーズその6「サンフレッチェ広島」:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20081023
シリーズその5「徳島ヴォルティス」:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20081013
シリーズその4「セレッソ大阪」:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20081006
シリーズその3「ベガルタ仙台」:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20080929
シリーズその2「湘南ベルマーレ」:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20080927
シリーズその1「カターレ富山」:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20080904
 
 さて、明日はファジアーノ岡山はホーム・岐阜戦です。黄色いACLチームは20日までリーグ戦はありません。

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