迷建築「ノアの箱家」

ひょんなことからNOAに選ばれし者として迷建築「ノアの箱家」に住むことになったKOKKOの笑ってあきれる自宅建築奮戦記

ドリトル先生動物園倶楽部

2010-08-26 23:12:19 | 建築一般

世田谷村の白足袋とその飼い主

 

ドリトル先生動物園倶楽部事務局長の白足袋が任務を放棄し、会員からの郵便物をこともあろうに飼い主に代読させているようだ。 こう暑ければ、猫の手も役には立たぬらしい。

 しかし、飼い主の方はたいしたもの。石山修武なる飼い主の文章は面白すぎて、なかなか抜けられない。

こんな人を教えてくれるなんて、アトリエ・ノアの若い設計士玉城さんは罪作り。

 

「SELF BUILD」

実に面白く、一気に読んでしまった。

その勢いで、山梨のコンテナの店(ワジアジア)まで、結露対策の調査に出向いてしまったのが3月、母の墓参りのついでだった。

「ノアの箱家」の工事が始まり、お次は「生き延びるための建築」の紹介。

まあ、なんていい感覚!!

 

で、「建築家突如雑貨商となりて至極満足に生きる」を300円で買って読んだ。

笑い転げた。

「うちの家の窓は安全農作物だ。」

「学生をビニールハウスで育てることにした。」etc.

 

他にも本を読もうと思い・・・。

そうだ、「バラック浄土」なんて、タイトルからして私にピッタシ!

が、アマゾンで調べたらプレミアがついて40000円!

これじゃ、買えない。三球四脚の方がまし。

 

 仕方なく「世田谷村日記」の過去ログを見ていたら・・・。

「睨むんです」の件なんてもう、サイコー!!

出てくる人がみんな大騒ぎして喜びまくってて、なんて素敵なのかしら!!

“馬鹿本”に感動している姿に感動した。

 で、会津若松の猪苗代湖の建物の建築中の写真を発見。

いいねえ!!

実にいい!!

この光・・・ひょっとしてバルセロナパビリオン? なんて思っちゃった、一瞬だけど。

 

で、はたと思ったのだ。

そうだ、40000円なんて大金はないから、

この際「世田谷村日記」を過去10年分最初から読んじゃえ!!

出費ゼロだ。

ありがたい。

というわけで、「世田谷村日記」10年分読破にトライすることにした。

時々レトルトカレー食ったの冷やしそうめん食ったのとどうでもいいことまで知らされちゃうけど、まあいいや。

「世田谷村」の実践をともなう生き方が素晴らしいと思うから。

馬鹿馬鹿しいぐらいみっともなくて誰にでも出来るやり方のグリーンカーテン牽引を、しかも雑草然とした葛を、あそこまであっけらかんとやってくれちゃうなんて、爽快。

“カッコ悪い”は“カッコいい”の見本だ。

うん、面白い。

 

「世田谷村」の思想性については、小難しく語らずともよい。

 とにかく、過去10年分、タダで楽しませてもらいましょう。

 

 



不動産評価額調査

2010-08-26 21:21:58 | 本人登記とお金

「ややこしくするかしないかは、そちら次第だよ~。」

 思わず言ってしまった。

やっぱり言ってしまった。

 

予定より早く市役所の資産税課の役人が二人はるか向こうの道に。

車から降りるなり、

「えっ、屋根がついてるんかいな~。」

「KOKKO:「ついてますよ、でなきゃ確認申請降りないもの。」

困ったような表情で階段を登ってくる二人の役人を見ながら、

「ささ、どうぞ。」

うやうやしくお出迎え。

 

役人:「設計図どおりの建て方になってませんね。」

KOKKO:「 そんなはずないですけど~。」

年配の役人が、先日コピーしまくっていた建築確認申請書(副)のコピーを開き、

「ほら、屋根が・・・。」

KOKKO:「いいえ、設計図どおりですよ。このラインが屋根で、コンテナの上に乗ってます。」

設計図を指差しながら説明した。

役人:「え? このラインが屋根かいな。へ~。」

おいおい、大丈夫かい? (彼は建築士の有資格者である。)

役人:「僕も一応建築士ですから、奥さん(奥さんではない!元奥さんである。)の仰る気持ちは分かるんですが、税金算定の基準がありまして・・・。」

KOKKO:「算定があろうとなかろうと、見れば分かるでしょ~。これが資材費470万円もするわけないじゃない。コンテナ16万円、それが四つですよ、金額メモしといてね。屋根と柱は日当込みで120万円で付けた。」

役人:「でも、運賃がすごく高かったでしょ?」

KOKKO:「知り合いの大工に頼んだから34000円。クレーンも4万円。でも、固定資産税の算定は確か資材費だけだったはず。」

 

あちこちの写真を撮りまくっていた二人。

役人:「・・・、本とだ、窓も流し台も中古品ですね。何で、中古品なんか使うんですか?」

KOKKO:「お金ないから~。どれが新品か言いましょうか? IHヒーター、電気温水器、風呂桶、シャワー用蛇口、それだけ。あ、基礎が新品でした!」

役人:「風呂は外だ、温水器も外・・・、これ、算定対象にはならないですね。」

KOKKO:「あらま、嬉しい~。」

 

役人:「まだ家出来上がってないじゃないですか。」

KOKKO:「これで出来上がりなんです。何しろ、お金がないもんで。これで出来上がりとしなければならないんです。贅沢は敵なのです。」

役人:「でも、風呂もむき出しで固定されてないし・・・。」

KOKKO:「私はこれでいいの! これで入るしかないの。私のライフスタイル、自由にさせてよ~。」

役人:「壁も鉄、内装は?」

KOKKO:「内装無しということで建築確認を通しました。完了検査が済んで引越しして来てから、10年ぐらいかけて少しずつお金貯金して工事していくんです。私にお金がないからこういう設計になったの。」

役人は、「よく分かりましたした。」と言いつつ、その後も頓珍漢な質問を一杯。

私は、そのたび「お金ないから~。」

  

 役人:「これ、重量鉄骨ではなく軽量鉄骨なんです。税法上は軽量鉄骨でもありません。鉄板造鉄板葺平家建てです。」

KOKKO:「え?法務局では鉄骨造ということで申請書を書きましたが・・・。」

役人:「あなた、まだ登記簿見てないの?」←実は、登記完了証しか貰ってきていなかった。(-_-;)

役人から法務局の用紙を見せてもらった。

役人:「鉄骨造の部分に線を引いて消してあり、鉄板造となっていました。向こうが書き換えたんですね。」

ふ~ん、後で内部で話し合ったんだな。

こんなケースないから、皆さんちんぷんかんぷんなんだ~。

 

役人:「実は困ってるんです。高槻でもコンテナをわざわざ建築確認取ってまで建ててるケースなんてないし、ましてや鉄板造なんてのは規定にないから、税金計算できないんです。あなたが初めてで最後のケースになると思います。」

KOKO:「じゃ、私は高槻の歴史を切り開いたわけね。カ~コッイイ~! だったら、市役所の人たち、しっかり計算して頂戴ね。異議申し立てされたら、ややこしくなっちゃうよ~。」

役人:「ややこしくせんとって下さいよ。」

ここで冒頭のセリフ。

KOKKO:「ややこしくするかしないかは、そちら次第だよ~。」

 役人は「上司と相談する時間を2週間下さい。」と言って帰って行った。

 

KOKKOは粘ります。

自分の土地に自分の責任で自分の家を建てることの自由は事実上なかった。国家に奪われたも同然だ。理不尽と思いつつも違法建築をやる根性がない模範的国民・小市民ゆえに、私は何とか法的にクリヤーしようとしてひどく苦しみ続けたのだ。

この上たくさん税金取ったら許せない。

これはもう囲炉裏茶屋の蚤たちを引き連れて一気に一揆。

そうだ、立ち上がろう、立ち上がるんだ~、全国の蚤たちよ、立ち上がれ~! 我々“蚤の会”の存在をアピールする時が来たぞ~! (私は“カムイ伝”のファンだ)

そうだ、世田谷村の白足袋にも言いつけて・・・いや、ダメだ、奴はあてにゃならない。蚤は奴の天敵だ。

 

 ※建築基準法の矛盾については、「ノアの箱家」物語に書いた。姉歯事件後、法改正が行われたが、「改正」なのか「改悪」なのか悩ましい点をおおいに含んでいる。事細かな規制が増大し施主側のあまり意味のない負担が増した。経済的にゆとりのない人間はますます建てにくくなり、受注が減ることで建築業界にも大きな打撃となったのである。